2020年9月県議会 福祉環境委員会
 楠本文郎副委員長の質問概要記録
                                             2020924
【福祉保健部】 【環境生活部

【福祉保健部】
《質問》楠本文郎 副委員長
 介護事業所の職員に新型コロナウイルスの陽性が判明して、この方の濃厚接触というものをどこまで広げたか。介護の施設については、いろいろなケースがあると思うが、この件についでは、濃厚接触として、どの程度の規模、人、期間という形をとったか。

《答弁》 健康推進課長
 まず感染患者の行動ということで、日々の中で感染する可能性がある方を特定し、その中で濃厚接触者を判断している。
 ただ、介護施設というのは、感染が確認された場合に感染者の方が重症化しやすいというケースもあるため、念のための検査で、通常では濃厚接触者ではない方についても可能性として考えうる対象者を大きく広げて検査をしている事例がある。
 ケースバイケースで、個々の施設、ケースの中で、それぞれ判断させていただいているというのが現実である。

《質問》楠本文郎  副委員長
 9月22日に記者発表された橋本保健所管内の介護の事業所職員の方について、今まさに濃厚接触の特定を進め、PCR検査もかける形で進んでいると思う。
 これが一つの事例として、今日に報告をできないかとご質問申し上げたつもりだが、まだそこまでいかないということでよろしいか。
 他府県と比べて和歌山県が評価をされているのは、濃厚接触として懸念がある方についても、和歌山県は幅広くPCRの検査を行っているのが一番の特徴だと思う。それについて、橋本保健所の22日に判明されたケースの場合を教えてほしい。

《答弁》 福祉保健部技監
 今般の事例については、感染者の方の職場である施設の従業員の方は全員検査をしている。発症日前日の2日間に接触をされた方は、デイサービスの看護師だったので、11日にデイサービスを行った方は16名全員に対して症状のあるなしにかかわらず検査を行った。
 また、10日に、別の管内の市町村の乳幼児健診の支援をしていたため、そこで関わった職員8名全員に対して検査を行った。
 さらに、本日検査予定であるが、その親についでも全員検査を行い、検査対象者は同居家族、別居家族、ご友人とかなりの数に至っている。

《質問》楠本文郎 副委員長
 和歌山県が特に評価をされている部分は、無症状の方に対しても懸念があればPCR検査を行っているところではないかと思っている。
 今まで和歌山県が有症者中心でPCRの検査を行ってきたが、濃厚接触の中には無症状の方もいた。その中で、無症状の方の検査の人数はカウントできるのか。
 また、無症状ということがポイントだと思っているが、日々の報告の中で「状態安定」という表現と、中に「無症状」という方が何人もおられる。和歌山県は、無症状だけれども入院をしてもらうという措置を採ってきている。これがすばらしく、はっきり評価をすべきではないかと思う。
 そこで、無症状の方の入院は、今まで何人いたのかをお示ししていただきたい。

《答弁》 健康推進課長
 まず、無症状者についてであるが、何人の検査をしたかはデータとして持ち合わせていない。基本的には、特定された濃厚接触者の有症状者からまず検査していくので、無症状者をどれぐらい検査したかというのは、調べられるのかということも含め、分からない状況である。
 無症状で入院された方について、8月の末までで感染が分かり、入院された方230名のうち無症状者の方については52名となっている。
 無症状者に対しての入院措置については、今後も引き続き、感染拡大の防止や治療の観点から行っていきたいと考えている。無症状者で発見された52名のうち20名近くは、その後症状が出てきたという状況もあるので、そういった観点からも入院措置については、引き続き県として、行っていこうと考えている。

《質問》楠本文郎 副委員長
 今まで検査をした方のうち、無症状の方をカウントすることにはこだわっていない。無症状の方も含め、和歌山県の場合には徹底してPCR検査を行っていることが大事であり、数字が出たら、なおさらはっきりしていいのではないかという問題意識だけである。
 その中で、無症状でも再度陽性になる可能性を、きちんと把握しながら入院措置を続けるという答弁をいただいた。それが、和歌山県が評価されているところであり、これからも検査の回数を増やしていくために、16医療機関で18台のPCR検査機器の新規整備について、検査体制を整えるために今回の予算で計上されていると聞いた。
 検体を新宮市から和歌山市まで運ぶのは大変なので、その検査体制を南にもつくっていくことが必要だという問題意識を持っている。
 そこで、質問としで、1点目は、具体的な医療機関の位置付け、地域配分はどのようになるか。
 2点目は、機械は置いたが、実はとある南のところで、講習、研修の期間がうまくいってなかったために、せっかく入れてもらった機器が使えないようなことはないのか。臨床検査師の研修をきちんと行えば、かなりの回数や分析もできると聞いたが、間違いがないかも含めて説明いただきたい。

《答弁》 健康推進課長
 まず、病院に配置するPCR検査機器の配置の地域について、基本的に各二次医療圈に1台以上は配置される計画になっている。
 また、検査分析については、県では、分析機関として県の環境衛生研究センターが検査を行っており、病院内にPCRを設ける際、検査員に対して実地に、相談に乗る体制で、技術的な部分でのフォローをしている。
 さらに、院内でのPCR検査が始まってから約1か月程度は試行期間ということで、病院内での検査とともに、県の環境衛生研究センターでも再度確認し、間違いがないかどうか技術的な確認をとるような体制を執っており、技術上のフォローは検討して取り組んでいるところである。

《質問》楠本文郎 副委員長
 機械を入れただけでなく、それを使える方、マンパワーの要請もきちんとやっていただいでいることを確認しておきたい。
 検査を増やせば、和歌山県の場合は無症状の方も広く検査していることから、入院となればより病床を増やさなければならないため、感染病床の目標数を200床から400床に引き上げると本会議でも説明があったかと思うが、その点に関して幾つかの質問をさせていただきたい。
 1点目、400床といえば今までの倍になるため、一つの医療機関のベッド数を増やすだけではなく、対象の医療機関そのものを増やすという形になっていくのか、その具体的な計画内容を現時点で報告いただきたい。
 2点目、その場合に、その医療機関の人的もしくは資材的なゆとりということではどうだろうか。人的な支援も必要になるのではないかと思う。そうなると、看護師など病院スタッフの確保も、そういう形で順次進めていくことをせざるを得ない。
 以上、2点についてお答えいただきたい。

《答弁》 健康推進課長
 400床の具体的な内容であるが、県の方では、感染が拡大した時のために、国からの目安をいただく中で、県として400床の病床を確保するということで取り組んできた。
 各病院、医療機関の方が、最大時にそれぞれ確保する病床数を積み上げた数字が400床ということで、既に了解をいただいている。
 現状では200床程度の空床を確保しているが、もしも感染が拡大した場合には、必要な地域の医療機関に依頼し、さらなる病床を確保していただく。収まってきた時には、当然不要になってくるので減らしていただくことで対応していく。このように、感染状況に応じて病床を動かしていくという取組をしている。
 また、人的な支援の話をいただいたが、各医療機関と事前に協議をしていく中で、ご了解いただいてから、支援を行うということになっている。というのも、医療機関側として、対応できる人員人材も考慮して、対応できる病床を確保いただいていると理解している。それについては、県からの特段の支援はないが、国においては事実診療報酬が2倍、3倍になるということで、かなりのかさ上げ措置がされており、そういった点で金銭的な支援ということはある。

《質問》楠本文郎 副委員長
 この関連で、もう一つ質問しておく。
 まず1点目は、ベッド数を増やしていく中で、精神障害の方が新型コロナウイルスの陽性となったときに、案内される医療機関は有田川町にある県立こころの医療センターだけでいいのか。中紀、紀南地方に対応先をつくっていくことが、病床確保の上でも、大事なポイントではないのか。
 2点目は、難病患者の方についてである。内科、外科を含めて特定の診断、診察、治療を行っているところに、さらにコロナ対応となると、かなり難しいと思う。この点でも、受入れ病院を指定していくことも必要ではないかと思うのだが、現時点ではどうか。

《答弁》 健康推進課長
 精神障害者の受入れ病院としで、県立こころの医療センターは救急対応している医療機関になっているが、県では精神障害者の新型コロナウイルス感染患者や入院患者を受け入れていただく医療機関を、一定の病床数ではあるが確保しているところである。
 病床についでは、地域や病院について公表していないので、それについては了解いただきたい。しかし、精神障害者だからといって、すぐにその病床へ入院ということにはならないので、その症状の軽重に応じ、専門の施設でなければならない以外の場合については一般の病院でも対応していただきたいと考えている。
 そのため、県が確保している精神障害者の病床を全て、そのために利用するというわけではないのでご理解いただきたい。
 難病の方については、専門の医師にかからないといけない方もいるし、病気の種類については、患者数の多い医師もいるため、県内で見てもらえるケースもある。症状に応じての対応や受け入れていただける専門医の方がいるかどうか、重篤な状況かどうか等、総合的な判断の中で入院先の調整を行っていきたいと考えている。

《質問》楠本文郎 副委員長
 続けて、医療関係、介護の問題から、最後に国保の問題、大きく3つの事案にお尋ねしたい。
 1つは、ある町長から尋ねられたことである。陽性だった方が経過観察となり退院した、その時に災害が発生した場合、その方をどこへ避難誘導したらよいのか。経過観察をしているという情報が、県から市町村には来ないため分からない。本人はどうすればよいのかと問合せされた。県はどのように考えているか。

《答弁》 健康推進課長
 まず、避難をするというのが前提にあると思う。
 しかし、県から、避難所を設置している市町村に対し、陽性患者の情報、個人情報等を渡すという一律的な扱いは非常に難しいと考えている。というのも、個人情報になるので、そういった厳格な対応をしなければならないと考えている。そうした中で、避難所が設置された場合に、具体的にどのように情報提供をしていくかについて、県の危機管理部局と調整、検討を行っている段階である。

《要望》楠本文郎 副委員長
 その点も含めて、市町村と情報交換、意見交換しておくようにお願いする。

《答弁》 福祉保健部長
 補足説明させていただく。
 今、課長が説明したように正式には決まっていない。
 ただ、経過観察中の情報は保健所で十分把握しており、災害が近づいた時に、事前にこの辺りの避難が想定されるという時には、本人の同意をいただいた上で市町村と話をしながら、一定の距離が確保できる避難場所の想定をお願いするという方向で進めている。

《意見》楠本文郎 副委員長
 今の答弁のように言ってもらえるとすごく納得できる。

《質問》楠本文郎 副委員長
 医療機関における経営支援策が必要だと思っている。
 8月27日、関西広域連合議会で質問の機会をいただき、関西広域連合としてどのようにお考えかと聞いた。
 飯泉委員の答弁の中で、緊急包括支援事業の幅をもっと広げていきたいという趣旨の発言が多くあった。
 近畿を含む関西広域連合での問題意識は、多くの医療機関等の経営状況に、深刻な影響が出て来ていると把握していることである。
 何らかの支援が必要で、その支援策をもっと広げていかなければいけないことを示していただいた。
 その先のさらなる支援としては、国に要望していくことと、もう一つの枠は、包括的なものにしていく必要があるのではないかと考える。補助金の名称としては包括支援交付金のようなものになると答弁をいただいている。和歌山県における検討の状況を示していただきたい。

《答弁》 医務課長
 医療機関への経営支援、財政経営支援ということであるが、4月補正、6月補正、今回の9月補正を含め様々なメニューを作り予算措置をさせていただいている。
 まず感染症病床の確保ということで、空床確保の補助金を、国の包括支援金を活用して用意している。4月補正から9月補正も含め114億円程度。
 感染拡大の防止、院内感染防止に関する資機材の整備に関しては、4月と6月補正を含めると約57億円程度。
 さらに、慰労金が50億円弱程度であり、国の包括支援金等を活用して和歌山県では220億程度の予算を確保し、随時申請を受け付けて執行しているところである。
 それに加えて、他の業種と同じように、事業継続支援金や、県の県内事業者事業継続推進事業費補助金も同様に活用いただける。
 また、当面の運転資金としては、福祉医療機構が大型の融資を用意しており、病院は通常対象外のところが、最大10億円まで5年間の無利子据え置きで、通常0.8%のところを0.2%で、最長15年ということである。また、診療所に関しては300万円のところが5000万円まで融資が受けられる。当面の運転資金も活用可能である。飯泉知事が想定していたかは不明であるが、国において予備費を活用して、支援的なものとして1兆2000億円が決定している。
 今回は、ほとんどが国の直接執行になるが、先ほど説明した県から出す補助金の上乗せのような仕組みになりそうであり、1兆2000億円から考えると和歌山県は大体100分の1である120億円ぐらいであると思っている。
 当面は、新たな国の予備費を活用した支援と補正で確保させていただいた補助金を、できるだけ速やかに執行するということで、医療機関の方に資金を注入していきたい。

《質問》楠本文郎 副委員長
 介護施設を含めての答えではないと思うが、考え方は連動している。
 それについては支援策が必要であり、必要な支援策を幾つも打ち出してきた。
 また、新たに1兆2000億円のいわゆる予備費枠としての支援策も出ている。その状況の中でという説明は了解した。
 医療機関と介護施設は別のジャンルであるが、含めて今のような説明を周知徹底されていると理解してよいのか。

《答弁》 医務課長
 国の予備費の部分については、まだ我々も詳細は分かっていないところがある。分かり次第、医療機関等に周知徹底をしていきたいと考えている。
………………………………………………………………………………………………………………………………
《質問》楠本文郎 副委員長
 インフルエンザ関係について質問する。
 現時点で、県が把握しているインフルエンザワクチンの予防接種補助について、一つは65歳以上、もう一つが子ども医療という考えがあるが、把握していることを教えてほしい。

《答弁》 健康推進課長
 8月末の状況を県が取りまとめた内容になるが、65歳以上ということで、何らかの助成を行うとした市町が22市町である。そのうち、全額助成を検討中である5市町を含め、17市町が何らかの助成を行う方向で考えているという回答をいただいている。
 そして、子どもへの医療の部分であるが、子どもの対象範囲が市町村によって、ばらつきが結構あるものの、子どもに対して何らかの助成を行うとしているのは13市町村であった。

《質問》楠本文郎 副委員長
 県の姿勢として、費用は出さないが口を出すということか。

《答弁》 健康推進課長
 委員の言うとおり、県としては、インフルエンザワクチンについては制度が確立されているので、市町村の方で対応いただく。
 しかし、今回については、インフルエンザウイルスによる重症化をまず予防していく観点から、さらに積極的にインフルエンザの予防接種を呼びかけていこうと考えている。
………………………………………………………………………………………………………………………………
《質問》楠本文郎 副委員長
 国保問題で、6点質問する。
 一般質問でも発言したとおり、国保制度というのは、とても特異な部分があるということと、2年前、現在3年目となるが、県が全て掌握するというポジションにあるので、軽微な質問も含めて6点質間する。
 まず、1点目は構造問題といわれるが、30年前の農林水産業者は10%、その他の自営業者は27.9%、被用者は23.3%であったが、現在の被用者の状況はどうか。

《答弁》 国民健康保険課長
 国保における職業別世帯数の割合だが、現在、厚生労働省から公表されている最新版が30年度版になるが、和歌山県では被用者が28.1%、農林水産業者が5.5%、その他の自営業者が16.1%となっている。

《質問》楠本文郎 副委員長
 この構成が基になっていくと考える。
 農林水産業者が半分、その他の自営業者が10%も減少している。被用者が増えた分が5%しかない。そのことを前提に、この構造的な問題を解決するために、普通調整交付金の担う自治体間の所得調整機能が大変重要となる。全国知事会は、平成31年度以降もその機能を引き続き維持することを求めているが改善されているのか。

《答弁》 国民健康保険課長
 国の普通調整交付金における所得調整機能については、平成31年度以降も、国の財政調整機能の強化の中で維持されている。
 なお、普通調整交付金の額は、全国で、平成30年度は300億円であったが、令和元年度に350億円、令和2年度に400億円に拡充されている。

《質問》楠本文郎 副委員長
 つまり、全国知事会が国を動かしていると私は捉えている。
 市町村からしてみると、納付金を払わなければならないのだが、基金のあるところとないところが極めてアンバランスとなっている。和歌山市、御坊市、湯浅町は基金がない。ある市では10億円もある。このアンバランスがすごい差となっている。法定外の繰入れはしてはならないと言われているが、基金の活用は市町村の判断でしてよいのか、大事なポイントなので示してほしい。

《答弁》 国民健康保険課長
 市町村における国保の基金については、市町村でそれぞれ条例を定めており、その中で取り崩せる場合を規定していると思うので、それに反しない限り市町村の裁量で取り崩すことは可能である。

《質問》楠本文郎 副委員長
 もう一つ別の財源として、都道府県財政安定化基金がある。県と市町村の現在の積立額について示してほしい。

《答弁》 国民健康保険課長
 県の財政安定化基金の積み立てについては、平成30年度で終了しており、本年度予算では、利息分だけの積み立てとなっている。令和元年度末での積立額は、23億3531万円強となっている。市町村の積立額の総額については、手元に資料がなく、今は回答できないのでお詫びする。

《質問》楠本文郎 副委員長
 5点目、6点目をまとめて質問する。
 本会議場でも発言した、保険者努力支援制度が、良くも悪くも両面に働くという危険性があると考えている。令和元年度と令和2年度の見込みについて、どれくらい和歌山県に交付されるのかということと、この制度の仕組みについて県の考え方を示してほしい。

《答弁》 国民健康保険課長
 保険者努力支援制度の令和元年度と令和2年度の決算見込み額だが、令和元年度として都道府県分は3億5235万6000円、市町村分は4億5985万2000円、令和2年度分として都道府県分は7億5094万6000円、市町村分は4億3074万4000円となっている。
 保険者努力支援制度は、都道府県と市町村の保険者機能の強化を促す観点から、それぞれの保険財政の健全化や医療費適正化に対する取組、その取組ごとに指標を設けて、点数化し、その点数に応じて国から交付金が交付される制度になっている。
 県でいうと、糖尿病等重症化予防の観点から、新規の透析患者の前年からの増え方で全国順位をつけ、例えば、1位から5位であれば10点、6位から10位であれば7点と点数化され、市町村でいうと特定健康診査受診率、特定保健指導実施率、ジェネリック医薬品の利用の促進に対する取組、そういうところが点数化されて交付金に反映されているという形になっている。
 県としては、市町村で取り組んでもらうことによって交付金の額が増えるという制度であるので、市町村に保険者努力支援制度に一生懸命に取り組んでもらうということで、各市町村にヒアリング等を通じ、こういう取組をしたら交付金が増えるということを啓発しているところである。

《意見》楠本文郎 副委員長
 最後に論争しなければならないテーマがあったのだが、時間の関係もあるので次回としたい。
………………………………………………………………………………………………………………………………
議案に対する採決
議案第115号 令和2年度和歌山県一般会計補正予算
議案第125号 権利の放棄について
議案第126号 権利の放棄について
は全会一致で原案可決


【環境生活部】
《質問》楠本文郎 副委員長
 今、2つの会社が風力発電事業に係る配慮書を申請している。
 再生可能エネルギーが全て手放しでよいということにはならないと、配慮書に対する知事意見として「計画の抜本的見直しを」と報道された。受入れのスタンスを持ちながら、こんな計画では駄目だという部分について説明いただきたい。
 また、知事意見を受けて、進出予定の企業がどう対応しようとしているのか。

《答弁》 環境生活総務課長
 配慮書というのは事業の早期の段階から位置・規模等について検討するものであり、知事意見については、専門家からなる審査会の意見を踏まえ、形成したものである。
 再生可能エネルギーは、自然環境や生活環境との調和が図られることが前提である。この地域は、大変貴重な残されるべき自然が残っている地域であるので、そういうところの調和を図りながら事業を進めることが重要である。そのことから、抜本的な見直しが必要であるということを述べたところである。
 また、事業者から、特段反応は示されていない。

《意見》楠本文郎 副委員長
 これだけの意見を県が出したということは、とてもインパクトがある。
 環境を守るため自然エネルギーを作らなければならないのに、環境を破壊してしまったら本末転倒だという県の基本的な姿勢は支持できる。

《質問》楠本文郎 副委員長
 県内の洋上風力発電事業はどうなっているか。
 また、太陽光発電事業に係る県内の状況について、今の状況を示されたい。

《答弁》 環境生活総務課長
 御坊、日高、美浜沖の洋上風力発電事業であるが、昨年5月22日付で配慮書に対する知事意見を述べたが、事業者から特段の反応はない。
 太陽光発電事業の県内の状況については、平成30年6月の条例全面施行以降、19件の認定申請がされており、そのうち認定したものが12件。申請がされ、住民からの意見書、それに対する事業者見解が提出され、和歌山県太陽光発電事業調査審議会を開催して審査しているものが1件。住民からの意見書が提出され、それに対する事業者見解の提出を求めているものが3件。申請がされ、計画を縦覧し、住民からの意見書の提出を受け付けているものが2件。そして、申請はされているが、書類に不備があり、補正を指導しているものが1件である。
………………………………………………………………………………………………………………………………
《質問》楠本文郎 副委員長
 有田養鶏農業協同組合の事業休止に伴い、鶏ふん置き場について、地元では発酵発火が発生していると聞く。
 県の対応について、現時点の報告をいただきたい。

《答弁》 廃棄物指導室長
 有田養鶏農業協同組合は、現在事業破綻しているが、継続している。
 基本的には、肥料にするためにふんをためていた場所が自然発火をしている。養鶏事業を管轄する畜産課に問い合わせたところ、そのふんのかさを減らしていくということである。どのように減らすのかというと自然に燃えていく。燃え方にはむらがあるので、めどとして10月の半ば頃までに全て平らになるよう作業をしている。
 有田養鶏農業協同組合の関係者がその作業をずっと続けている。紀南家畜保健衛生所と紀北家畜保健衛生所、日高の広域消防、保健所が、それぞれ週に1回、現場を見に行きながら今の状況を確認して、危険がないかどうかを見ている。
 特に、火災に関しては、日高の広域消防の方がチェックをしに行ってくれている。現在、それを見守っている状況である。

《要望》楠本文郎 副委員長
 今の対応は、不安を持つ地域の方々にはとてもうれしい対応であり、様々な連携で取り組んでいることに対して、地域の方に代わってお礼を申し上げたい。
 実情事業は破綻しているが、その関係者が自分で管理しようと意欲を持って取り組んでいることはうれしいことである。今後とも協力をお願いしたい。


  2020年9月議会   楠本文郎プロフィール、質問一覧
  楠本文郎facebook    日本共産党県議団HOME