9月和歌山県議会
議案と請願の委員会不採択に対する反対討論
奥村規子
 録画中継
(22:40)
                                              2020929

 日本共産党県議団を代表しまして、請願の委員会不採択と議案に対する反対討論を行います。
 一律学費半額を求めるアクションわかやまの会から提出された、議請第3号「大学などの一律学費半額と高等教育機関への支援を求める意見書の提出を求める請願」は、総務委員会で不採択とすべきとされました。
 この請願の提出にあたり、請願署名が6,770筆よせられました。これに対する県当局の意見は「経済的困窮に直面する学生等には支援策が講じられている」としています。しかしそれは、国が定めた要件を満たす学生に限られます。
 そもそも日本の教育予算は低く、公財政支出の対GDP比は2.9%で、OECD加盟国中最下位であり、平均の4.1%から大きく下回っています。ヨーロッパでは学費は無償か低額で、学費や生活費の心配なく勉強できるようになっています。学生が教育を受ければ、その利益は社会全体に返ってくるので公的に支えるのが当然という考え方が基本にあります。ところが日本は、教育を受けて得をするのは本人だから学費を受益者負担すべきという考え方です。
 現在、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、学生は深刻な経済的苦境に立たされています。「バイト収入がなくなり、学費や家賃が払えない」「退学を検討している」などの訴えが多く届いています。また、緊急事態宣言解除後も多くの大学が対面授業の自粛を余儀なくされ、オンライン授業の導入で、大学や教員、学生に様々な負担を強いています。こういった苦しいときに、学費減額を求める声が上がるのは当然です。
 日本政府も高等教育無償化については国際的に約束しています。無償化にむけた学費負担軽減の第一歩として、大学・専門学校の授業料をすみやかに半額にし、段階的無償化をすすめるべきであることを訴えます。
 次に、和歌山県教職員組合、和歌山県高等学校教職員組合、和歌山県高等学校教職員組合連合から提出された、議請第4号「公立学校教員に『1年単位の変形労働時間制』導入のための条例制定をせず、少人数学級の実施や教職員の増員など教育環境の改善を求める請願」は、文教委員会で不採択とすべきとされました。
 文部科学省は、学校に繁忙期・閑散期があるとし、「1年単位の変形労働時間制」の導入を可能としています。閑散期の夏休み期間中に5日で40時間の休暇をまとめ取りする替わりに、その前後の繁忙期に1日10時間あるいは連続12日勤務が可能となり、労働基準法を逸脱する制度です。
 導入の前提として、教員の時間外労働を「上限指針」の月45時間に縮減しなければなりませんが、教材研究を勤務時間内に保障するなど、業務を抜本的に削減しない限り導入は困難で、中止すべきです。
 教職員の長時間労働を解消し、子どもたちにゆきとどいた教育を保障するためには、30人以下学級をすすめることや、教職員定数の抜本的改善が必要です。
 労働時間の短縮につながらないことから、県内いくつかの市町では「導入しない」としています。
 以上のことから、両請願の本会議での採択を求めます。
 続きまして、議案第118号、議案第119号について申し上げます。高校等専攻科の生徒の学用品などの費用負担を支援することについては賛成ですが、6月議会でも申し上げたとおり、マイナンバーの利用拡大につながる部分については賛成できません。
 以上で反対討論を終わります。ご清聴ありがとうございました。



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