2021年12月和歌山県議会 奥村規子 一般質問  概要記録

 録画中継
2021129
1.新型コロナウイルス感染症への今後の対応
(1)入院医療機関への支援の充実について
(2)事業者への支援について
(3)ひとり親世帯への支援について
(4)介護保険制度の補足給付について

2.カジノを含むIR誘致について
(1)県の予備調査能力について
(2)審査のやり直しと予備調査の実施について
(3)融資要請への県の関与について

3.西庄太陽光発電所計画地について


1.新型コロナウイルス感染症への今後の対応
《質問》奥村規子
 議長のお許しを得ましたので、通告に従って3つの点についてお聞きします。
 まず大項目1点目は、新型コロナウイルス感染症への今後の対応についてです。
 厚生労働省は11月30日、新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の感染者が国内で初めて確認され、オミクロン株は4人目の感染者が確認されたということです。昨日8日現在、世界の新型コロナウイルス感染者は約2億6719万人余り、亡くなられた方は527万人余に上ります。国内の確認例は172万7,878人で、死亡者数は1万8,365人です。因みに、和歌山県の感染者数は5,304人で、62人の方が亡くなられています。改めてお見舞いとご冥福をお祈り申し上げ、これまでのような感染爆発と医療崩壊を再びおこさない対策を求めます。
 国においては、2020年度における3度にわたる補正予算及び2021年度予算の中で、新型コロナウイルス感染症の対応の強化をはじめ、地域の医療提供体制や医療従事者を支援する施策が講じられてきました。
 県は国の配置基準に基づき、感染症病床を確保していますが、この間それを大幅に上回るコロナ感染患者の発生によって入院病床が不足し、一般病床など活用せざるを得ない事態になりました。全国唯一の全員入院堅持の方針は、県民にとって大変心強いことだと思います。ベッドコントロールに当たっては、県職員はじめ関係機関や関係部署・受け入れ病院のみなさんの多大なご苦労・ご努力に、大変感謝申し上げます。
 一方、受け入れ医療機関の現場では、勤務変更や当日にならなければ勤務配置がわからない、他の科への患者さんの転室や科を超えての受け入れなど、現場のストレスは相当なものです。さらに、今年の新卒生は、昨年からのコロナ感染患者発生により充分な実習経験がないため、現場での学び直しをしながら勤務をするという状況です。
 そういった中で、なかなか夜勤体制に組み込めないとお聞きします。「他の患者さんにしわ寄せがいっているのがつらい」「看護の質の低下を必死にくい止めるのに限度がある」など悲痛な声が聞かれます。
 通常、看護師1人で患者7人または10人のところ、コロナ対応の場合は看護師1人で患者2人、認知症など伴っている場合は付きっ切りの看護に当たらなければなりません。県としても、感染患者を受け入れるためには、手厚い看護体制が必要であるが、人材がすぐに見つからない場合もあるなど、医療機関の負担が大きいと、国への提案・要望の中に記されています。
 こういった状況から、今後、新興感染症の発生等に備えた医療提供体制の確保が必要だということを申し上げて、質問に入らせていただきます。
(1)入院医療機関への支援の充実について
 1つ目は、新型コロナ感染症に対応する医療機関への支援の充実についてお尋ねします。
 国は、新型コロナ患者の病床や宿泊療養体制の整備、診療報酬の特例的な対応、また医療提供体制を強化するための病床確保の支援をしています。支援として1床あたりの単価が重点医療機関は71,000円、協力医療機関は52,000円となっていますが、それ以外の医療機関の病床については16,000円と少額です。重点・協力医療機関以外にも受入医療機関が必要です。
 県は、軽症患者でも初期に悪化する可能性もあり、症状に応じた経過観察、適切な治療や転院調整など、医療機関の負担は大きいとしています。受入れ医療機関の病床確保料を県独自で上乗せ補助を行っているとお聞きしています。今後も継続すべきと考えますがいかがでしょうか。

《答弁》 福祉保健部長
 県といたしましては、入院医療機関における新型コロナウイルス感染症患者の受入病床の確保に係る財政支援について、次の感染拡大に備え、あらかじめ病床を確保しておく必要があることから、引き続き県独自の上乗せ補助を行い、感染症患者の全員入院を堅持してまいります。

《要望》奥村規子 県議
 何よりも、感染防止策をあらゆるレベルで行ってゆくことが大切ですが、県民にとって入院ベッドが確保されていることは安心につながります。一方、医療スタッフの人的な体制は急には整いません。財政的支援とともに、平時の余裕ある体制が必要ではないでしょうか。
 日本医労連が、看護職員らの夜勤実態調査を発表しました。コロナ禍で長時間の2交代夜勤が過去最多の44%となるなど、人員増の切実な実態が明らかになっています。
 県の国への提案・要望では「通常は一般病床として運用するが、新興感染症の発生時等に県からの要請で感染患者を受け入れる病床を『感染症病床に準ずる病床』として、廃止・休止病床を『危機対応病床』として予め位置づけが必要」「速やかに新興感染症等に対応するため、(略)予め看護師等の確保が必要」と明記しています。
 そういったことから、まずは平時の看護体制の充実に努めていただきたいと思います。ぜひ、しっかりと国に働きかけをお願いします。

(2)事業者への支援について
《質問》奥村規子 県議
 2つ目は、事業者への支援についてお尋ねします。
 県は、コロナ感染症拡大の影響により、宿泊・観光業をはじめとする非製造業の売上が大幅に減少しており、失業者の増加が懸念といわれています。
 県が本年8月に実施した県内事業者への影響調査では、対前々年比50%以上の売上減少の割合は、非製造業が約30%、特に宿泊・観光業者は約55%、飲食業で約50%、旅客運送業で約40%と聞いています。
 このような中で、持続化給付金などのような支援策を再支給すべきと考えますが、県の考え方をお教えください。
 また、県独自の施策として飲食業・宿泊・サービス業支援金第3期分が可決されましたが、これまでの実績についてもお伺いします。
 さらに、第3期分は確定申告の時期と重なるため、申請サポート体制の強化を求めたいと思いますが、ご答弁をお願いします。

《答弁》 商工観光労働部長
 新型コロナウイルス感染症の影響の長期化により、県内の事業者の方々においても深刻な影響が生じていることから、県としては、全国知事会を通じて、事業者向け給付金の支給や月次支援金の継続支給など、事業者の実状に十分に配慮した幅広く手厚い、大胆な経済支援を講じることなどを国に対して要望し、先般、事業復活支援金の実施が閣議決定されたところです。
 一方、県が実施した支援策の実績としては、飲食・宿泊・サ-ビス業等支援金の第1期では、約8,000件の申請があり、約13億円の支給を行いました。第2期では、11月末時点で、約6,600件の申請があり、順次、審査のうえ支給をすすめているところです。
 申請サポート体制については、昨年度より県が設置している総合支援相談窓口に加え、支援金の事務局も設置し、申請に関する問合せや各種相談に対応するとともに、県内の商工会、商工会議所に支援を行い、申請のサポートができるよう臨時的に人員を配置し体制を整備しております。
 今後も、経済団体や市町村とも連携のうえ、苦境にある事業者の方々を、支援してまいります。

《要望》 奥村規子 県議
 私の友人が、この年末にとうとう閉店を余儀なくされました。子どもが難病にかかり、そのことから、夫が脱サラをして自営業を始めました。今はお亡くなりになりましたが、当時は車いすに子どもを乗せて面倒を見ながら、そのお店で働いていました。親の介護をし、夫も病気になりながらも、何とか自営業を続けていましたが、コロナ禍で資金繰りに絶えず頭を悩ますことで、とうとうご自身のストレスが重なり、病気になってしまいました。この年末で20年続けてきたお店を閉じて、県外にいらっしゃる娘さんの近くに引っ越すことになります。とても悔しい思いでいっぱいです。
 職員のみなさんはコロナ危機の中、県民のいのちと暮らしを支えるため、様々な施策を進めるうえで昼夜頑張っていただいていますが、事業が継続できるようにいっそう国への働きかけなどよろしくお願いします。

(3)ひとり親世帯への支援について
《質問》奥村規子 県議
 和歌山県において、2018年7月から8月にかけて「子どもの生活実態調査」が実施されました。ひとり親世帯の母子世帯では約4割が所得段階となっており、所得の水準が特に低くなっています。就労状況については、パート・アルバイトなどの非常勤職員は所得段階が低いほど多くなるという結果です。
 新型コロナウイルスの感染防止のため、保育所が休園になると保護者が欠勤せざるを得ないという状況に追い込まれます。たちまち減収につながってしまい、生活困窮に陥ってしまいます。このような場合の支援策はどのようになっていますか。福祉保健部長お答えください。

《答弁》 福祉保健部長
 保育所休園時の保育の支援について、所得水準の低いひとり親世帯については、県又は市町村において、自己負担額が無料又は少額となるサービスを実施しています。
 県では、就業上の理由による養育支援や、疾病等のため一時的に家事援助、保育サービスを提供する「わかやまひとり親家庭アシスト事業」を実施しています。
 また、市町村では、児童の預かりの援助を受けたい方に対し、援助を行う者とマッチングし、支援を行う「ファミリー・サポート・センター事業」を実施しています。
 これらの制度を有効に活用いただくため、「ひとり親家庭のしおり」を作成し、市町村やハローワーク等関係機関へ配布するとともに、市町村での児童扶養手当現況届時などの機会等を活用し、引き続き制度の周知に努めてまいります。

《要望》 奥村規子 県議
 安心して働ける環境づくりの一つとして、この制度をもっともっと広めていただきたいと思います。

(4)介護保険制度の補足給付について
《質問》奥村規子 県議
 4つ目は、介護保険制度の補足給付についてお聞きします。
 国は、所得が低い介護施設利用者の食事・居住費を軽減する「補足給付」について、世帯分離している配偶者が住民税課税や預貯金1000万円以上、非課税年金(障害年金・遺族年金)の受給者などに該当する人の給付を打ち切ってきました。地域では、介護保険料の負担が重いことや、サービスを受けたくても利用料の負担があるので受けられないなど、多くの声が聞かれます。コロナ禍の上、さらにこの8月からもまた改定されたとお聞きしますが、どの様な内容でしょうか。福祉保健部長にお尋ねします。

《答弁》 福祉保健部長
 特別養護老人ホーム等の介護保険施設における食費及び居住費については、在宅で介護を受ける方等との公平性を図る観点から、平成17年10月より利用者本人の負担を原則としていますが、低所得の方には、年金収入等に応じて負担限度額を定め、利用料がこれを上回る場合には、それらの差額分を特定入所者介護サービス費いわゆる補足給付として支給しています。
 この補足給付については、これまでも在宅の方等との公平性や負担能力に応じた負担を図る観点から見直され、令和3年8月より所得段階間の均衡が図られるよう、食費負担限度額をより精緻化するとともに、給付の対象要件となる預貯金等の金額について、所得段階に応じた見直しがなされました。
 具体的には、年金収入等80万円超の第3段階が、80万円超120万円以下の段階と、120万円超の段階とに分けられ、前者の食費負担限度額は、これまでと同じ1日あたり650円、後者は1,360円に設定されました。
 また、預貯金額について、単身世帯の場合、これまでの一律1000万円から年金収入等80万円以下の第2段階では650万円、第3段階の120万円以下では550万円、120万円超では500万円に設定されるなど見直しがなされました。

《要望》 奥村規子 県議
 厚生労働省は、今年3月の参議院予算委員会での倉林議員の質問に対する答弁で、介護施設に入所する低所得者への食費等補助の見直し対象者が約27万人で、影響額は約100億円に上ることを明らかにしました。介護保険利用料の自己負担上限額引き上げについては対象3万人、影響額10億円程度だと説明しています。対象人数や影響額は、介護保険部会に示していないことも認めたということです。実態をもとに十分な審議がされていないということだと思います。
 8月から実施されていますが、ぜひ県においても実態や影響額を把握していただきたいと思います。


2.カジノを含むIR誘致について
(1)県の予備調査能力について
《質問》奥村規子 県議
 大項目2点目は、カジノを含むIR誘致についてお尋ねします。
 1つ目は、県の予備調査能力についてです。
 12月3日付けのロイター通信によると、マカオの司法警察局は、和歌山IRへの参加を表明しこの5月に撤退した、サンシティの代表アルビン・チャウ氏が逮捕されたと報じられています。中国の国営通信社新華社が伝えたもので、中国政府が賭博が禁止されている中国本土から、マカオなどのカジノが盛んな地域に資金が流れ、国家安全保障上のリスクになっていると報道しています。またネットニュースでは、逮捕容疑は違法賭博、マネーロンダリングとの報道もあります。
 サンシティは、和歌山IRに応募し、審査委員会は、優先権者となったクレアベストよりも高い評価を与えていました。県のIR推進室が予備調査の中で、サンシティについて問題としたのは、オーストラリアのニューサウスウエールズ州カジノ規制当局が設立した独立公開調査委員会の、いわゆる「バーギンレポート」といわれるものです。バーギンレポートには、サンシティのアルビン・チャウ氏が反社会勢力とのつながりがあるなどの内容があり、県はサンシティに対し、反社と関係のないことの証明を求めていましたが、サンシティは予備調査が終了する前の5月12日に撤退表明となりました。
 IR推進室が粘り強くサンシティに対峙したことについては敬意を表したいと思います。しかし、今回のチャウ氏の逮捕は、IR推進室が全く問題にしていなかったことではないでしょうか。サンシティが撤退していなかったら、サンシティが優先権者となっていたはずです。予備調査は平行していたかもしれませんが、県の調査力では、外国のカジノ企業の全容を掌握することはできていなかったと考えるのですが、県当局の見解をお伺いします。理事にお聞きします。

《答弁》 田嶋理事(IR担当)
 日本型IRにおいては、本来刑法で禁止されているカジノ事業が特例的に認められるものであることから、IRを設置・運営する事業者には非常に高い廉潔性が求められています。国の基本方針において「都道府県等は、事業者選定の段階においても、カジノ事業の免許の基準を踏まえ、可能な範囲で民間事業者の適格性につき確認を行うことが必要である」旨記載されているところです。
 そのため、県では、世界的な監査法人であるEY新日本有限責任監査法人の協力を得ながら、予備調査を進めてまいりました。サンシティに関して申し上げますと、海外規制当局への照会、同社へのヒアリング、役員や株主が暴力団員等に該当しない者であることについての和歌山県公安委員会への照会、公示情報の精査、無犯罪証明書の確認などを行いました。
 議員のご質問にございましたように、県はサンシティに対して「バーギンレポート」に記載されている内容が事実でないことの証明を再三求めておりまして、それが立証されない限り、サンシティを優先権者とすることはあり得ませんでした。したがいまして、サンシティが辞退していなければ、サンシティが優先権者になっていたはずという議員のご指摘はあたりません。
 県の調査力では全容を掌握することは出来ていなかったとのご指摘につきまして、今回のアルビン・チャウ氏の逮捕については、様々な報道がなされており、容疑の全容が明らかになっておりませんが、逮捕されたのは最近のことですので、サンシティが辞退した5月12日時点では、マカオの司法警察当局も我々和歌山県と同様に犯罪となる事実を把握できていなかったのではないかと思われます。

《再質問》奥村規子 県議
 バーギンレポートに記載された内容が事実でないことの客観的な証拠の提出について回答を求めたということですが、公文書開示請求でいただいた資料では、黒塗りでほとんど分かりません。回答をなされていないことについて、県はどうお考えですか。

《再答弁》 田嶋理事(IR担当)
 議員のご質問は、予備調査の段階において、サンシティに対して照会をした内容に、サンシティから回答がなかったことをどう思うかということでしょうか。
 サンシティとは、ずっとやり取りをしていまして、最終的な回答には至っていませんが、再三やり取りは行っております。ただ、最終的な回答に至る前にサンシティが辞退をされたので、予備調査としては完了しなかった。そういうことでございます。

(2)審査のやり直しと予備調査の実施について
《質問》奥村規子 県議
 2つ目は、審査のやり直しと予備調査の実施についてお聞きします。
 11月19日のIR対策特別委員会で、区域整備計画の原案が示され、私も委員外議員として傍聴させていただきました。その中での議論に関連して、2つお聞きします。
 1つは、優先権者となったクレアベストニームベンチャーズという会社の中身が、IRに応募した時と、8月25日に基本協定を結んだ後では、会社名は同じでも別の企業になっているのではないかということです。応募段階のクレアベストニームベンチャーズは、カナダの投資会社のニームゲーミングのグプタ氏が100%の株をもち、実権を握る会社でしたが、特別委員会での会社側の説明では、クレアベストニームベンチャーズの株は、パシフィックリゾーツが100%持っており、パシフィックリゾーツの株主は4社で、クレアベストグループが0.25%、クレアベスト和歌山が12.25%、ニームゲーミングが12.5%、エディ・ウーが75%の株をもっているとの説明でした。
 そして、パシフィックリゾーツの代表はエディ・ウー氏であり、クレアベストニームベンチャーズの代表取締役もエディ・ウー氏です。会社の売買があったのではないかと考えます。
 和歌山IRへの応募時の企業と基本協定締結後の企業が、株主構成も代表者もまったく別人になっているのですから、審査のやり直しがあって然るべきだと考えます。また、県の予備調査はパシフィックリゾーツに対しても行われるべきだと考えますが、県の見解を求めます。理事にお聞きします。

《答弁》 田嶋理事(IR担当)
 事業者選定委員会の指摘を受けまして、県はクレアベストニ-ムベンチャーズ株式会社に対して事業実施体制の強化を求めております。それを受けまして、カジノやホスピタリティ関連等の会社設立に関与するなど豊富な事業経験を持つエディ・ウ一氏の代表取締役の就任や株主の追加、変更や増資などを行ったものと認識しております。
 これらは県が定める手続きに則り、事前に相談の上、行われたものですので、審査のやり直しは必要ないものと考えております。
 なお、事業者選定時以降、県が定める手続きにより追加する役員や株主等については、議員ご指摘のとおり今後も引き続き予備調査を行ってまいります。

(3)融資要請への県の関与について
《質問》奥村規子 県議
 3つ目は、融資要請への県の関与についてです。
 特別委員会で、カジノの事業主体が決まっていないということと、資金計画が不明であることが大きな論点になっていました。この2点が不明なままで、公聴会や説明会、パブコメを進めようというのは、あまりにも強引な手法であり、特別委員会の総意として延期を決議し、IR推進室もこれに同意されたことは、適切な対応だったと思います。
 そこで、気になる点をお聞きしますと、金融機関に融資を求める場に、IR推進室長が同席しているという発言でした。
 金融機関が、融資を実行するかどうかは、その融資の安全性を検討するわけですが、その融資の要請に県の幹部が同席することは、金融機関に対して県が融資の保証を与えているかのような、誤ったシグナルを送ることにはならないのでしょうか。県当局の答弁を求めます。

《答弁》 田嶋理事(IR担当)
 IRは民設民営事業ですが、国に申請する区域整備計画は県と事業者が共同して作成するものであり、金融機関をはじめ、和歌山IRにおける協力及び連携等を求める第三者との協議に、県が同席することは問題がないと考えております。
 県は金融機関との協議の場において、区域整備計画の申請にあたり資金調達の確実性を裏付ける客観的な資料の提出が必要であることの説明などを行っていますが、そのことで、県が融資の保証を行っているような印象を与えることはないと考えます。
 そもそも、IRは民設民営事業であり、金融機関がIR事業者に融資をして返済がされない場合に、県が債務を保証するという制度にはなっておりませんし、そのことを金融機関は十分に理解していると思います。
 そのうえで、融資を実行するかは、事業の実現性や採算性などをもとに金融機関が独自に厳正な審査をするものと認識しております。

《再質問》奥村規子 県議
 銀行からの融資がなければIRは成立しません。優先権者の選定の際にも資金面の調査が行われたと思いますが、未だに資金の見通しは立っていません。
 そこでお伺いしますが、融資の幹事銀行は決まっているのでしょうか。また、自己資本と融資の割合はどうなっていますか。

《再答弁》 田嶋理事(IR担当)
 議員ご質問にありました、幹事銀行や自己資本と融資の割合については、ただいま事業者の方で鋭意努力中であり、この時点でお答えすることはできません。

《再々質問》奥村規子 県議
 銀行の融資依頼に県職員が同行して、事業者と一緒にお願いするということで、県が何らかの保証を与えるかのような、誤った印象を与えることにもなりかねません。このことで県に損害を与えることが絶対にあってはならないと考えますので、県職員が同行することはやめていただきたいと思います。
 これまでいくつの金融機関に、何人の県職員が同行されたのか、県職員だけでいくつの金融機関に要請に行かれたのかお答えください。

《再々答弁》 田嶋理事(IR担当)
 A銀行に1回、B銀行に1回ということでございます。

《再再々質問》奥村規子 県議
 県職員だけで金融機関に行かれたことは、なかったですか。

《再再々答弁》 田嶋理事(IR担当)
 県職員だけで状況を調べに行くことはございました。融資の要請ということではなく、どういうことをお考えかということを、お聞きするということはございました。


3.西庄太陽光発電所計画地について
《質問》奥村規子 県議
 最後の大項目3点目は、西庄太陽光発電計画地についてお聞きします。
 今年の7月21日に、事業者の案内で計画地を視察させていただきました(資料)。計画地は宅地造成工事が中断している土地であり、谷埋め盛土が広範囲にわたり未完工の状況で、盛土の一部が崩壊して調整池が埋まってしまうことがありました。
 造成工事途上の斜面と谷(急傾斜崩壊危険個所に指定)では、土砂流出防止工事が中断したままになっているところもあります。
 また計画地は住宅地に隣接しており、付近は土石流危険渓流や急傾斜危険区域に指定されています。
 さらに、地質の専門家の方は、中央構造線の分岐断層と考えられる、やや規模の大きい「磯の浦北断層」が計画地を横断し、調整池計画地点を通ることを指摘しています。この断層に沿って湧水も確認しており、地下水の上昇も予想されます。
 そこで、農林水産部長にお尋ねします。防災の観点から、この計画地の現在の状況をどのように把握していますか。お答えください。

《答弁》 農林水産部長
 和歌山市西庄の太陽光発電所計画地につきましては、平成3年に「住宅団地の造成」を目的とした林地開発許可を受け、開発が行われておりましたが、平成5年から造成工事が中断され、平成26年には現在の事業者へ林地開発の権原が承継されています。
 また、現場では、開発許可の申請内容に沿って、人家に近い箇所に3つの調整池等の防災施設が設置されております。
 議員ご指摘のように、調整池上部の盛土の一部が崩壊した事実はありますが、当該箇所については、事業者により平成28年に大型土のうの設置と安定勾配による盛土で復旧されており、併せて調整池に溜まった土砂の浚渫も行われたことにより、防災機能も回復していることを確認しています。
 計画地は現在、全域にわたり緑化が進み、新たな崩壊も見られず、事業者による定期的な巡視などの管理も行われている状況を確認しており、周辺人家に災害を及ぼす危険性は低いと考えております。

《要望》奥村規子 県議
 危険性は少ないとご答弁いただきましたが、資料にあるように地震調査委員会によれば、和泉山脈南麓における将来の活動は大規模な直下型地震が発生すればМ7.2、震度6強から7と予想されている中、事業者は中央構造線の活断層帯の影響評価を行っていません。
 また、中央構造線の分岐断層の「磯の浦北断層」が事業計画地を横断し、この断層上に新たな調整池が計画されていますが、地質調査が不十分であると考えます。
 申請書に添付された地質調査資料も宅地造成計画におけるもので、造成が中断された現計画地の調査データーがなく、計画地の地盤の強度に関わるデーターについても提示されていません。
 さらに、造成が中断し、資料の航空写真より盛土法面の大規模な崩壊跡が認められますし、造成地北部の谷では、造成と土砂流出の対策工事が中断・放置されていて、盛土の崩壊、土砂の流出の危険があるため、工事を完成させる必要があると考えます。
 加えて、発電所の進入路が一つだけしかないのも問題です。災害時の事故などに対応できません。実際に、近接の団地内の水路が大雨の時にこれまでも何度か溢れ、下流域の道路が浸水する事態も起こっており、住民からは3,500通もの意見が上がっています。
 このようなことから、変更許可申請の審査にあたっては、計画地の危険性ついて厳正に審議していただきますようお願いします。



                                            嶋理事(IR担当)の答弁を聞く、奥村規子県議(右)
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