2022年度(令和4年度)和歌山県予算
議案第1号 令和4年度和歌山県一般会計予算
  予算額 6043億9441万7000円
 (前年度 6120億2127万2000円)
議案に対する反対討論 中継録画2900~)


①過去2番目6044億円
 2月県議会では2022年度当初予算が提案されました。一般会計は6044億円。過去最高の前年度より76億円(1.2%)減となるものの、過去2番目の規模です。
 歳入では、県税収入がコロナ禍前の水準に回復することを見込んで56億円(6.2%)増。うち個人県民税は14億円(4.9%)増、法人2税は50億円(30.1%)増です。一方、地方消費税は15億円(6.8%)減を見込んでいます。
 地方交付税は88億円(5.2%)増で、地方交付税の不足分を借金で補う臨時財政対策債を180億円(66.7%)減らします。
 131億円(14.1%)増となる国庫支出金1055億円から、新型コロナ対策に313億円が充てられます。
 県の借入金である県債は前年度と同額の553億円、臨時財政対策債を含めた県債残高は前年度末に決算剰余金等で134億円を繰上償還しても増え続け、1兆916億円の借金を抱える見込みです。
 2年ぶりに取崩しを行わなかった財政調整基金・県債管理基金は中期行財政経営プランよりも59億円多い209億円をため込んでいます。

②医療・福祉
 コロナ対策539億円 保健所体制を強化、検査は後退
 新型コロナ対策に、上記の国庫支出金含め539億円を計上。保健所体制の強化を図りますが、感染状況に応じてこれまでの全員入院から宿泊療養施設の出口利用と入口利用、自宅療養まで段階が設けられます。入院医療がひっ迫していても、病床を削減する地域医療構想は計画通り進めます。
 ワクチン接種の体制を整備し、保健所・市町村・医療機関等の連携を強化。しかしPCR等検査は、無症状者への無料検査など一定の前進が図られた前年度より13億円(48%)減額です。

 産科医緊急確保
 新宮・有田・那賀圏域の産科医不足問題では緊急確保対策として、県外からの医師派遣を促進し、県立医大での人材育成・診療体制を強化します。

 子育て支援 保育に限定正社員制度
 保育士の業務軽減で定着を図るために「多様な働き方」を選択できるとして「限定正社員制度」の導入を支援します。同制度は低賃金で解雇しやすいなどの問題もあります。
 子ども食堂への支援強化として応援ネットワークを構築。ひとり親家庭の養育費を確保する手続きの費用の補助や同行支援を行います。
 県児童相談所の職員による保護児童へのわいせつ事件を受け、児童福祉士の増員など体制強化や資質の向上、環境整備の見直しを行います。

③カジノ誘致にしがみつく
 カジノIRの2027年秋の開業を目指し、4月28日までに区域認定の申請を国に提出する予定です。
 この間、撤退したサンシティ代表の逮捕や、選定業者クレアベストの取締役・株主が県との協定直後に変わるなど問題が続発。4回開かれたIR対策特別委員会では、資金調達やカジノ運営が明らかになっておらず、推進派含む全委員から批判が噴出しています。

④地域産業
 コロナ禍の事業者支援
 コロナ禍における事業者支援として昨年3月に始められた「飲食・宿泊・旅行業給付金」は何度か対象業種を拡大しながら「飲食・宿泊・サービス業等支援金」として続けられてきました。22年度も継続されことは評価できますが、業種を問わず全ての事業者への支援がいま求められています。

 デジタル化推進
 「X和歌山」の推進では産業・地域社会、行政へのデジタル化を進めます。県庁内にX推進本部を立ち上げ、県・市町村一体となって導入を推進します。
 国・県・市町村の情報共有化は自治体の自主性の保障の問題や、企業への個人情報提供の問題などを抱えています。
 教育の分野にも、プログラミングなどICT推進が持ち込まれています。

 農林漁業・旅行業支援
 農林水産業では、ICTなど機械設備を導入するスマート化促進が強調されています。
 観光では、県民の旅行費用を補助する県独自の「リフレッシュプラン」に11億5千万円、国の「県版Go To トラベル」に68億円が2月補正に計上されました。県民全体の利益につながる運用や、感染状況をよく見極めることが重要です。

⑤災害対策
 水管橋崩落や盛土災害受けた対策
 昨年の和歌山市六十谷の水管橋崩落事故を受けて、全てのライフラインの点検・課題の洗い出しを実施。市町村の給水車購入を補助します。
 熱海の土石流災害を教訓に盛土の緊急総点検が完了し、4カ所で土砂撤去等の対策が行われています。

⑥教育
 県学力テストを年2回に
 全国学力テストの中学校の結果が下位に低迷したとして、年1回の県学力テストを2回に増やします。コロナ禍で行事が次々と中止されるなかで、学力テストは強化。振り回される生徒の心身への負担が心配されます。

 「人材育成」重視の教育
 全国初の「宇宙専門コース」を串本古座高校に新設。県内外から生徒を呼び込み「人材を育成」します。また「世界で活躍する人材育成のため」としてスダンフォード大学遠隔講座で英語力を強化します。
 教育は財界が求める「人材育成」ではなく、「人格の完成」を目的とするべきです。

 特別支援学校の増設を
 特別支援教育を受ける子どもが増加しており、増設しても教室が足りない状況です。日本共産党県議団は、新たに制定された設置基準に基づく環境改善と、今はない那賀地方に特別支援学校をつくることを要求しています。

 博物館施設の更新実現、ジオパークも充実
 日本共産党県議団は、県立博物館3施設の整備を繰り返し要求。今回、紀伊風土記の丘、自然博物館の新館建設が計画されました。22年度は基本設計が計上され、両館とも2028年度の開館を目指します。
 南紀熊野ジオパークでは、中高生のジオパーク探偵団による調査・研究を開始。また海洋環境への取組として「海のジオサイト」構想が始められます。

⑦無駄な公共事業
 開発失敗の借金返済基金を創設
 県は大型開発コスモパーク加太の失敗により、巨額の借金を抱えました。2033年には紀陽銀行などに231億円を支払わなければなりません。土地開発基金の167億円を充てますが、不足額を積み立てるために「債務保証対策基金」を創設しました。財源は21年度の地方交付税。開発から数十年後、本来なら県民生活のために今使われるべき税金が、ツケの支払いに回されます。


議案第2号 令和4年度和歌山県農林水産振興資金特別会計予算
  予算額 2億1157万7000円
 (前年度 2億1842万5000円)

議案第3号 令和4年度和歌山県中小企業振興資金特別会計予算
  予算額 5億5758万円
 (前年度 1億7236万6000円)

議案第4号 令和4年度和歌山県母子父子寡婦福祉資金特別会計予算
  予算額 1億5275万5000円
 (前年度 1億8483万4000円)

議案第5号 令和4年度和歌山県修学奨励金特別会計予算
  予算額 2億1094万7000円
 (前年度 2億3039万1000円)

議案第6号 令和4年度和歌山県職員住宅特別会計予算
  予算額 1億7679万4000円
 (前年度 1億9004万4000円)

議案第7号 令和4年度和歌山県国民健康保険特別会計予算
  予算額 1028億6321万2000円
 (前年度 1045億4439万9000円)

議案第8号 令和4年度和歌山県営競輪事業特別会計予算
  予算額 185億9917万4000円
 (前年度 153億2093万7000円)

議案第9号 令和4年度和歌山県営港湾施設管理特別会計予算
  予算額 5億0797万5000円

 (前年度 5億0982万4000円)

議案第10号 令和4年度和歌山県市町村振興資金特別会計予算
  予算額 8億4540万9000円
 (前年度 8億4154万1000円)

議案第11号 令和4年度和歌山県自動車税等証紙特別会計予算
  予算額 10億5600万円
 (前年度  8億0700万円)

議案第12号 令和4年度和歌山県用地取得事業特別会計予算
  予算額 33億2363万7000円
 (前年度 48億3851万6000円)

議案第13号 令和4年度和歌山県公債管理特別会計予算
  予算額 1049億2203万6000円
 (前年度 1051億5105万4000円)

議案第14号 令和4年度和歌山県立こころの医療センター事業会計予算
  予算額 25億8641万円
 (前年度 26億7972万7000円)

議案第15号 令和4年度和歌山県工業用水道事業会計予算
  予算額 24億1201万7000円
 (前年度 17億2452万5000円)

議案第16号 令和4年度和歌山県土地造成事業会計予算
  予算額 25億1780万4000円
 (前年度 16億6306万2000円)

議案第17号 令和4年度和歌山県流域下水道事業会計予算
  予算額 38億8944万1000円
 (前年度 37億7726万2000円