2022年9月県議会 建設委員会 楠本文郎委員の質問概要記録
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《質問》楠本文郎 委員
 道路照明の電気料金を(県が関西電力に約6100万円余分に)支払っていた状況、原因についてうかがう。関西電力から契約の変更解除まで等についての県への働きかけというのは、今はなくなっているのか。

《答弁》 道路保全課長
 原因については、関西電力に対して、業者から解除の申入れなどを行ったとき、それを履行していなくて、契約がそのまま続いていたというのが原因である。

《質問》楠本文郎 委員
 原因をはっきりさせることは、今後の再発を防止することにつながるという意味合いで尋ねるが、私がとある団体の責任者であった時期に、関西電力はかつてのように親切に、ここはあなたのところではなくて個人宅なので、個人宅に請求するもので、あなたの団体ではないと言って、ローテーションで確認してくれた。そういう発見の仕方があったけれども、最近は本当になくなってきたのかも。人員が少なくなったという思いをもっているが、それはどうか。

《答弁》 道路保全課長
 今、委員がおっしゃったローテーションの話は、今まで調査している中では、あったということは出先のほうから聞いていない。

《質問》楠本文郎 委員
 やっぱりあったね。

《答弁》 道路保全課長
 あったとは聞いてないということ。ないと思われる。

《質問》楠本文郎 委員
 そうか。ないということか。電気を売っている人は「お前のところから取り過ぎていた」と言ってくれないわけで、こちらがよっぽど点検しないといけないということを、はっきりさせないといけない。もう一方は、新しくつける、もしくはつけていたものを廃止する等については、どこまでを業務とするかという基本の話になってくる。売っている人には届けだけで済むが、照明等をつけるのは建設のところでやるけれども、その料金についてはちゃんと手続したかどうか、廃止するとしたら廃止する部門があるから廃止したかどうかまでやって、仕事の完了という話であると思っている。そんな捉え方でよいか。

《答弁》 道路保全課長
 工事において、撤去とか移設についても、工事によってそういうことが行われたら、当然、受注者がその手続を行うというごとである。一方で、県が直接、関西電力に対して照明を廃止するっていうこともあり、その場合は口頭で、県のほうからここは切ってほしいというお願いをしている。

《質問》楠本文郎 委員
 ちょっと私の質問も曖昧だったが、あの原因で3点書かれているうちの2番目は、県発注工事の受注者で3番目の県の担当者と、明らかに分けていると思う。業務を受けた人が、開廃を含めて手続するところまでが契約であると思うが、原則はそうでないか。

《答弁》 道路保全課長
 工事によってその内容が違う。撤去については、工事業者がそのことをやってもらうことになっている。3番目の県による契約の変更解除については主に国、市町に移管したところについて、県が変更手続を発議しないと業者は開廃を行わないので、そういうことを3番で書いている。

《質問》楠本文郎 委員
 今の答弁でよく分かった。後は求償の問題。関西電力に手落ちがあった場合は求償しやすいが、県の方に手落ちがあるとなったら求償しづらくなる。でも社会のルールから言えば、買っていない時期がはっきりすれば、戻してと言えるのではないかと思うが、その社会のルールの問題を最後に伺う。

《答弁》 道路保全課長
 その点については、今後、原因の究明が明らかに県に落ち度があった場合も含め、弁護士と相談しながら、請求できるものについては請求していきたい。

《要望》楠本文郎 委員
 できる限りの求償をするという方向でお願いする。
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《質問》楠本文郎 委員
 議案第125号の新串本団地建築の件。私の認識でいうと、津波避難困難区域をどう解消するかというのがイの一番であって、私どもの地域でも避難タワーが建てられできている。けれども、避難タワーでは孤立する可能性があり、それが続く場合には、逆にこれが命を奪うものになりかねないリスクがあると言われている。
 しかし、串本町のこの推進計画の概要を見せていただいたが、南海トラフでいうと津波の到達時間が3分、最大津波高が17メートルとなっており、逃げ遅れた人たちをとにかく緊急避難させるタワーが必要となる。タワーだけではなく一定期間、いわゆる集会所が3階にあるが、避難場所が必要となる。こういうアプローチから、南海トラフにも対応できる4階以上については日常の住居とすることで効率化できないか、という発想かなと思ったが、その理解でよろしいか。

《答弁》 建築住宅課長
 それで結構だが、とにかく津波による犠牲者ゼロを目指すということを考えている。地域住民の方はもちろんのこと、観光客等についてもとにかく逃げやすいような形でと考えている。

《質問》楠本文郎 委員
 地域住民の皆さんの要望であると同時に、串本は今、観光でも売出したい。不特定の方々もここに逃げられるよ、というシンボリックなものとしての役割もあるという理解でいいか。
 その上で、本当に大丈夫なのかと言いたい。他の委員が言われたのはそういう意味かと思う。本当に大丈夫なのかと、やはり南海トラフを想定していかなければならないと思う。
 かく申し上げるのも、私どもの御坊市役所も今、4メートル近いところへ同じ場所に建て直すということで、市民の中では様々なたくさんのご意見をいただくが、私が分からないのは技術的な問題である。南海トラフの津波エネルギーというのは、専門家の考え方をもらわないと話にならない。だからそういう点では、南海トラフ対応の建築をするんだということが、明確かどうかを先に答弁してほしい。

《答弁》 建築住宅課長
 今回の構造基準については、まずは地震に対する耐力については、通常の1.25倍を確保している。それから、波力に対する耐力については、波力に対する建築物の設計基準というものが設けられており、それに沿った形で耐え得るように設計しているところである。

《質問》楠本文郎 委員
 津波避難困難地域に県営住宅を建てるという、やっぱり県は、あらくたいことをするなと思う。1、2階は住居ではないとのことであるが、平常時、日常の活用がどのようになるのか、これは周辺に住んでいる方々にとっては、とても大事な部分である。特に、イベントスペースはどんな活用になっているのか。それから駐車場が2階にあるが、これは何台を想定しているのか。

《答弁》 建築住宅課長
 1階部分のイベント広場については、今後、役場と地域と県で協議しながら進めていくところである。今考えているのは、地域住民で活用していただくというふうに考えており、例えば、運動や体操であるとか、あと、住民同士が集まって話しする場であったりと考えている。もう1点は、地域のコミュニティバスのバスターミナルを予定しており、地域住民が役場であるとか、駅も近いし、観光の方が潮岬のほうへ行くとか、いろんなところで活用いただけるようにと考えている。なお、2階の駐車場の台数については、現時点では17台を計画している。

《質問》楠本文郎 委員
 2DK-A、2DK-B、3DK-A、3DK-Bと4タイプ示されているが、戸数は幾つか。

《答弁》 建築住宅課長
 2DKタイプについては16戸、3DKタイプについては8戸で合計24戸を整備予定。それぞれに、AとBという2種類のタイプを設けているが、近年の生活の多様化を考慮し、和室があるか、板の間にしているか、その違いである。

《質問》楠本文郎 委員
 御坊市で、島団地の対策として入居者のニーズに合わせた間取りの公営住宅を建てることに挑戦し、全国的に有名になった。画一的な集合住宅をつくるのではなく、一定のメリハリをつけた住宅をつくろうというのは公営住宅の流れかと思う。その点では、4種あることは歓迎できる。ただ、こんな場所に住んでくれる人がいるのか。家賃は安くするのか。

《答弁》 建築住宅課長
 家賃については、公営住宅法及びそれに基づく省令等で規定されている。入居者については、原則、月収が15万8,000円以下の方が対象になる。その中で、所得に応じて家賃が設定される。
 基本的には、公営住宅法で決まっており、建物の仕様ではなく、建物の規模、地域係数、それから利便性等を踏まえて、家賃が算定されることになっている。現状の試算では、家賃は大体2万円から4万円程度になると想定している。

《要望》楠本文郎 委員
 串本町の家賃水準は分からないが、最低2万円は安いと思う。あと、収入に応じて公営住宅法の家賃が適用されるということも分かった。安全性が何よりということでお願いする。
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《質問》楠本文郎 委員
 6月に出したものが落札者なしになったと。見直しをして7月入札を行った。これの意味を説明いただきたい。それは先ほども話に出た、いわゆる資材の高騰によって業者が応札してくれなかったのかどうかということを質問したい。

《答弁》 公共建築課長
 6月に開札した案件につきましては、4者から応札があった。全て予定価格超過ということで落札者はなかった。委員の話にある資材の高騰であるとか、先行きの不透明さということも懸念されて超過ということになったのではと考えている。

《意見》楠本文郎 委員
 結論的には、6月の時点では県が考えている額では工事ができないということでみんな高く入れた。それで、少し高くしたら応札があったということで理解しておく。資材高騰があることに答弁は求めないが、大変な圧迫をしてきているということだけ確認しておく。
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《質問》楠本文郎 委員
 空き家にこだわっており、6月にも質問したが、再度確認をしたい。それから意見を聞き、要望をしておきたい。今年、御坊市で空き家の実態調査を全市的に行うと頑張っているが、この調査に対する市町村への県の支援はどのようなものか。

《答弁》 建築住宅課長
 空き家の実態調査に対する県の支援について、まず空き家の実態調査については、空き家対策を効率的・重点的に進めていく上で基礎資料となるもので極めて重要な調査であると考える。こちらについては補助率2分の1の国の補助金の活用が可能となっており、それに加えて地方負担分については特別交付税措置がなされている。県としては市町村が実施する場合には国の予算の確保に努めるとともに、実態調査を踏まえた施策についての各種助言等を行っている。財政的な支援は県からはない。

《質問》楠本文郎 委員
 国で2分の1の補助があり、特別交付税措置もあり、75%が国のほうで費用をみてくれる。それだけ高率の制度である。 30市町村の中で御坊市も手を挙げて現在、委託でやっているが、県の問題意識からすれば空き家には早く手をつけていかなければ駄目だという中で、空き家の実態調査について他の市町村の状況はいかがか。

《答弁》 建築住宅課長
 空き家の実態調査については全市町村で着手済みである。

《質問》楠本文郎 委員
 実態調査を行い、その後進めていくが、御坊市は2年で委託でやりきると、その後また次のステップに行くときに、都道府県の割当てはどうなのか。県の中で市町村にちょっと待ってくれと、まだ予算が取れないというところはないのか。とにかく手を挙げていったら予算配分をもらえるのか。話を聞くと、市町村の持ち出しができるだけ少ないように、県が国に対し予算確保を働きかけるという立ち位置だと思う。予算取りの状況はいかがか。

《答弁》 建築住宅課長
 現時点においては県のほうでも国のほうにしっかり働きかけをしており、市町村が要望する額については全額とは言わないが、ほぼ満額近く確保している。

《質問》楠本文郎 委員
 御坊市の担当課長からすれば、もっと補助金が欲しいと言っていた。後のことを考えているからかもしれないが、その後の支援もお願いしたい。
 次に、空き家対策で実態調査を行い、その後に具体的な相談内容がいっぱい出てくる。私自身も相談を4件受けている。その4件の一つは、生活保護世帯に持ち家があり、それを撤去する。生活保護世帯なのでお金はない。だから撤去のための補助金をもらっても、100%出るわけではないので、御坊市で80万円、美浜町で75万円出るのだが、撤去には100万円以上かかるため自己負担分を捻出できない。それでもその家は撤去しなければいけない、どうしたらいいかという事例である。それから、相続放棄した家の撤去がある。相続放棄をされているので手出ししようがないという問題、破産したという家の撤去の問題もある。相続手続の指導、財産管理人の選任手続の指導、市町が代執行するという仕分けをしていくのは、個々選別をしていかないと進まないのが現実ではないかと思う。その点での県の取組・支援の状況はいかがか。

《答弁》 建築住宅課長
 委員ご指摘のとおり、空き家の問題は様々であり、個別に検討していく必要がある。相続や破産の話であったり、難しい課題に対応できるように県では、宅地建物取引士、司法書士などの関係士業と協定を結び、県内各地で相談会を開催している。なるべく県民の方に1回の相談で済むようにワンストップで相談対応を行っている。市町村の難しい問題の対応については、県で空き家協議会を設けており、その中の課題検討部会で様々な委員の参加の下で議論し、一定の方向性を出している。対策マニュアルや事例集の整理など、市町村と情報共有を行っている。建物の状態に応じた対策を市町村と連携して総合的に空き家対策を推進していく。

《要望》楠本文郎 委員
 誰しも、空き家がそのままでいいと思っている人はいない。しかし、どうしようもないと止まっていたら駄目ということが、空き家の啓発冊子を読むと分かる。答弁の中にあった事例集やマニュアルについて、ぜひ市町と共有し必要に応じ助力いただきたい。
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議案に対する採決
議案第 93号 令和4年度和歌山県一般会計補正予算
議案第113号 和歌山県建築基準法施行条例の一部を改正する条例
議案第118号 和歌山県使用料及び手数料条例の一部を改正する条例
議案第119号 令和4年度建設事業施行に伴う市町村負担金について
議案第124号 工事請負契約の締結について
議案第125号 工事請負契約の締結について
は全会一致で原案可決


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