1年で試算が急転、事業の見直しも検討
しかし、昨年2月に発表した「新中期行財政経営プラン」(2022~26年度)によれば、現209億円の財政調整基金と県債管理基金の残高が、2025年度末では171億円を見込んでいました。試算の方法でこれだけ変わる理由が明らかではありません。
しかも、基金からの繰入は公債費増加分の2分の1相当額であり、残り2分の1は予算編成時過程で財源を捻出、なお残る財源不足は「賢くやりくりして対応」するとしています。「賢くやりくり」には事業の見直しが含まれていいます。コロナ感染拡大や物価高騰が県民生活を襲うなか、社会保障、教育、中小事業者などの予算が圧縮・削減されないとも限りません。
財政危機というならば、突然「警報」を発出するやり方ではなく、新たな公債費臨時対策基金に充てようとする財源をいったん既設の県債管理基金に積み立てて、県民や議会の十分な議論と納得を得たうえで、本当に必要な基金とういことになれば翌年度に設置する方法でも十分間に合います。
日本共産党県議団は当基金の設置と、関西万博の事業費のために16.6億円を積み立てる基金の設置に反対しました。
コロナ対策を減額 対策強化求められる
新型コロナ感染症対策では、病院などを支援する補助費は179億円で33億円の減額、PCR等検査は16億円で12億円減額です。国庫支出金の減額が影響していると思われます。
感染第8波では、感染症対策費用の介護施設などの自己負担が大きく十分な対策が行き届かずにクラスターが多発し、感染者自ら陽性者登録センターに登録する方式では感染拡大の状況を十分把握しきれず感染者数が急増、死亡者数が過去最多を更新し、救急搬送も頻発しました。予算を増額して対策を強化することが求められます。
中学までの医療費無料化と給食費無料化は見送り
岸本周平知事が知事選挙の公約で掲げた中学卒業までの医療費無料化や学校給食の無料化は見送られました。岸本知事は、議会初日に県政の方向性を示す「知事説明」でも財政危機は強調しましたが、それらの無料化政策については触れませんでした。日本共産党県議団は、公約を実行するよう求めていきます。
◇ 議案第2号 令和5年度和歌山県農林水産振興資金特別会計予算
予算額 2億1300万円
(前年度 2億1157万7000円円)
◇ 議案第3号 令和5年度和歌山県中小企業振興資金特別会計予算
予算額 4億2798万9000円
(前年度 5億5758円)
◇ 議案第4号 令和5年度和歌山県母子父子寡婦福祉資金特別会計予算
予算額 1億5086万3000円
(前年度 1億5275万5000円)
◇ 議案第5号 令和5年度和歌山県修学奨励金特別会計予算
予算額 1億8675万9000円
(前年度 2億1094万7000円)
◇ 議案第6号 令和5年度和歌山県職員住宅特別会計予算
予算額 1億6622万円
(前年度 1億7679万4000円)
◇ 議案第7号 令和5年度和歌山県国民健康保険特別会計予算
予算額 1026億8799万6000円
(前年度 1028億6321万2000円)
◇ 議案第8号 令和5年度和歌山県営競輪事業特別会計予算
予算額 279億1117万円
(前年度 185億9917万4000円)
◇ 議案第9号 令和5年度和歌山県営港湾施設管理特別会計予算
予算額 5億1121万6000円
(前年度 5億0797万5000円)
◇ 議案第10号 令和5年度和歌山県市町村振興資金特別会計予算
予算額 8億4716万2000円
(前年度 8億4540万9000円)
◇ 議案第11号 令和5年度和歌山県自動車税等証紙特別会計予算
予算額 9億1700万円
(前年度 10億5600万円)
◇ 議案第12号 令和5年度和歌山県用地取得事業特別会計予算
予算額 28億7440万2000円
(前年度 33億2363万7000円)
◇ 議案第13号 令和5年度和歌山県公債管理特別会計予算
予算額 1156億0563万3000円
(前年度 1049億2203万6000円)
◇ 議案第14号 令和5年度和歌山県立こころの医療センター事業会計予算
予算額 25億0384万円
(前年度 25億8641円)
◇ 議案第15号 令和5年度和歌山県工業用水道事業会計予算
予算額 18億9431万9000円
(前年度 24億1201万7000円)
◇ 議案第16号 令和5年度和歌山県土地造成事業会計予算
予算額 8億2982万1000円
(前年度 25億1780万4000円)
◇ 議案第17号 令和5年度和歌山県流域下水道事業会計予算
予算額 41億2830万6000円
(前年度 38億8944万1000円