2023年2月県議会 福祉環境委員会 奥村規子委員の質問概要記録
【環境生活部】 【福祉保健部                    2023年3月2日


【環境生活部】
《質問》奥村規子  委員
 環境生活部全体の予算について、新年度は38億3721万円と、今年度より増額になっており、その要因として、環境衛生研究センターの再整備の影響が大きいと思うが、それ以外で増減が大きい事業はあるのか。

《答弁》 環境生活総務課長
 新年度予算は、今年度と比べ、約3億1500万円の増額となっている。主な増額事業として、委員指摘のとおり、環境衛生研究センターの再整備に係る工事請負費が約3億7200万円、新規事業として県有施設等の脱炭素化推進事業が約6900万円となっている。
 一方、主な減額事業として、水道生活基盤施設耐震化交付金が約2億600万円、環境衛生研究センターの再整備に係る設計委託費が約6000万円の減額となっている。
……………………………………………………………………………………………………………………………………………
《質問》奥村規子 委員
 来年度の新規事業として、県有施設等の脱炭素化推進事業がある。気候危機は世界的な問題と言われている中で、その効果をどのように考えているのか。

《答弁》 環境生活総務課長
 公用車への電動車の導入、県有施設への太陽光発電設備の設置を予算案として計上している。太陽光発電設備の設置については、新年度に、各施設の屋根の形状や面積、耐震性、築年数、日射条件などの導入可能性の調査を行った上で、設置に適した施設を洗い出し、どの施設にどのくらいの規模の太陽光発電設備を設置するのかという導入計画を策定することとしている。したがって、現時点では、どの程度の効果があるかは、見通せない状況である。
……………………………………………………………………………………………………………………………………………
《質問》奥村規子 委員
 環境衛生研究センターの再整備について、どのような点が機能強化されるのか。

《答弁》 環境生活総務課長
 環境衛生研究センターについては、建築後約50年が経過しており、施設の老朽化に加え、感染症対策や、試験及び検査の多様化・高度化に対応するため、再整備を行うものである。
 なお、機能強化の内容として主に3点ある。
 まず、1点目は、感染症分析用の高度安全実験室を増床することにより検査対応数を増やすこと。2点目は、検査目的別に検査室をより細分化・区分化することにより、異なるウイルスや細菌の混入リスクをより一層回避できること。3点目は、微生物グループや水質環境グループなど、検査グループごとに同一フロアにして、検査の流れに沿った配置にすることにより、より、一層の業務効率化を図ることが挙げられる。
……………………………………………………………………………………………………………………………………………
《質問》奥村規子 委員
 予算について、もう1点聞きたい。
 不法投棄・不適正処理対策事業が増額しているが、なかなか不法投棄が減っていないということか。

《答弁》 廃棄物指導室長
 今回の予算の増額については、廃棄物の不法投棄や土砂等の不法投棄などを監視するための装置として、ドローン2台の購入とそれに要する保険代などの経費によるものである。
 不法投棄対策については、なかなか件数の減少までに至っていないが、今までどおり、環境監視員や監視カメラの活用など、取締りや監視を適切に行っていく。

《質問》奥村規子 委員
 なかなか苦労していると思うが、やっぱり不法投棄が減っていない状況なのか。

《答弁》 廃棄物指導室長
 件数については、著しい減少は見られない。
……………………………………………………………………………………………………………………………………………
《質問》奥村規子 委員
 自然共生社会の推進について、県民意識を高めるためのシンポジウムを開催するとの説明であったが、来年度予算の中で、今後推進する上で課題としていることや、その対応について教えてほしい。

《答弁》 自然環境室長
 当室では、自然共生社会の実現に向けて各種施策を進めている。特に少子高齢化が進む中で、生物多様性の保全を担う次世代人材の育成が急務であることから、令和3年度から子どもたちを対象とした、生き物に関わる調査・研究のコンクールや「ネイチャー・キャンプ」と題した自然体験学習会などの取組を実施している。
 また、シンポジウムに関しては、平成28年度から専門家による講演会などを5年間実施してきており、県民の皆様の意識も一定程度向上していると考えている。現在、生物多様性に関する県の基本計画を作成しているところであり、来年度は、この計画の内容について県民に広く周知し、認識を深めてもらうためのシンポジウムを予定している。

《質問》奥村規子  委員
 子どもたちを対象とした取組を進めるということだが、教育委員会との連携は取れているのか。

《答弁》 自然環境室長
 県や市町村の教育委員会と協議し、子どもたちへの周知や参加しやすい工夫など連携して進めている。

《要望》奥村規子 委員
 教育的な観点や子どもの健やかな成長にとって大切だと思うので、今後ともしっかり進めてほしい。
……………………………………………………………………………………………………………………………………………
《質問》奥村規子 委員
 来年度予算で取り組むとされている、地域における高齢者等の見守り体制の構築の促進では、消費者被害の防止のために、どのような取組を行うのか。

《答弁》 県民生活課長
 高齢者の消費者被害の防止に向けた取組については従前実施しているところであり、リーフレットなどの啓発資料による広報や消費者教育の一環として開講する生活教養講座や消費者啓発講座などを通じて啓発を実施している。
 加えて、ケアマネジャーや民生委員など地域で見守り活動に携わっている方々が、消費者被害と思われる案件を見つけた場合には、県消費生活センターにつなぐ仕組みを構築しているところである。
 来年度も市町村などと連携して、こうした取組を強化するとともに、工夫して消費者被害の防止に取り組んでいく。
……………………………………………………………………………………………………………………………………………
《質問》奥村規子 委員
 女性の活躍推進について、女性が活躍できる職場環境ということになれば、私の周りでは、やはり子育てをしながら働くという保育の問題や、子育て環境の問題は非常に影響が大きいと思っている。そのような点は、子ども未来課の管轄になってくると思うが、女性活躍推進という中で、先ほどの男女共同参画の問題と併せて、積極的に取り組んでもらいたいと思う。来年度に強化していく取組があれば教えてほしい。

《答弁》 青少年・男女共同参画課長
 男女共同参画の推進にういては、分野がかなり広く、男女共同参画の基本計画を策定し、全庁的に取り組んでいるところである。委員が問題意識を持っている子育て関係については、福祉保健部において取組を進めている。環境生活部としては、男女共同参画全ての取組の基礎が「意識」であると考え、意識改革に力を入れている。それから、女性が働きやすい職場環境を整えるために、女性活躍企業同盟をさらに拡大し、男女共同参画の取組の輪を県下一円に広げていきたいと考えている。

《要望》奥村規子 委員
 セミナーや講演の中で、以前に話をした国際的な女性差別撤廃条約や、世界の認識などをしっかりと普及をしてほしいので、し改めて要望する。
……………………………………………………………………………………………………………………………………………
《質問》奥村規子 委員
 和歌山県太陽光発電事業の実施に関する条例について、事業者からまだ認定申請がなされていない段階で、地元に説明することが規定されているが、事業者はどの範囲に説明することが望ましいと考えているのか。

《答弁》 環境生活総務課長
 和歌山県太陽光発電事業の実施に関する条例に基づく住民説明会の範囲については、事業区域を含む自治会のほか、環境保全や災害防止の観点から影響を及ぼす範囲の自治会と考えている。影響を及ぼす範囲については、事業の内容、環境影響調査の結果、それぞれの地域の特性に応じて、事業者が設定した範囲が妥当かどうかを判断している。また、その範囲の外側であっても、事業の実施を不安に思い、説明会の開催を求める自治会もあることから、事業者に対しては、自治会と協議した上で、説明会の範囲を設定するように指導している。
……………………………………………………………………………………………………………………………………………

議案に対する採決
議案第43号 和歌山県太陽光発電事業の実施に関する条例の一部を改正する条例
は全会一致で原案可決


【福祉保健部】
《質問》奥村規子 委員
 物価高騰や新型コロナウイルス感染症対策が続く中で、医療・介護関係者のみならず、県民全体が大変な状況にある。
 和歌山市の高齢者施設にアンケートを取ったので、その結果を紹介する。
 回答があった施設は現時点で30施設あり、今も回答してもらっている。
 回答があった施設は、認知症対応型共同生活介護事業所と、介護老人福祉施設を合わせて70%と圧倒的に多くなっている。
 またアンケートによると、30施設のうちクラスターが発生したのは17施設であり、施設内療養になったとの回答は22施設であり、大変な状況であるごとが分かる。
 さらに、感染発生時に困ったことについての質問では、職員の不足、衛生用品の不足、ゾーニング、メンタルヘルスなどが上げられており、職員の不足との回答が圧倒的に多くなっている。
 記述欄回答の一部を紹介すると、

・利用者様のコロナ対応が増えていくと同時に職員が陽性になっていく。職員不足におちいり、過重労働になってしまう。休みの確保はできない。夜勤者の確保が大変だった。支援を要請してもなかなかすぐというわけにはいかない。支援の方への仕事の説明もいる。

・N95マスク、ガウン、キャップ、手袋、消毒液など、想定しているよりずっと必要で、発注してもなかなかこない。しかも高い。

・ユニット型なので個室ではありますが、認知症高齢者の方は居室対応が困難であり、日常生活とは異なる生活リズムとなるので、正確なゾーニングも難しい状況でした。他の方の居室滞在中に居室から出てこられた方がゾーンを突破してしまうこともありました。

・入居者16名のうち、入院となった方は4名でした。4名のうち3名は重症化し40度近い高熱や吐き気、咳きこまれている状態が続き、何とか入院できましたが、入院している間に2名の方は亡くなられました。早くに入院できていれば救えた命だったのかはわかりませんが、医療機関で早く治療を受けられていればと思ってしまいました。

・防護エプロンやフェイスシールド、N95マスク、キャップの支援をお願いしたい。

・衛生用品の在庫の確保が市レベル・県レベルで必要な時に必要なところへ分配できるような仕組みを作ってほしい。期限が近づけばよく利用する医療機関へ回せるようにしておくといったことが必要ではないか。人員の支援が必要だと思うが知らない人にケアされる利用者様の気持ちになると緊急時だけではなく、常時の人員補充を願いたい。またそれにかかる費用も支援してほしい。

・ゾーニングをしても認知症により居室から出てきてしまうこと、また、個室隔離をしたことで認知機能低下してしまったこと。

・スタッフが感染する中、職員が少なく、入所者が亡くなるなど精神的に追い詰められて、終息の見通しがつかない中での介護が続きます。介護施設は医療機関ではないため、治療を要するケースなど医療的な支援が必要であると感じました。

・この5月に第5類に移行したとしても、感染対策は継続していきます。どのような感染症でもそうですが、感染対策として自施設では物価が上がり、経費がかさんでいきます。補助金などを考えていただければと思います。

・GOTO~による支援も必要だとは思うが、実際、旅行にも行けない、食事や飲み会へも行けない時に、報道等で伝えられる内容と、自分たちの境遇とのあまりにも大きな差に何とも言えない感情を抱きます。この差が解消できたとき初めてコロナは収束したといえると考えます。

といったものがあった。
 また、2類から5類への移行に関して、和歌山市内の病院で働く看護師からの意見を紹介すると、

・感染症内科にて、陰圧室での診察、感染防護具による介助、検体の取り扱いが徹底して行われていたことにより、院内感染が少なかったと思われるが、2類から5類になるということで、どのようなことになるか、大変危惧している。

・陽性確認者は、会計も後日とし、別ルートで帰宅してもらったり、調剤薬局さんと協力して、自宅まで内服薬を届けたりしていましたが、そういったことがどうなるのか。

・陽性者が家庭内で確認されたら、自宅待機となっていたが出勤しないといけなくなることにより、発熱した家族の看病ができなくなる、万が一の状態の悪化に対応できなくなる。

・症状が出ていても検査を受けなくなるのではないか。

・ニュースでも取り上げられているように、診察拒否をする病院が出てきたら患者が集中し、本来の業務に支障が出てくるのではないか。

・各病棟でコロナの患者の対応をするとなると、看護師や医師、医療従事者の感染拡大に繋がりかねない。

・看護や診察、検査をする上で、感染対策に対しても、熟練した手技を要するため、その習得にも時間や対策が必要である。

といったものがあった。
 その上で質問する。新型コロナウイルス感染症対策予算について、令和5年度予算は2類から5類になることを前提としたものなのか。

《答弁》 健康推進課長
 予算編成する時期は10月なので、当然来年度も通年としてコロナ対応をしていく前提で組み、上程している。5類になったから急になくなるという予算の組み方はしていない。

《質問》奥村規子 委員
 2類から5類になることについて、県民の皆さんが不安に感じていることに対して、どう理解してもらえばいいのか。第8波の教訓も踏まえ、どう感じているか。

《答弁》 野尻技監
 大変難しい問題である。結論から言うと、新型コロナウイルスがなくなるわけではないので、やはり感染対策を十分にしていくというのが基本的な考え方だと思う。社会全体から見ると、2類は入院勧告といった強制力等、いろんな面での制限が強くなるということで、3年が経過した中で、5類相当という形になる。ただし、5類対応を一気に5月8日からすぐ実施するということは問題があると考えている。
 第8波では院内感染・高齢者等施設内感染が多数発生し、基礎疾患がある高齢者が亡くなり、致死率は第7波より高くなった。しかし、オミクロン株の毒性やワクチン、抗ウイルス薬の影響により、総じて致死率が下がってきたことが大きいと考える。
……………………………………………………………………………………………………………………………………………
《質問》奥村規子 委員
 第8波では非常に多くの高齢者の方が感染し、在宅や介護事業所で診ざるを得ない状況で、医療スタッフや医師が不足している話をずっと聞いていた。介護関係でもぎりぎりの状況で、介護スタッフを和歌山県としてどう確保していくか。
 2類から5類になったら、国のいろんな事業の縮小が検討されていると新聞に書かれている。そうなると、県は独自で実態に合わせた施策をしっかりとやってほしいが、その点に関する県の見解はどうか。

《答弁》 長寿社会課長
 主に介護人材の確保という観点から回答する。
 新型コロナウイルス感染症流行下において、感染者が発生した施設等において介護サービスが継続できるように、例えば、緊急雇用にかかる費用、感染者への対応を伴う職員への割増賃金・手当及び衛生用品の購入費用に対する財政支援を行ってきたところである。
 委員指摘のとおり、高齢者施設等における感染対策は非常に重要であり、感染症法上の位置づけが見直された後も必要な感染対策を行っていく必要があると考えている。そうした対策が継続できるよう、今、国のほうで考え方を示しつつある中で、引き続き、県としても全国知事会を通じて、国に必要な要望をしていきたいと考えている。
 また、そもそもではあるが、本県の介護人材の確保は、有効求人倍率が3倍を超えるなど、喫緊の課題としてコロナが起きる前から認識しており、県では、介護職場への参入促進を図るとともに、離職防止を図る等、様々な総合的な取組を実施してきたところである。
 先ほど福祉保健部長からも説明があったとおり、それらに加えて、令和5年度ではハローワークと連携した取組を強化するとともに、介護未経験の新規就労者に対して介護職員初任者研修の受講費用を補助する制度を新たに創設することとしており、そうした取組を通じて、介護人材の確保をより一層進めていきたいと考えている。

《質問》奥村規子 委員
 従来どおりの取組やその延長線上では、なかなか改善や現場における需要を充足できない問題があると思うので、やはり介護そのものに魅力を感じ、若い人たちも選択をしていってもらうようにしていかないといけないのではないか。
 和歌山市にYMCAという専門学校があり、そこの生徒さんが大方、外国の方だと聞くが、実際にそうなのか。和歌山県内の若い人たちの選択の実態は、どうなっているのか。

《答弁》 長寿社会課長
 指摘のとおり、YMCAは介護福祉士の養成施設であり、半分以上が外国から来た方が学んでいる。ただ、介護現場に参入するルートとしては、介護福祉士もそうだが、一般的には中途採用という形で、他職種から入って来る方、養成施設ではないルート等様々であるので、県としては、様々なルートで、様々な人材に参画してもらえるよう取組を進めていきたいと考えている。

《意見》奥村規子 委員
 なかなか、これだけやったら確保できるというものではないことは理解しているが、やはり社会全体で、介護の魅力や介護職を選んでもらえることがどうしても必要であり、しっかりとそうした政策を総合的にやっていかないといけない。ぜひ頑張ってもらいたい。
……………………………………………………………………………………………………………………………………………
《質問》奥村規子 委員
 感染管理認定看護師確保支援事業について、現場で戸惑うことがないよう研修を受けたり、知識等を身につけた人材をつくっていくことは大事だと思う。予算は2500万円だが、どのように実施するのか。

《答弁》 医務課長
 令和3年度から計画的に3か年で20名を増やすという目標で実施しており、研修を受けるための受講費補助である。
 令和3年度については4名が受講した。今年度はコロナのクラスターの発生等により1名となった。令和5年度は増やしていきたいと考え、予算を計上している。
 感染管理認定看護師は非常に重要で、高齢者施設でクラスターが発生した場合の対応だとか、ゾーニングだとか、感染対応職員の研修講師として話をしてもらうことが事業の成果と考えている。認定看護師がオンラインでの講習会を行うなど、コロナ禍において、その能力が発揮されたので、さらに受講してもらえるよう働きかけたい。
……………………………………………………………………………………………………………………………………………
《質問》奥村規子 委員
 人材を一気につくるわけにはいかないので、あるべき対象人数についても検討し、力を入れてほしい。
 もう一点、先ほど紹介した内容は一部なので、2類から5類になるにあたって、県としてどういったことに取り組むのかを考えてもらいたい。
 また、電話で聞いたりと機会はあるのかもしれないが、実態を把握してもらいたいが、その点についてはどうか。

《答弁》 福祉保健部長
 先日の一般質問でも答弁したとおり、高齢者施設が大変で頑張っていることは聞いており、その中でできる限りのことはしてきた。5類になっても、要望等については引き続き聞いていく。
……………………………………………………………………………………………………………………………………………
《質問》奥村規子 委員
 物価高の中で国民健康保険料の負担感が大きい。
 自治体の2023年度国民健康保険料の値上げが、かつてない規模で広がっていると新聞で見た。調査で、国民健康保険料の市町村標準保険料率、保険料決定の参考値に基づいて、4人家族のモデル世帯の保険料負担を試算した中で、2022年度に値下げが353、値上げが675となっていたが、2023年度は値下げが200、値上げが828となっている。
 国民健康保険料を抑えるとか引き下げることについて、県はどう考えているのか。

《答弁》 国民健康保険課長
 県の国民健康保険料は、令和5年度では据え置きが12、引き下げが4、引き上げが14の予定となっている。
 保険料を引き下げる考えはないのかという質問だが、引き下げるためにどうするか、引き上げるためにどうするかということで保険料は決まっていない。全体の医療費がどれだけかかり、それに対して公費がどの程度あってという計算の中で、保険料として徴収しなければならない金額を決めている。
 その中でも、令和3年度については若干の剰余金も出たので、剰余金を利用しながら、できるだけ抑制するようにしているが、必要額を必要な保険料として徴収するということで保険料は決まる。

《要望》奥村規子 委員
 仕組み自体が問題で、都道府県単位化したこともあり、国民健康保険料が非常に負担感があると以前から何度も言ってきたところだが、国費を投入するということは、知事会の中でも言われているので、国費をしっかり投入してくれることを期待している。
 物価高で1万5,000から2万品目がこれからも値上がりし、身近な生活必需品も値上がりすると言われている中で、本当に国民健康保険料の負担が大きい。仕組みがそうだからとか、給付によって決まっていくとかではなく、保険料を支払う人の立場からぜひ考えてもらいたい。

《質問》奥村規子 委員
 国民健康保険の保険者努力支援制度は、自治体の自主的な判断を押さえつける仕組みであって、やめるべきではないのか。

《答弁》 国民健康保険課長
 保険者努力支援制度というのは、ペナルティを科すための制度ではなく、インセンティブを与える制度として成り立っている。
 保険者努力支援制度は疾病予防や、健康づくり、あるいは医療費適正化に係る客観的具体的な指標に基づくインセンティブ強化を図ることで、国民健康保険の保険者機能と財政基盤の強化を目的として実施しているものである。
 市町村間の競争をあおるとか、ペナルティを与えるというものではなく、実施した分について国費が交付され、結果的に保険料を抑制することにつながるという制度なので、市町村には十分活用してもらいたい。

《質問》奥村規子 委員
 国民健康保険料は高くない、適正であると考えているのか。

《答弁》 国民健康保険課長
 保険料が高いか、低いかについては主観によるものであり、それぞれの価値観によって決まるものと思うが、適正に計算されて賦課されているものと考えている。

《意見》奥村規子 委員
 夫婦40歳代で、子どもが中学校1年生、高校1年生の4人世帯で、所得200万円、妻の収入はなく、2割軽減世帯というモデルで、令和3年度は年間37万円となる。
 令和4年度は、和歌山市の場合は36万8,400円で、湯浅町はもっと高い38万円となっている。御坊市も高い。高いか低いかは、おのずと分かるのではないかと思う。私は非常に大変だと考えている。
……………………………………………………………………………………………………………………………………………
《質問》奥村規子 委員
 病床機能の分化・連携のための体制整備について、令和4年度から増額となっているがなぜか。

《答弁》 医務課長
 令和4年度より申請の病床数が多かったためである。

《質問》奥村規子 委員
 感染症病床の確保などを考えていかなければいけないときに、これらの話が進められているのは理解できないが、どのように考えているのか。

《答弁》 医務課長
 地域医療構想に基づいて病床の再編を進めているところである。
 感染症に対する病床の確保については、国の第8次医療計画作成指針で記載されるため、その動向を見て次の県の第8次医療計画に掲載する予定である。

《意見》奥村規子  委員
 こういった状況の中で病床の再編などを進めていくのは、なかなか県民の理解が得られにくいところである。
……………………………………………………………………………………………………………………………………………

議案に対する採決
議案第44号 就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律施行条
       例の一部を改正する条例

議案第45号 和歌山県児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正す
       る条例

議案第46号 和歌山県指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準等を
       定める条例等の一部を改正する条例

は全会一致で原案可決

調査議案に対する意見聴取
奥村規子委員から「議案第1号について、物価高騰等により県民の暮らしが厳しい中、必要な方に対して十分な支援を求める」旨の意見を付すことについて提案

調査報告に対する採決
調査議案については意見を付さず「適当である」旨、報告することに決定

議請第8号~10号に対する採決
議請第 8号「物価高騰に見合う年金額引き上げを求める請願書」は不採択すべきものと決定
議請第 9号「加齢性難聴者の補聴器購入に対する医療保険適用を求める請願書」は不採択すべ
      きものと決定

議請第10号「和歌山県として、加齢性難聴者の補聴器購入に対する公的補助制度創設を求める
      請願書」に対する質疑

《質疑》奥村規子 委員
 課長意見には、県独自の個別対応ではなく、国において対応されるべきとあるが、まずは県独自の個別対応で始めていくことが非常に大事だと思う。他の施策でもそういうケースがあると思うが、どう考えているのか。

《答弁》 長寿社会課長
 加齢性難聴者に対する支援については、聴力の低下により、認知症の発症リスクが高まることなどが懸念されるため、政策的な必要性はあると思うが、和歌山県独自の課題ではなく、全国共通の課題であるため、全国的な対応が必要だと認識しでいる。

議請第10号は不採択すべきものと決定


 2023年2月議会   奥村規子プロフィール、質問一覧
 奥村のり子facebook   県議団HOME