2023年2月県議会 文教委員会 杉山俊雄委員の質問概要記録
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《質問》杉山俊雄 委員
 12月議会で一般質問した「香害問題」について反響があり、今度は学校給食のエプロンについて質問する。
 香害に苦しんでいる人は柔軟剤の匂いが大変で、子どもが給食当番になって持って帰ってきた使い回しのエプロンには柔軟剤の匂いが蓄積されており、洗濯すれば他の衣類に匂いがつくし、それだけ別に洗っても洗濯機の中に匂いが残ることで、目が痛いとか気分が悪くなる。子どもだけではなく、親でもそうなるので、エプロンを個人持ちにしていただきたいという話が寄せられた。
 私が近隣自治体に問い合わせると、紀の川市はたくさんのエプロンを今年1月に各学校に支給し、生徒が少ない学校では個人持ちになっている状況であるし、多いところはそうはならなかった。岩出市は市会議員に聞いたが、申し入れがあれば個人に支給すると言っていた。ある教育委員会では、柔軟剤のような嗜好の問題とコロナ対策ということもあって、エプロンを個人持ちにしてほしいという親の希望がたくさんあったので、各学校に個人持ちを推進するような文書を出したという話もある。
 県教育委員会としても、何とか各学校に児童の給食エプロンを個人持ちにするような文書を市町村教育委員会に出していただけないかということであるが、いかがか。

《答弁》 教育支援課長
 給食エプロンなどの共有により、香りで体調不良を起こす児童生徒については、個人エプロンの使用を配慮するなど、市町村教育委員会や養護教諭の研修会等において、機会を捉えて啓発してまいりたい。そのことに特化する通知文を出すということは難しいため、様々な研修会等で啓発していければと考えている。

《質問》杉山俊雄 委員
 それで徹底できるか。

《答弁》 教育支援課長
 市町村教育委員会の担当者の会議は年数回あり、養護教諭の研修会も年1回ではなく複数回あるため、そのような機会に徹底していくことに加えて、香りによる体調不良等については、シックハウス症候群等と合わせて学校環境衛生に関する通知文を発出する際にお知らせしていければと考えている。
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《質問》杉山俊雄 委員
 議案第51号の南紀支援学校、はまゆう支援学校について、議案の趣旨説明には、統合により教職員が16名減少するとの記載があった。4月以降2校舎で運営し、年度途中で一つになるとのことだが、詳しく説明願いたい。

《答弁》 特別支援教育室長
 両校の統合は、学校生活を支える学習環境の整備とともに、両校がこれまで培ってきた肢体不自由、知的障害、聴覚障害それぞれの専門教育を相互に生かし、重度・重複障害の子どもたちへの対応など多様な教育的ニーズに応える教育の充実を目的とする中で、保護者をはじめ関係者の方々に適宜説明を行いながら進めてきた。第2期工事の工期が約半年程度延び、第2期分の校舎等の完成は次年度半ばを予定している。既に、一部校舎が完成し、肢体不自由児童生徒が使用を始めており、また、統合後の4月以降は知的障害部門の高等部生徒が先行して校舎使用を開始するなど、統合の目的を踏まえた準備を両校で行っている。12月に引っ越し作業を行い、1月から全ての子どもが新校舎で学校生活を送る予定である。

《質問》杉山俊雄 委員
 一つの学校になると、肢体不自由学校が肢体不自由学級になるから定数の算定が低くなるということか。

《答弁》 教職員課長
 主な障害の種別が知的障害ということになるので、もともと肢体不自由のほうが定数が多いという状況であり、知的障害がメインということになるとその分で若干減る分がある。

《質問》杉山俊雄 委員
 実際に一つになるのは3学期からだが、それまでは二つの学校で運営する。小中学校では統合すれば統合加配があって教員を置くが、特別支援学校にはそういうのはないと聞いたが、支援学校にはなかった設置基準を最近つくるようになった。
 国会議員に聞くと、支援学校の統合は想定されていないのではないかと思ったのだが、大変な中で運営していくことになるので、減らしたままで運営するより、何か加配は考えられないか。

《答弁》 教職員課長
 統合加配というものは国の制度では今のところない。今回、統合ということで国の定数では減るが、2校運営となるため、できるだけ不自由のないように定数の確保には努めたいと思う。

《質問》杉山俊雄 委員
 確保が確実になるかどうか不安なため、国会議員の秘書に問い合わせると、特別支援学校センター的機能強化等の加配があり、これは県が国へ申請すれば基礎定数とは別に予算の範囲内で措置があることを聞いた。本当に大変だということであれば、申請して加配をもらえる。その内訳が550人あるので、きちっと申請していただきたいと思うがどうか。

《答弁》 教職員課長
 県としても加配は欲しいものなので、使える加配については既に申請して、頂けるものは頂いている状況である。
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《質問》杉山俊雄 委員
 議案第52号の教育委員会事務局の職員2名増について、組織改正によって人員配置の見直しとの説明があったが、組織改正の目的とどこへの異動があったのか。

《答弁》 教職員課長
 既に、資料提供しているが、教育総務課の中に教育DX推進室を新たにつくることとしている。一昨年ICT推進班があり、それを廃止しだのだが、知事部局にもDX推進室があり、教育委員会としても一人一台端末を効率的に活用できる計画や、それを進めていくために教育総務課に新たにつくることとしている。
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《質問》杉山俊雄 委員
 令和5年度新型コロナウイルス感染症対策についての計画はあるか。

《答弁》 教育支援課長
 新型コロナウイルス感染症対策については、約1億2000万円の予算内で消毒液や特に換気対策としてのC02モニターの購入を積極的に促していく。

《質問》杉山俊雄 委員
 新型コロナウイルス感染症対策に伴うスクールバスの増便はあるのか。

《答弁》 特別支援教育室長
 新型コロナ対策に伴うスクールバスの増便については、今年度同様、次年度も継続できるように申請を行っている。
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《質問》杉山俊雄 委員
 教員の長時間労働については、タイムカードで時間管理をしているが全然減らない。文部科学省の調査でも45時間から80時間を超える。教職員組合(全教)の調査では平均86時間で過労死ラインを超えている。日教組の調査では実質96時間の時間外労働になっている。特に中学校では月平均120時間、1日6時間。なぜ、時間管理をしているのに増えていくのか、その原因は何か。

《答弁》 教職員課長
 原因についてはいろいろあり、部活の時間数がかなり増えていたりすると思うのだが、我々としても調査業務をまとめたりとか、極力同じような調査をしないとか、そのあたりの調整をしているところである。

《意見》杉山俊雄 委員
 今年も専門スタッフをたくさん増員していると思う。そういう専門員を増進しても、教員の仕事量が減らない。抜本的に教員の労働時間を減らすような方策をしない限り、今までどおりやっていたらどんどん増えているのだから、違う方向で物事を考えないと根本的に解決しないと思う。この場で論議するよりも別の機会で議論したいと思う。
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議案に対する採決
議案第50号 教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
議案第51号 和歌山県立学校等職員定数条例の一部を改正する条例
議案第52号 和歌山県職員定数条例の一部を改正する条例
議案第53号 和歌山県博物館協議会条例の一部を改正する条例
議案第62号 訴訟の提起について
は全会一致で原案可決


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