2023年6月県議会 福祉環境委員会
 奥村規子委員長の質問概要記録
    2023626

【福祉保健部】
《質問》奥村規子 委員長
 議案第82号について、就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律施行条例の改正の要旨では、満3歳未満の子どもの保育に従事する者として置かなければならない保育士の資格を有する者について、当分の間、1人に限って、保健師、看護師または准看護士をもって代えることができると書かれている。これは保育士の専門的なところで非常に影響するのではないか。
 代えることができるということで、保健師、看護師、准看護士も保育に携わっていくことになっていくということだが、改正の点も含めて、緩和していくことにつながっていくのではないかという危惧を感じている。その点について、業務の専門性なども含めて、どのように考えているか。

《答弁》 子ども未来課長
 指摘の認定こども園におけるみなし保育士の要件緩和については、国全体で保育士確保が難しい中で、小規模な形で、看護師等を保育士とみなし、看護師等の専門性なども活用して保育士不足を解消していくということである。全国的に緩和するということなので、本県としても緩和は致し方ないと考えている。その他のインクルーシブ保育や業務継続計画についても、同様に国の基準に従って進めていくことで、県内の保育所としても適正に運営していけるものと考えている。

《要望》奥村規子 委員長
 国の流れの中でということなので、現場の状況なども把握して、保育の質が下がることがないようにしてほしい。根本的には、保育士の数を改善していくことが本筋だと思うので、よろしくお願いしたい。
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《質問》奥村規子 委員長
 医師の働き方改革が2024年4月から実施されることになる。罰則つきの労働時間の制限が始まるので、小中の病院では困難な状況もあるのではないかと思うが、和歌山県立医科大学での取組や準備はどのような状況か。

《答弁》 県立医科大学事務局次長
 来年4月から始まる医師の働き方改革では、時間外労働・休日労働時間の上限が年間960時間以内という制約が課されるが、本学の令和4年度の実績においては、年間960時間を超える医師が約3割という状況であった。
 夜間の救急や地域医療を担うという本学の役割を考えると、直ちに年間960時間に抑えるというのは困難なことであることから、暫定的に年間1,860時間までの時間外労働・休日労働が認められる特例措置の指定を県から受けるための準備を現在進めているところである。
 令和4年8月には医師の業務見直しに係るアンケート調査を行い、その結果を踏まえて診療科の業務内容に応じた主治医チーム制の導入を進めたり、土日のいずれかを出勤しない日として設定するなどの取組を進めたりしているところである。
 また、併せて特に労働時間が長い診療科においては、病院長がヒアリングを行い、勤務シフトの検討など労働時間短縮に向けた取組を進めるとともに、医師以外の職種でもできる業務を整理・明確化しタスクシフトを進めるなど医師の負担軽減への取組も行っているところである。
 さらに、兼業先となる地域の医療機関に対しても宿日直許可の取得推進など医師の労働時間短縮について働きかけを行っている。
 私どもとしては県内唯一の大学病院、特定機能病院として引き続き県民の皆様に安全で良質な医療を提供できるよう取り組んでいきたい。

《質問》奥村規子 委員長
 医師不足が長く続いている中で、医師の働き方改革をどこまで実現していけるのか、大変難しくご苦労されている点があると思う。
 医師の労働時間の実態を把握する点ではずいぶん進んでいると思うが、医師不足を解消することをしっかりと取り組んでいただけるように、またこれは国の責任としてもやっていただかないと、この改革が本当に実を結ぶことが難しいのではないかと思うので、よろしくお願いする。
 和歌山県立医科大学の状況は今お聞きしたが、地域の中規模病院がどのように進めるのか、救急の受入れが大変になってくるのではないかと心配している。この点について、一般の地域の病院での状況はどうか。

《答弁》 医務課長
 県内の状況は、やはり宿日直許可の取得が大きな問題であると思っている。
 現在、各病院が宿日直許可を取るべく労働基準監督署等と調整しているところである。年間1,860時間までの時間外労働・休日労働が認められる、いわゆるB水準の指定は医大と日赤が予定しており、その他の病院についてはA水準に収まるであろうと聞いている。
 今後、医師の確保も含めて、救急医療体制について来年度以降どうなっているかということは、現場の医療機関と調整しながらやっていきたいと考えている。

《意見》奥村規子 委員長
 医師の働き方改革と合わせて、県民の医療を守っていかなければならないという、大変な問題だと思うので、ぜひよろしくお願いする。


【環境生活部】
《質問》奥村規子 委員長
 LGBTQの問題で、先日の国会で法律が成立しているが、県民に理解されていくことが非常に大事だと考える。県民への周知や取組などをどう考えるか。

《答弁》 青少年・男女共同参画課長
 先日、いわゆるLGBT理解増進法が成立し、施行されたところであるが、この法律は、性の多様な在り方を互いに自然に受け入れられる共生社会の実現を目指して制定されたもので、このことは性的少数者への理解のみならず、あらゆる多様性に対する共通理念だと考える。
 この法律において、地方公共団体は、性の多様性に関する知識普及や相談体制の整備等に努めるよう規定された。
 本県において、これまでも各種啓発や相談対応について、自主的に取り組んできたところだが、今後はこの法律を根拠にした対応が要請されることになったと理解しており、着実に取り組んでいきたいと考えている。
 具体的な取組内容については、昨年度は新たに県職員向けのガイドラインの作成や県及び市町村担当者向け研修会等を実施し、また、りいぶるにおいて専門相談を令和4年7月から開始したところである。
 今年度は、新たに民間事業者向けの研修を実施する予定であり、また、パートナーシップ宣誓制度の導入も検討している。
 今後も、法の趣旨を踏まえ、国が策定する基本計画や指針、議論の状況等を注視しながら取組を進め、県民が多様な生き方を尊重できる社会の実現を目指したい。

《要望》奥村規子 委員長
 日常生活の中で、お互いに尊重し合うという基本的なことがさらに前進していけるように、ぜひ、県民への周知徹底を要望しておく。


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