2026年度(令和8年度)和歌山県当初予算
◇ 議案第1号 令和8年度和歌山県一般会計予算
予算額 6498億5095万1000円
前年度 6138億1290万9000円
(+360億3804万2000円)
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前年比5.9%増 6499億円 過去最高額
2月県議会では2026年度当初予算が提案されました。
一般会計は前年度比5.9%増の6499億円で、過去最高額です。歳入では、県税収入が2.3%、地方交付税が7.6%、国庫支出金が2.2%、地方消費税清算金等が7.9%増えますが、収支不足125億円を県債管理基金を取り崩して補います。
歳出では、人件費が6.2%、公債費が3.5%増えますが、その他にAIや半導体、国土強靱化、データセンターなど〝成長分野〟に投資することを政府が進める「地域未来基金(仮称)」を設置し60億円を、地方交付税の代わりに借りた借金返済のための「臨時財政対策債償還基金(仮称)」を設置し40億円を積み立てることが増額の要因となっています。
この先10年間の見通しでは、人件費や公債費、社会保障関係費が増加し、2023年に発出した「財政危機警報」の予測よりもさらに財政収支が悪化すると危機感をあおっています。地方交付税の増額など、国の責任で県民生活を守るよう強く訴え続けるべきです。
重点支援地方交付金の県民生活への活用を
昨年末に国の補正予算で成立した「重点支援地方交付金」が和歌山県には128億円交付されます。
日本共産党の奥村規子県議はこの交付金活用について、賃上げを行ったすべての事業者への支援、学校・医療機関・介護施設・保育所等の給食の質の向上、省エネ家電の購入支援や生活保護世帯のエアコン設置の保証、デマンド型タクシーなど公共交通への支援と医療機関などへの送迎支援、市町村をまたぐ訪問介護事業者への支援などを申し入れました(申し入れ書)。
当初予算では「賃上げ環境整備支援パッケージ」として生産性向上の設備投資や価格転嫁への支援に27億円が計上されました。働く人の賃金に回る制度設計とすることが必要です。
また、他産業との賃金格差が月8.3万円低い介護従事者への賃上げでは、要件付きで1人最大1.9万円と、低賃金の解消には程遠い状況です。
公立小中学校の学校給食の材料費高騰で質が低下している問題では、市町村が上乗せして単価を引き上げた分を県が支援します。他の施設への支援拡大が求められます。
住宅向け太陽光発電・蓄電池・省エネ設備導入支援は拡充されましたが、生活保護世帯のエアコン設置保証は検討されていません。
地域公共交通事業者支援に2.6億円、訪問介護員同行支援等に1100万円が計上されましたが、いずれも支援内容はこれから検討されます。
病床削減進め、国保料・税引き上がる
地域医療構想により、2014年度には1万2,540床あった病床が、24年度までに1,626床も減らされました。しかし25年度中に約3,000床を削減する目標に届いていないため、全国で11万床減らす計画とともに様々な補助金で誘導する新たな地域医療構想が検討されています。26年度予算でも病床再編に昨年度比1億6600万円増の5億9400万円を計上しました。新たな感染症や災害に備えた医療体制の充実に向け、地域医療構想は撤廃するべきです。
2025年度の国保料・税は21市町村で引き上げられました。30年度の保険料完全統一に向け、27年度までに市町村からの納付金ベースの統一を目指すとしています。保険料や納付金の統一はさらなる引き上げにつながります。加入世帯の限界を超えている国保料・税引き下げのため、国庫負担の大幅増額と県としての努力が求められます。
子育て支援 医療費助成進まず
高校の授業料は公立同様に私立でも無償化されます。しかし入学金や制服代、教材費、修学旅行費などの「かくれ教育費」はともに自己負担のままです。
保育では、3市町で試行的実施していた「こども誰でも通園制度」が全市町村で実施されます。月10時間範囲内で、保護者の就労などの要件を問わず、3歳未満児が1時間単位で保育施設に通える制度です。これまで通常保育をしたことのない事業者の参入も認められており保育の市場化がいっそう促進することや、在園時間や利用頻度が違う乳幼児が出入りを繰り返すことになるため職員体制の管理や情報共有、安全面での保障などの不安があります。
県制度のこども医療費助成はいまだに就学前までとなっています。県内全市町村が高校卒業まで無料です。市町村のこども支援策を充実させるためにも、県の対象年齢を引き上げることが求められます。
白浜空港の軍事利用と滑走路延伸
熊野白浜リゾート空港(南紀白浜空港)の現在3往復の羽田便4往復化に向けた利用促進に2億円、着陸帯幅を広げるRESA整備に5億円を計上しました。
白浜空港は昨年「特定利用空港」に指定されました。県は「災害対策」としていますが、実態は国家安全保障戦略に基づく軍事力の強化です。指定によって「防衛訓練」ができるよう内規が改悪され、10月には戦闘機4機の離着陸訓練が行われました。災害対策に戦闘機は必要ありません。「特定利用空港」の指定と、莫大な費用で滑走路を延伸する計画は撤回するべきです。
行財政経営プラン
2023年に発出された「財政危機警報」が現在も継続されているもとで「行財政経営・組織力強化プラン」の素案が発表されました。
昨年12月に策定された「県総合計画」に基づき、行財政経営の観点から5年間の施策を具体化するもので、これとは別に総合計画の実施計画である5年ごとの「アクションプラン」も策定されます。
「行財政経営・組織力強化プラン」では「人材育成・確保、職場環境改善、官民連携」と「限られた行財政資源活用で新たな需要への対応と持続可能な運営」の2本柱立て。外部の力活用やPFI(民間資金・能力活用)が強調され、地方自治体の役割や責任を後退させる内容です。「財政危機警報」は、次年度の財政調整基金・県債管理基金の残高見込みが110億円以上などの要件で注意報に、それが5年推計で見通せれば解除する方向です。そのためには、県有施設の廃止・統合を含めた最適化を実施するとしています。県民生活の不利益とならないよう注視することが必要です。
「出会いの場の創出」を復活
2023年度まで行われていた「わかやま結婚支援事業」は、“結婚するかしないかは自由意志であり県が踏み込む領域でない”ことや、“民間の取り組みが進んできた”ことなどから24年度には廃止されました。しかし、26年度から「地域少子化対策強化事業」の中に「出会いの場の創出」として復活させ、742万円を計上しました。
生き方の多様性が尊重される世の中が進むもとで、「少子化対策」として出産を促すため出会いの場を行政が提供することは、ジェンダー平等社会の実現に逆行しているのではないでしょうか。
◇ 議案第2号 令和8年度和歌山県農林水産振興資金特別会計予算
予算額 2億6216万1000円
(前年度 2億6863万6000円)
◇ 議案第3号 令和8年度和歌山県中小企業振興資金特別会計予算
予算額 1億7495万5000円
(前年度 1億5095万9000円)
◇ 議案第4号 令和8年度和歌山県母子父子寡婦福祉資金特別会計予算
予算額 1億2328万4000円
(前年度 1億2579万2000円)
◇ 議案第5号 令和8年度和歌山県修学奨励金特別会計予算
予算額 1億3021万1000円
(前年度 1億4444円)
◇ 議案第6号 令和8年度和歌山県職員住宅特別会計予算
予算額 1億4364万4000円
(前年度 1億5834万7000円)
◇ 議案第7号 令和8年度和歌山県国民健康保険特別会計予算
予算額 943億8067万9000円
(前年度 944億5220万8000円)
◇ 議案第8号 令和8年度和歌山県営競輪事業特別会計予算
予算額 353億5191万6000円
(前年度 254億7194万1000円)
◇ 議案第9号 令和8年度和歌山県営港湾施設管理特別会計予算
予算額 5億5077万2000円
(前年度 6億9370万1000円)
◇ 議案第10号 令和8年度和歌山県市町村振興資金特別会計予算
予算額 10億2022万7000円
(前年度 8億2022万7000円)
◇ 議案第11号 令和8年度和歌山県自動車税等証紙特別会計予算
予算額 2億3068万3000円
(前年度 11億4820万2000円)
◇ 議案第12号 令和8年度和歌山県用地取得事業特別会計予算
予算額 9億6486万6000円
(前年度 15億8024万3000円)
◇ 議案第13号 令和8年度和歌山県公債管理特別会計予算
予算額 1286億4116万7000円
(前年度 1251億0872万円)
◇ 議案第14号 令和8年度和歌山県立こころの医療センター事業会計予算
予算額 30億5474万4000円
(前年度 27億5673万6000円)
◇ 議案第15号 令和8年度和歌山県工業用水道事業会計予算
予算額 9億1574万3000円
(前年度 47億6827万9000円)
◇ 議案第16号 令和8年度和歌山県土地造成事業会計予算
予算額 31億7885万2000円
(前年度 24億5886万4000円)
◇ 議案第17号 令和8年度和歌山県流域下水道事業会計予算
予算額 50億5217万8000円
(前年度 44億2336万8000円)