和歌山県予算案
県民に負担押しつけ
                                                  2009年2月17日
   和歌山県は17日、5229億円の2009年度一般会計予算案を発表しました。前年比117億円(2.3%)増と6年ぶりに前年度予算を上回りました。
   県税(地方法人特別譲与税含む)が前年比82億円減る一方で、地方交付税(臨時財政対策債含む)は78億円増にとどまり、今年も歳出が歳入を上回る収支不足で基金を62億円取り崩します。財政調整・県債管理の両基金残高は09年度末に115億円まで減る見込みです。
   県は「新行財政改革推進プラン」を公表。教職員の179人減など職員を288人減らして人件費の63億円減や、まだ退出に納得していない人がいる軽費老人ホーム無憂園の廃止、県立医大などへの人的・財政的支援の縮小など補助金や施設の見直しなどで約10億円の削減を見込みます。ところが県包括外部監査がすみやかな清算の必要性を強調した県土地開発公社について「継続して経営を監督」とするなど、県民にのみ負担を押し付けるやり方に批判が上がっています。
   一方、同プランで廃止や縮小の対象となっていた福祉医療が、障害者や母子家庭、高齢者らが立ち上がり09年度の継続を勝ち取りました。また市町村から強い要望のあった新築住宅への合併浄化槽設置の補助も3年間継続など、県民の運動や日本共産党県議団の県議会質問などが実りました。
   予算案では、国の緊急経済対策の交付金も使い県立室内プールや県立総合体育館など15年の国体の施設整備、防災対策で橋梁の長寿命化などを進めるとしています。また高速道路ネットワーク整備に129億円(08年補正を含む、前年比24億円増)を予算化しました。
   ムダ遣いも継続され、埋め立て地そのものが防波堤の役割を果たしていることや和歌山発電所の稼働のめどが立たないことから有用性が問われている和歌山北港沖地区南防波堤工事の総事業費は300億円。県はすでに約24億円負担し、今後さらに同程度の負担が見込まれています。加太コスモパーク(和歌山市)に土地造成費約20億円をかけ誘致した加太菜園(カゴメ、オリックスが出資)には20年間で約28億円の借地料を県が肩代わりします。「聖域」の旧同和事業では隣保館活動助成に3億5000万円、旧同和子ども会への補助金3700万円などを今年も計上しました。


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