PCMUSIC.GIF - 10,220BYTES コンピュータミュージックとはどんなものか。私がコンピュータミュージックをどのようにやってきたか、今どのようにやっているのか。というようなことを中心に。

Last update  2002/01/15


     1.パソコン以前     

YAMAHAポータトーンのこと

私がコンピュータミュージックを始めるきっかけになったのは、ヤマハの「ポータトーン」というキーボードを買って、それに付属しているごく簡単なシーケンサーを使って自動演奏をさせたことです。これは、リズムセクションの他に2トラックの演奏を打ち込んでおけば自動演奏させられるというもので、10種類ぐらいのプリセットトーンのみしか使えず、記憶させられるのは1曲だけで、しかも打ち込みはリアルタイム録音(手弾き)のみ、打ち込み可能な小節数も少しだけという、ほんのお遊び程度のものでしたが、いろいろと工夫をしてそこそこ聞けるものを作ろうと懸命にいじっていました。その頃私が参加していたアマチュア軽音楽バンドでも持ち運び簡単なキーボードだということで使ったこともあるので無駄な出費ではありませんでしたが、自動演奏としてはなにしろ非力すぎました。しかしステレオスピーカー内蔵で本体のみで音が出るという手軽さはよかったですね。


単体シーケンサーQX5のこと

「ポータトーン」は自動演奏にはあまりに非力だったので、すぐにもう少し本格的なものが欲しくなりました。そこで買ったのがヤマハの単体シーケンサーQX5でした。これはデータの記録再生のみの機材なので、ポータトーンとは違い音源は別途必要です。しかし、ポータトーンではできなかった音の強弱や音程などの細かな違いも記録したり一音ずつの編集もできるので、やっと「音楽を作る道具」というものに近づきました。QX5は、MIDI4チャンネル分を記録再生でき、入力はMIDI出力のついたキーボードからリアルタイムで手弾き入力するかキーボードを使ったステップ録音のどちらかを使うというものでした。私はシンセサイザーDW-8000を入力用に使いました。キーボードの苦手な私は、テンポをゆっくりにしてメトロノーム音を聞きながら入力し、あとから細かい点を修正するのですが、この修正作業は操作が結構しんどかったです。

シンセサイザーDW-8000 音源TX81Z リズムマシンRZ-1

音源としては、手持ちのコルグのシンセサイザーDW-8000と、新たにヤマハのFM音源TX81Z、カシオのリズムマシンRZ-1を買って使いました。このころのMIDIを使った自動演奏では、ドラムやパーカッションはシーケンサーではなくリズムマシン内蔵のシーケンサーに打ち込んでおき、MIDIを通じて同期演奏させるという方法でした。もちろん大きな金額を出して高級な機材にはもっといいものがあったのですが、私にはとても手の出せないような高いものでした。おもしろかったのは、カシオのリズムマシンRZ-1で、これには簡単なサンプリング機能がついていて、ラインやマイクで録音した音をリズム楽器の一つとして使えるというものでした。私はこれを使って私の子供の声などをサンプリングし、他の楽器音と混ぜてリズムパートを演奏させたりしながら遊びました。ヤマハのFM音源TX81Zは、とてもいい音が出る音源で、これだけはパソコン中心の今になっても使っています。しかしこの頃の製品名にはやたらと「Z」がついていますねー。
また、多重録音をするためにヤマハの4トラックのカセットマルチトラックレコーダーMT44Dも購入しました。これにはSMTPEを使った同期機能が付属しており、シーケンサー側にSMTPE出力がついていればMIDIの自動演奏とテープ録音の音を同期させられるという機能が付いていたのですが、買ってからかなりの期間この機能は使っていませんでした。
このころ、和歌山県の反原発市民運動の中から生まれた「浜の男」という歌を、以上の私の機材を使って制作しました。大前さんという方が作られた歌で、ひとつ演歌調の反原発ソングをつくろうじゃないか、という私の思いつきを受けて作ってくれたものです。これには私のサックス演奏も少し入っていました。しかし聞いたことのある人は少ないでしょうね。

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