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2004年12月01日 | 【 3.月刊『お前だえよ!』 】 |
2002年9月号
今月号は、勝手ながら地元での年に一度の独演会「わかやま芸品館」の事書かしてもらいます。
今年で場所と名前を変え、はや三回目を数える事になるこの会は、まさに挑戦という二文字を追いつづけている会なのです。
というのも、今ではすっかり無理の親友であるマエオカテツヤ氏と初めて出会ったのが四年前。お互い年も近いせいもあり意気投合。何かオリジナリティ―溢れる落語が出来ないかと僕が相談を持ちかけて以来、二人の落語創りが始まった。説明書のないオモチャを与えられたような二人はこの会の為毎年、新作落語を創り続けている。和歌山出身同士が創る、これぞ「made in和歌山」の作品の数々だ。
ふたりのネタには大きく分けて二種類ある。
一つは‘和歌山弁落語‘。毎年一本は発表しているので今年で三本出来上がるという事になる。 鬘を被り女装し、振り向けば何処にでも居ているおばちゃん達が主人公。言葉も古い方言ではなく、今使われている和歌山弁にこだわっている。 特に昨年、発表した「親族一同」は地元の皆さんに大変可愛がってもらった。
お葬式を舞台にした話。お通夜で織り成す、親戚同士でありながらおばちゃん達の自慢や嫌味トークの真剣勝負が見物の作品である。お葬式という特異なシチュエーションの為、お年寄りの方々に受け入れられるか心配していたが発表以来、各地の老人会からお呼び頂いた。
この和歌山弁落語は以前、本誌でも紹介頂いたので知っている方も多いとは思うが、昨年南米アルゼンチンに住んでいる和歌山出身の人達の前でも演らしてもらい笑い声と懐かしむ涙を誘った。これもマエオカ氏と出会ったからこそ成し得た事と思う。
そして二種類目は新作でありながら舞台は昔にこだわる‘こっけい話‘の制作。‘こっけい‘とは「そんな事ないやろう!」という事。それを話術ひとつでお客さんに入り込んで貰わないと、笑いも生まれないから力も入る。別に意識しているわけでもないのだが、二人が創ると何故かしら人情話になってしまうのが特徴である。
三年前に初めて発表した「なまず」という話は、あるうどん屋の親父が沼で捕ってきた小さい鯰を飼っているうちに巨大化してしまい地面にのめり込んで大きな地震をもたらす。不気味に揺れる店には誰も来ない。しかたなく最後には解体してその切り身をうどんに乗せ繁盛するという話。本当に不思議な世界であるから僕も大変苦労した作品である。
そして注目の今回は、和歌山弁落語の方は最近至る所のある、スーパー銭湯を舞台した「おばちゃん銭湯記」というお話。電気風呂やらサウナなどをおばちゃん二人が次々入っていく。ハプニング連続で面白い作品に仕上がっています。そしてもう一つは「河童女房」という人情話。何遍も何遍も作り直した力作なので是非これも聞いてもらいたいネタです。
昨年より一ヶ月早い故、練習を繰り上げてやらなければならないのだが、昼間の暑さに頭が沸いてしまい全くはかどっていないのが事実。だから、夜になるのを待ってひとり孤独な部屋で必死漕いで練習している昨今です。
まだ生の落語を観たことないって人も是非来てもらいたい!そして大笑いしてもらいたい!年に一度の独演会はいよいよ開演で~す。自分でいうのもなんですが、これは必見の価値ありやで~
Posted by sisomaru at 2004年12月01日 18:22