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2004年12月01日 | 【 3.月刊『お前だえよ!』 】 |
2001年4月号 恐るべし和歌山ラーメン 味の対決アウェイで圧勝!!
2月の末に、大変興味深い仕事の依頼がテレビ和歌山から僕の所へと舞い込んできた。それは、和歌山の中華ソバ屋さんが福島県は喜多方市で行われる、“ラーメンフェスタ”という全国各地の有名店が集い、味で競い合うイベントに出店するということで、それを取材するということだった。
取材前日、遠足気分の僕はスタッフ約1名と共に大きな荷物を持ち、和歌山を午後2時に出発し、車で関空ではなく伊丹空港から福島空港、そのあとバスや電車を次から次と乗り換えて、目的地“喜多方”には、夜の10時をとっくに過ぎた頃に到着した。
紀和駅みたいな喜多方駅に降り立ってみると、そこは白銀の世界。普段だったらそのままネオン街へ直行というところなんやけど、予想外の長旅に、その日はあっさりと居酒屋で空腹を満たし、ホテルで有料チャンネルを観る事もなく寝て、当日に備えたのだった。
明朝、昨夜以上のドカ雪にびっくりしながらタクシーに乗り込み会場に到着。目に飛び込んできたのが、「味の対決! ラーメンフェスタ」という横断幕。気になるのは、和歌山から一体どこの店が出店しているのだろうか?ということ。
高鳴る胸を抑えながらも開店前の会場へ足を踏み入れたその時、「よ~来たさな~」と耳馴染みのある三重弁。そう、今や傾いた店と味は全国ネットの、“まる豊”の大将である。「えっまたなんで?」と訊ねてみると、喜多方市からの強いリクエストによって、和歌山市から頼まれたというのだ。
大きなテントドームの中に、和歌山、地元喜多方をはじめ、札幌、白河に栃木の佐野と各地の名店が建ち並び、その前には所狭しとテーブルがある。まる豊さんの店はというと、正面には「誰もが知ってる和歌山中華そば、斜めのまる豊」と看板があり、横には市の観光案内の冊子が置いあって、耳をすませば“和歌山ラブソング”が鳴っている。一番びっくりしたのが、まる豊ではお馴染みの斜めを補強する“こぼれん棒”や“傾斜板”を1つのテーブルに並べた“体感コーナー”の存在であった。和歌山の威信をかけてのバトルが今から始まろうとする開店直前、僕は武者震いすら覚えた。
そして、いっきにまる豊の所に行列ができ、他を大きく引き離し、あっという間に40分待ち。そんな状態が延々と続いていくではないか! 食べてるお客さんは、遠い地の評判の味に満足そうである。聞いてみると、喜多方の人は自分たちのラーメンに自信を持っていて、他のラーメンをあまり認めたがらないが、和歌山のを食べてみてその味にカルチャーショックを受け、機会があれば本場へ行って食べてみたいと言う。
とにもかくにも、大評判に一番びっくりしていたのは大将である。予想外の展開に、目の前の行列を見ながら、「めんが足りんさな~」とぼやいてはいるが、目はしっかりと笑っていた…。
Posted by sisomaru at 2004年12月01日 17:41