2011年2月県議会 予算特別委員会 雑賀 光夫 概要記録
201132


1.和歌山県財政の厳しさについて
(1)国政との関係での厳しさとどう向き合うか
  ・地方交付税をめぐる最近の動向について
  ・国直轄担金のあり方について
(2)歴代県政の負の遺産とどう向き合うか
 ・加太菜園の賃貸料について
  ・調停に代わる決定について

2.経済活性化策としての住宅リフォーム助成
(1)耐震補強・バリアフリーなどの補助の件数、金額、目標、受注企業規模
(2)住宅リフォーム助成の広がり状況
(3)なんらかの住宅リフォーム助成の実施を

3.過疎対策と「りら」が果たす役割
(1)真国地区をふくむ「過疎集落総合支援策」について
(2)「小さな村の大きな挑戦」について
  ・全体の取り組みについて
  ・紀美野町での取り組みについて
(3)「りら」をふくめた私学助成について
  ・私立高等学校及び高等専修学校への運営助成について
(4)「高等専修学校」への認知と支援

4.看護師不足問題
(1)看護師不足の実態と「7対1看護」導入の現状は?
  ・看護師不足の実態について
  ・県としてどういう対策をしているか
  ・「7対1」をめざしている病院はいくつあるか
(2)「病院内保育所」の現状は?
  ・病院内保育所の設置状況について
(3)看護師養成施設増設で、看護師不足を解消し、看護師の労働条件改善を
  ・看護師養成施設の新設について

5.「和歌山わいわい市場」育成について
  ・現状について
  ・支援策について

6.学校の国際化について
  ・帰国生徒の入学及び転入学・編入学について

※ 和歌山県発表資料
 「平成23年度当初予算のポイント」


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《質問》 雑賀光夫 委員
 委員長のお許しを得ましたので質問に入ります。
 個々の問題に立ち入る前に、和歌山県財政がかかえる基本的・歴史的な問題について、私なりに整理しておきたいと思います。

1 和歌山県財政の厳しさについて
1)国政との関係での厳しさとどう向き合うか
 ・地方交付税をめぐる最近の動向について
 「三位一体の改革」といわれた小泉財政改革、さらにはその以前からの国の財政政策によって地方財政は圧迫をうけてきました。地方からの批判で、多少のゆり戻しはありましたが、その問題は基本的には変わっておりません。国からの負担金の押し付けもあります。
 そんななかで、国に対して言うべきことをはっきりいうことが求められています。
 提案された予算には、大滝ダム負担金6億円が含まれています。大滝ダムについては、当初の計画から15倍にも予算が膨れ上がっても欠陥ダムしかできなかったのは国の責任ですから、追加負担は国で負担するべきです。私はあのとき「知事は、直ぐに判断せず、一息いれてはどうか」とやわらかい提言をしたのですが、うけいれられなかった。
 「負担しなかったら工事がとまってしまう」などいいますが、「国の責任だから国で負担すべきだ」ときっぱり言うところから、国との交渉がはじまるわけです。この点は、9月県議会でも申し上げましたので、お考えがかわらなければ、今回は答弁を求めません。
 地方交付税をめぐる最近の動向や国負担金のあり方についての知事の見解をお伺いします。


《答弁》 知事
 昨年6月に閣議決定された「財政運営戦略」で、「地方の安定的な財政運営に必要となる地方の一般財源の総額については、平成23年度から平成25年度の期間、平成22年度の水準を下回らないよう実質的に同水準を確保する」とされ、これに基づき、平成23年度の地方交付税総額は、地域活性化・雇用等対策費1.2兆円などの別枠加算により、前年度より0.5兆円多い、17.4兆円が確保されたところであり、これは、政府提案など積極的に国に働きかけた成果と考えている。
 新政権が行った政策の中では当県が不利になるようなことが圧倒的に多いが、この交付税の話だけは平成22年度予算も含めて評価したいと考えている。


・国直轄負担金のあり方について
《質問》 雑賀光夫 委員
 負担金についてはどうですか


《答弁》 知事
 国が責任を持つものは国の負担で、県が責任を持つものは県の負担で行うことが基本である。国に対して早期に直轄負担金を廃止するよう意見を言ってきたが、残念ながらかなえられなかったので、引き続き、廃止を訴えていきたい。


(2)歴代県政の負の遺産とどう向き合うか
・加太菜園の賃貸料について
《質問》雑賀光夫 委員
 第二は、歴代県政の負の遺産の問題です。
 乱脈な同和行政の結果、100億円をこす高度化資金の焦げ付き、一部返済されているものもありますが、数十億円単位の欠損処理がはじまっています。
 コスモパーク加太に象徴される開発行政。莫大な借金をつくった。県は債務保証していなかったものを、銀行の要求を呑んで債務保証してしまった。20億円かけて造成してカゴメに貸した。県民の税金をつかって法外の安い地代で貸し出している。「それでも雇用があるからいいではないか」という議論もあったけれども、カゴメの都合で、一期工事だけで、二期工事はまだはじまらない。三期工事は中止になった。
 こんな中でも、コスモパーク加太の土地を県が高い値段で借り上げる予算が提案されているわけであります。
 知事にお伺いしますが、このままひきつづき、事実上・カゴメへの支援である土地借り上げをつづけていかれるのでしょうか。


《答弁》 知事
 土地の借り上げについては、平成15年の調停に代わる決定に基づき、現在も対処している。
 借りた土地は、雇用がある形で利用すべきで、加太菜園に定期借地権契約に基づき賃貸しており、現在約150名の雇用者がある。
 今後それが増えるよう更に事業が発展してもらいたいと考えている。


・調停に代わる決定について
《質問》 雑賀光夫 委員
 県民の理解は、いっそう得にくくなったとおもいます。
 私は、過去の県政の負の遺産と申し上げました。仁坂知事だけの責任ではない。しかし、過去の県政への反省がなくてはなりません。
 二重の誤りがありました。
 第一は、コスモパーク加太の事業そのものの見通しのあやまりです。
 第二は、木村県政の時代に、銀行から債務保証を求められ、裁判所の「調停にかわる決定」を受け入れたことです。仁坂県政の時代になって、外部監査の意見書が出された。私は、本会議でこの問題を取り上げたのですが、知事は、相矛盾する二つの答弁をされた。
 ひとつは、あのころは銀行に不良債権として処理させ、銀行が公的資金で救済を受ける道があったのではないか。木村知事はどうしてそのことに気がつかなかったのかというご意見です。
 しかし、その一方で「あの時点では、最善の判断であった」といわれた。
 カゴメの事業がうまくいかなくなり、債務保証の時期が、まだ時間があるとはいえ近づいてくる。
 私は、二重の誤りをみとめた上で、この問題に対処しなくてはならないと考えますが、知事のご見解をお伺いします。


答弁 知事
 二重の誤りという指摘については、私はそのように思っていない。
 コスモパーク加太に係る事業については、国家プロジェクトである関西国際空港の埋立用土砂の搬出を伴う地域整備事業であり、その後の大きな社会経済状況の変化に対する見通しの甘さがあったかもしれないが、議会とも協議しながら、当時としては最上で適正な処理が行われたものと考えている。
 調停に代わる決定の受け入れについては、地域の金融機関への甚大な影響により、県経済にも大きな混乱が予測されるなかで、調停に代わる決定を受け入れたもので、混乱の防止という目的を十分に果たしていると考えている。
 大事なことは、現在置かれている状況の中で最善を尽くすことであり、この間題については、新行財政改革推進プランにおいて対処を明らかにしている。仮にそれがおかしい、違う方法がいいのであれば、徹底的に議論していただければと考えている。


《意見》 雑賀光夫 委員
 土地開発公社の失敗の穴埋めを県民に押し付けることは許せない。しかし、負の遺産を背負っていかなくてはなりませんから、担当課のみなさんには、企業誘致や土地売却などでがんばってほしいと思います。
 同じことは、乱脈な同和行政の負の遺産である「高度化資金」の焦げ付きの問題でも、事実上の同和行政の継続である特定の子ども会への法外な補助金を出し続けている問題を、これまでも指摘してきました。これでは「過去の負の遺産だからやむを得ない」とはいえないということを申し上げて、次に移ります。


2.経済活性化策としての住宅リフォーム助成
(1)耐震補強・バリアフリーなどの補助の件数、金額、目標、受注企業規模
《質問》 雑賀光夫 委員
 いままで財政が厳しいことを強調してきましたが、今年度の予算には、もうひとつの側面があります。それは、国は借金財政の中ではありますが、景気対策の補正予算を相次いで組んだ。自民党政権時代の麻生内閣から今日の菅内閣にまでつづいています。また、「三位一体」改革への地方からの批判があって地方交付税も増額された。こうしたことを反映した補正予算では、さまざまな基金を積んだ上に、「新行財政改革プラン」の財調・県債管理基金の残高は、23年度末には22億円とされていたものが、200億円まで積みあがっています。
 こうした条件の中での、当初予算であります。
 どこにいっても「仕事がない」という悩みがきかされます。そのなかで、経済対策のために財源を、どう有効に使うかが問われます。予算の執行は、県民のニーズにあったものでなくてはなりません。同時に、経済対策、とくに地域の地場産業や商店などに仕事やお金がまわるようにしなくてはならない。
 私は、景気対策として、住宅リフォーム助成制度を提案してきました。当局は、「耐震補強やバリアフリーへの補助でいきたい。」という意向でした。それも大事なことです。しかし、経済対策として、どれだけの規模で、中小零細な企業・職人さんにどれだけ仕事がまわるのかという観点からも検討しなければなりません。
 第一 耐震補強、バリアフリーへの補助で、何件の事業がおこなわれたでしょうか。目標は何件になっていますか。それぞれの工事の規模および受注した企業の規模はどうなっていますか。


《答弁》 県土整備部長
 平成21年度で耐震は61件、目標210件、平均220万円、バリアフリーは158件、平均45万円である。ほとんど県内の小規模な法人、個人事業者の受注である。


(2)住宅リフォーム助成の広がり状況
《質問》 雑賀光夫 委員
 第二 わたしが提案する住宅リフォーム助成については、いま、全国に広がりつつあると思いますが、広がりと経済効果をどのように把握しておられるでしょうか。県土整備部長の答弁を求めます。


《答弁》 県土整備部長
 秋田県のみと把握している。
 経済効果は、具体的に把握していない。
 特定目的の住宅リフォーム制度の都道府県実施状況は把握している。


(3)なんらかの住宅リフォーム助成の実施を
《質問》 雑賀光夫 委員
 和歌山県でもさまざまな助成制度がなされているが、経済対策としては今ひとつです。
 耐震補強、バリアフリー、「空き家」、エコ、紀州材、さまざまな助成制度があるが「点」になっている。
 田舎に行くと、ある家が「お風呂を直したよ」というと、隣の家も「うちもやろうか」となって、3軒、4軒と広がっていく。それを進めるために、高齢者とか地震とか空き家とかのワクをはずして制度をつくったところで、うねりになって、経済対策として効果が上がっている。
 岩手県・宮古市の報告によると、20万円以上の工事に10万円の補助という、たいへんシンプルな制度。30万円、40万円の工事が多く、地元の大工さんや左官屋さんにしごとがまわっている。
 明石市の例によると、抽選で、工事費の10%、最高10万円という、宮古市とくらべるとたいへんささやかな補助金ですが、それでも経済効果があがっている。
 さまざまな制度設計がある。エコポイントとおなじ景気対策ですから、時限的なものも考えられる。予算の限度を決めて、抽選できめる、先着順で打ち切りということも考えられる。
 県で上限5万円の補助を出し、市町村が5万円補助すれば10万円、3万円だせば6万円という制度設計をしたらどうだろうかとも考えます。これは一例です。さまざまな制度設計が考えられます。
 これは県土整備部だけで考える問題ではありません。景気対策です。これこそヘッドクォーターということで、知事のイニシアティブで、検討する気はありませんか。


答弁 知事
 検討は常にしている。


《要望》 雑賀光夫 委員
 これからでも実施できるように、さらに検討してください。


3.過疎対策と「りら」が果たす役割
(1)真国地区をふくむ「過疎集落総合支援策」について
《質問》 雑賀光夫 委員
 次に、過疎対策と「りら」が果たす役割に入ります。
 県の人口が100万人を割ったことは、昨年来、本会議でも多くのみなさんが指摘されました。地域では、「限界集落」といわれ、過疎地の「町おこし」「村おこし」が、焦眉の課題になっています。
 12月県議会では、「りら創造芸術高等専修学校」の取り組みを紹介し、企画部長からも、高い評価と期待がかたられました。
 県は、「りら」がある紀美野町真国地区をふくめたいくつかの地域を指定して、「過疎集落支援総合対策」をすすめておられますが、先ほど、野見山委員にお答えいただきましたので、真国地区にかぎって、とりくみ状況を、企画部長にお伺いします。


《答弁》 企画部長
 真国生活圏では高齢者のいきがい対策や鳥獣害対策、また、芸術を核とした地域活性化策などについて地域住民の方々や関係団体が主体となり、また県も参画して話し合いを重ねているところである。
 広い意味でのまちづくりは、いろいろな地域との差異というか、個性が必要である。
 「りら」の活動は非常に特徴があるので、これを積極的に活用していきたい。
 今後とも11生活圏の事業計画の策定に鋭意取り組むとともに、より多くの生活圏で取組んでいただけるように働きかけていく。


(2)「小さな村の大きな挑戦」について
・全体の取組について
・紀美野町での取組について
《質問》 雑賀光夫 委員
 真国地域では、世界民族祭とともに、今年の1月23日、県教育委員会が主催して、「小さなムラの大きな挑戦」と題する地域づくりの実践交流集会が開かれたそうです。私は、後になって、りらの校長先生からお話をききました。
 県下的にもこういう集会が開かれているようですが、全体のとりくみ、とくに紀美野町でのとりくみについてお聞かせ下さい。


《答弁》 教育長
 教育委員会では、地域課題の解決や地域活性化の基盤作りを進めるため、平成19年度から、「生涯学習“繋”パーソンねっとわーく事業」を実施している。
 今年度は、県内4ブロックで教育支援事務所が中心となって、それぞれの地域の実情に即したテーマにもとづき、実践交流会を行った。
 「りら」の取組は、この取組の紀北の部の事業として実施されたもので、当委員会からも関係者が参加した。
 過疎化、高齢化が進むこの地域では、何とかふるさとを元気にしたいという地域の人たちの熱い思いと、山上校長の芸術をとおして子ども達を元気にしたいという熱い思いがつながり、「世界民族祭」等、地域と学校が一体となった取組が進められている。
 当日は、約100名の参加があり、山上校長の講演や「りら」の生徒による発表の後、自分たちの住んでいる地域をいかに元気にするかをテーマに地域の方々と高校生達が一緒になって、グループでの話し合いが行われた。
 参加者は、温かく、かつ、熱い雰囲気の中で交流を深めながら、改めてこの学校が地域の人たちに支えられていること、また、地域の人たちが、この学校を中心として繋がり、元気になっていること、地域作りの中で学校が果たす役割や可能性を強く感じる交流会となったものと考えている。


(3)「りら」をふくめた私学助成について
・私立高等学校及び高等専修学校への運営助成について
《質問》 雑賀光夫 委員
 地域で期待をあつめている「りら」ですが、学校経営はたいへんです。
 学校納付金は、他の私学とくらべても高い。和歌山県の私立高校、「りら」のような、高等専修学校の運営助成は、それぞれどうですか。


《答弁》 総務部長
 平成23年度当初予算案では、高等学校(全日制)は生徒一人当たり32万7,970円で積算した金額を、高等専修学校は生徒一人当たり3万円で積算した金額を予算計上している。
 高等学校への補助に対しては、国による財政措置があり、生徒一人当たり、国庫補助金として5万2,905円、地方交付税として25万5,900円が措置される予定である。


(4)「高等専修学校」への認知と支援
《要望》 雑賀光夫 委員
 お答えいただいたように、私立高校への運営助成は、一人あたり33万円。高等専修学校への運営助成は、国では組まれていない。県単で、高校の10分の1、生徒一人当たり3万円だしているとお答えいただきました。
 その上、りらの生徒数は30数人ですから、一人3万円というのは、たいへん少ないのです。国に要望することもふくめて、手作りですすめている学校への支援をお願いしておきたい。


4.看護師不足問題
1)看護師不足の実態と「7対1看護」導入の現状は?
・看護師不足の実態について
《質問》 雑賀光夫 委員
 ある病院の看護師のみなさんと懇談しました。看護師不足と悪い労働条件の悪循環になっていると感じました。
 看護師不足がいわれて久しいが実態はどうでしょうか。


《答弁》 福祉保健部長
 第六次看護職員需給見通しでは、平成22年末で、711人の看護職員が不足すると見込んでいる。


・県としてどういう対策をしているか
《質問》 雑賀光夫 委員
 県としてどういう対策をしておられるのでしょうか。


《答弁》 福祉保健部長
 看護学校養成所に対する運営費の補助や看護学生を対象とした修学資金の貸与、また、ナースバンク事業による就業の斡旋、離職防止のための病院内保育所の設置促進に取り組んでおり、平成22年度からは、看護師等の有資格者で、就業していない潜在看護職員の復職に向けた臨床実務研修を行う、潜在看護職員復職支援事業を実施しているところである。


・「7対1」をめざしている病院はいくつあるか。
《質問》 雑賀光夫 委員
 各病院の看護師確保の基準として、「10人当たり1人」「7人当たり1人」という基準があります。「7対1」の病院、めざしている病院は、いくつありますか。


《答弁》 福祉保健部長
 平成22年度は13病院あり、今後、新たに5病院が導入を予定していると聞いている。


(2)「病院内保育所」の現状は?
・病院内保育所の設置状況について
《質問》 雑賀光夫 委員
 「7対1」になるとか診療報酬がアップするわけですが、看護師を確保しての基準を達成した病院では、残業が減って年休がとりやすくなったとお聞きしました。ところが、基準を達成するために病棟の一部を閉鎖した病院などでは、いっそう矛盾がひどくなっているともお聞きしました。根本は、看護師さんをどれだけ確保できるかにあるわけです。
 「10対1」という基準しか達成できていない病院では、「二人夜勤」をせざるをえない場合が多い。この「二人夜勤」は、看護師のみなさんにとってはたいへん大きな負担になっています。
 看護師さんの勤務条件改善のためには、病院内保育所の確保が、たいへん大事になっています。病院内保育所の設置状況と見通しをお伺いいたします。


《答弁》 福祉保健部長
 病院内保育所は29病院に設置され、設置率は31.5%である。
 看護職員の子育てに伴う中途退職を防ぐ離職防止対策として、病院内保育所の設置は効果が大きいことから、民間等の病院に対し、施設整備や運営に対する補助を行っているところである。
 引き続き看護職員が安心して働ける環境づくりのため、病院内保育所の設置促進に取り組んでいく。


《要望》 雑賀光夫 委員
 院内保育所については、公立病院には、県として補助金はつけられないという説明がいつもあるのですが、奈良県では県単独で補助をしているとお聞きしました。検討していただけるように要望いたします。


(3)看護師養成施設増設で、看護師不足を解消し、看護師の労働条件改善を
・看護師養成施設の新設について
《質問》 雑賀光夫 委員
 最後に知事に質問ですが、看護師不足解消のためには、看護師の勤務条件を抜本的に改善する必要がある。看護師さんを確保して、2人夜勤を3人以上夜勤にする。院内保育所をつくる。そうなってこそ、看護師の退職が減り、退職した看護師の復職もある。
 悪循環を好循環に転換する必要がある、そのためには看護師を増やす必要があると思います。本会議で日高地方でという要望もありました。それも含めて、看護師養成施設の新設は急務だと思いますが、いかがでしょうか。


《答弁》 知事
 安心・安全で質の高い看護を提供するためには、看護職員の充足をはかり、勤務環境を改善することが必要であると認識している。
 新たな看護師養成所の設置は、一般質問でもお答えしたように、学生や専任教員の確保、実習施設の確保等の課題もあるが、看護師不足や勤務環境の厳しさの声も聞くと、養成所の設置も視野に入れた看護職員の確保対策が必要であると考えている。


5.「和歌山わいわい市場」育成について
・現状について
質問》 雑賀光夫 委員

 インターネットで農産物を販売する「ふるさと和歌山わいわい市場」というものがあります。大きな成果を挙げているとお聞きしています。
 現状についてお聞かせ下さい。


《答弁》 農林水産部長
 売上、アクセス数ともに順調に伸びてきている。また、「和歌山わいわい市場」の自主採算運営を目指し、平成21年4月に料金体系を見直すなど収支バランスを図っている。


・支援策について
《質問》 雑賀光夫 委員
 ネット販売というものは、大きな可能性を持っていると思います。
 その上に、「ふるさとわいわい市場」は、立ち上げたときから、大きな強みをもっています。
 民間運送業者との契約があって、近畿でいえば送料が一律400円、その運送会社の一般の送料は、ミカンのダンボール程度のもので1,790円もかかるといいます。
 ところが、過去一年間は、こうしたメリットを生かして、「わいわい市場」を広げる研修会などはなかったと利用者の方から伺いました。
 330万円あった補助金を100万円に減らして、この事業を推進できるのでしょうか。県として業者まかせでなく、この事業を推進する必要があると考えますが、いかがでしょうか。


《答弁》 農林水産部長
 県の様々な事業を積極的に活用したPRをはじめ、出店者の売上げを高めるための研修会の開催などソフト面の支援を強化していく。


6.学校の国際化について
・帰国生徒の入学及び転入学・編入学について
《質問》 雑賀光夫 委員
 「国際人育成プロジェクト」が計上され、知事からもご説明がありました。「実践的な英語力の向上」というのは、大事なことでございます。ただ、いいことであっても一律の押し付けにならないように、学校の自主性を尊重してすすめていただきたいと要望しておきます。
 ところで、国際化の時代に、さまざまな状況のなかで、海外の学校で学んでいる日本の子どもたちがいる。現地の学校にいっている場合、インターナショナルスクールで学んでいる場合、日本人学校で学んでいる場合もある。両親が海外にとどまるんだけれども、高校教育は日本で受けさせたいという場合がある。
 和歌山県の高校受験には、「保護者が和歌山県内にすんでいること」という条件が必要とされるわけです。両親が海外に居住していたとしても、日本国籍をもった子どもが、おじいちゃんのところに帰ってくれば、日本での保護者はおじいちゃんであり、子どもは和歌山県民ではないかと思います。
 こうした子どもたちの受け入れについては、もうすこし弾力的であってもいいかなと思うのですが、いかがでしょうか。


《答弁》 教育長
 県立高等学校への入学及び転入学・編入学については、現行では、本人と保護者が県内に居住することが条件となっている。
 国際化が進む中で、帰国する生徒については、個々の様々な状況を考慮して、保護者が子どもの就職や進学を心配せず、安心して海外勤務等ができるように、入学や編入学の機会を拡大する等、柔軟に対応するよう検討していく。


◇ 付託議案に対する採決

議案第 1号 平成23年度和歌山県一般会計予算
議案第 3号 平成23年度和歌山県中小企業振興資金特別会計予算
議案第 7号 平成23年度和歌山県営競輪事業特別会計予算
については賛成多数で原案可決
日本共産党雑賀光夫委員は反対。 雑賀県議の議案に対する反対討論

議案第 2号 平成23年度和歌山県農林水産振興資金特別会計予算
議案第 4号 平成23年度和歌山県母子寡婦福祉資金特別会計予算
議案第 5号 平成23年度和歌山県修学奨励金特別会計予算
議案第 6号 平成23年度和歌山県職員住宅特別会計予算
議案第 8号 平成23年度和歌山県営港湾施設管理特別会計予算
議案第 9号 平成23年度和歌山県流域下水道事業特別会計予算
議案第10号 平成23年度和歌山県市町村振興資金特別会計予算
議案第11号 平成23年度和歌山県自動車税等証紙特別会計予算
議案第12号 平成23年度和歌山県用地取得事業特別会計予算
議案第13号 平成23年度和歌山県公債管理特別会計予算
議案第14号 平成23年度和歌山県立こころの医療センター事業会計予算
議案第15号 平成23年度和歌山県工業用水道事業会計予算
議案第16号 平成23年度和歌山県土地造成事業会計予算
については全会一致で原案可決

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11年2月予算特別委員会、雑賀光夫質問=3月2日、和歌山県庁
知事の答弁を聞く、雑賀光夫委員=3月2日、予算特別委員会