2011年9月県議会 総務委員会 松坂英樹委員の質問概要記録
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
9月22日(木)


《質問》 松坂英樹 委員
 災害査定のスピードアップについて聞きたい。
 今回の追加補正によって、インフラ復旧や県民生活の再建に、県庁挙げて、県民挙げて取り組んでいる。災害現場で奮闘している地元業者から話を聞くと、平時では考えられないような膨大な災害復旧の工事、量をこなさなければならないので、大変な事態であるとのこと。
 今は非常時なので現場の測量設計はじめ事業化に向けて、煩雑な手続きの思い切った簡素化を求められていると思うが、町や振興局も、復旧するために、簡素化とスピードアップにとても協力し知恵を絞っている。
 ところが、国の災害認定は大体2ヶ月程度かかっている。東北でもかなり苦労していると聞くので、手続きに何ヶ月もかかっていたら間尺に合わない。県土整備部、農林水産部など復旧工事の現場と、国の担当者との問題にせず、県庁挙げて国に対して災害認定、採択のスピードアップを迫っていくべきだと思うが、どうか。

《答弁》 企画総務課長
 今回の台風12号に伴う災害から一刻も早い復旧を目指すために、13日知事が上京し、激甚災害の早期指定、公共土木施設の早期復旧、今後の復旧に大きな役割を果たす高速道路のネットワーク等の8項目からなる「緊急要望」を行ったところである。
 その結果、激甚災害指定について、国は異例の早さで20日には閣議決定し、26日には公布という対応をしている。今後の災害の早期採択についても、国としても被害の甚太さを理解し、前向きに取り組んでもらえると考える。

《要望》 松坂英樹 委員
 激甚災害の指定は、早くやってくれて良かったと思う。この調子で採択や認定を強く国に働きかけてほしい。
……………………………………………………………………………………………………………………
《質問》 松坂英樹 委員
 津波防災の日制定記念ということで「稲むらの火」のシンポジウムが、今回補正予算化されており、歓迎するものである。日も近いこともあり、どのようなシンポジウムを計画しているのか、計画の概要について示されたい。

《答弁》 文化国際課長
 津波防災の日制定記念「稲むらの火」のシンポジウムについては、11月5日に和歌山市で開催する予定で進めている。内容としては、関西大学社会安全学部教授で東日本大震災復興構想会議委員の河田惠昭教授や、被災地である岩手県の沼崎山田町長などをお迎えして、津波防災に関するパネルディスカッションを実施する予定である。
 それから、同時に国(内閣府)が、東京でシンポジウムを開催する予定であるので、そちらとの連携も検討しているところである。
……………………………………………………………………………………………………………………
《質問》 松坂英樹 委員
 議案第103号県税条例の一部改正案には証券優遇税制の延長が盛り込まれている。制度導入及び延長時においても、この制度を「金持ち減税」だとして反対してきた。本来、上場株式の配当と譲渡益に係る税率は、国税と合わせて本則税率で20%、これが優遇措置で半分の10%に軽減されている。この軽減措置により全国で年間1000億円の住民税の減収が発生しており、制度の廃止の声も上がっている。2010年の税制改正大綱で、今後は所得税の累進性が弱まっているから、株式譲渡益や配当課税の税率の見直しに取り組むと言っておきながら、今回も延長することになったと思っている。
 和歌山県において、今回の証券優遇税制により年間いくらの県税が減収しているか、影響額を示されたい。

《答弁》 税務課長
 平成22年度の税収ベースで、約4億5000万円程度の減収となっている。

《質問》 松坂英樹 委員
 厳しい県財政にとっても大きな額で、この減税の対象は、株取引で利益を上げたり、配当を受けた一握りの高額所得者が大部分を占めている。一方、庶民のわずかな貯金の利子にも20%課税されているのと比べると、問題があると考えている。
 地方は、配当や株式譲渡益の税率について、知事会を通じて、国に対し意見を提示していたが、どのような内容か。

《答弁》 税務課長
 住民税は地方の基幹税目となっている。利子、配当、株式等の譲渡益に対する住民税は、現在、本則税率5%の分離課税になっているが、総合課税と同じ10%に見直すよう要望している。

《質問》 松坂英樹委員
 地方の税財源確保の観点から、その趣旨は理解できる。今後とも、国に対し要望してほしい。また、この証券優遇税制の延長は、これ以上続けるべきものではなく、議案には反対する立場を表明するものである。

◇ 請願の採決
議請第2号 「行政書士に行政不服審査法に係る不服審査手続きの代理権の付与を求める意見書に
      ついての請願
は、採択と決定

※ 他の常任委員会の審議・採決が終わっていないため、22日は採決を行わず散会とし、次回の
  委員会は、9月27日の本会議休憩時に開催することに決定

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
9月27日(火)


◇ 議案に対する採決
議案第103号 和歌山県税条例の一部を改正する条例
は、賛成多数で原案可決
日本共産党松坂英樹委員は反対。→松坂英樹県議の議案に対する反対討論

議案第101号 平成23年度和歌山県一般会計補正予算
議案第104号 和歌山県の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
議案第118号 平成23年度和歌山県一般会計補正予算
議案第120号 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
は、全会一致で原案可決

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

2011年9月議会    松坂英樹プロフィール、質問一覧    松坂英樹ブログ