2013年2月県議会 福祉環境委員会 奥村規子委員の質問概要記録

・2月22日 補正予算等議案
3月12日 付託議案等審査

【2月22日 補正予算等議案】
〔環境生活部〕
《質問》奥村規子 委員
 青少年女性政策総務費で641万2000円減額ということになっている。これは人事異動に伴う人件費の補正と説明しているが、もう少し説明いただきたい。

《答弁》 青少年・男女共同参画課長
 人件費については、平成23年度の人員に基づき平成24年度の人件費予算を積算しており、それが人事異動により人員構成が変更され、給料額も変わってくる。また、職員の1名減員があったので、それらにより人件費が確定したことに伴う減額である。

《質問》奥村規子 委員
 1名減員したということは業務を効率化したということか。

《答弁》 青少年・男女共同参画課長
 業務の効率化を初め行政改革等全般的な取組により減員したものである。

《質問》奥村規子 委員
 減員分の職員はどのような業務を担当していたのか。

《答弁》 青少年・男女共同参画課長
 当課で1名減員になったわけだが、課全体の業務が減ったわけではなく、現状の職員で業務を行っている。

《質問》奥村規子 委員
 県民にとって不都合はないと理解してよいか。

《答弁》 青少年・男女共同参画課長
 そうである。
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議案に対する採決
議案第17号 平成24年度和歌山県一般会計補正予算
は、全会一致で原案可決


〔福祉保健部〕
《質問》奥村規子 委員
 老人福祉施設の整備が多額の減額ということになっているが、それの主な内容はどんなことか。

《答弁》 長寿社会課長
 減額の主な理由としては、当初、市町村で整備する認知症高齢者グループホームを18施設予定していたが、それが3施設となったことである。

《質問》奥村規子 委員
 事業者から申請がなかったということだと思うが、3施設はどこの市町村か。

《答弁》 長寿社会課長
 上富田町、みなべ町、白浜町である。

《質問》奥村規子 委員
 今、核家族とか地域でひとり暮らしをしている高齢の方が多く、認知症というような状況もある中で、ご近所の方に支えられて暮らしている方も多い。身近な地域の中にグループホームなどの施設をたくさん造っていくことが大事なことだと思うが、和歌山市がその中には入っていない。特に和歌山市は人口も多いと思うが、その点をどう考えているか。

《答弁》 長寿社会課長
 当初、和歌山市も計画しており、いろいろな事情があったと思う。和歌山市にも整備計画があるので、できるだけ設置するように働きかけていきたい。

《要望》奥村規子 委員
 ぜひ、県からも積極的にしっかりと働きかけをお願いしたい。
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《質問》奥村規子 委員
 こころの医療センター事業運営指導について、入院患者の減少による医療収益の減とあるが、入院患者の減少は良いことと受けとめればよいのか。

《答弁》 医務課長
 今回は入院患者の減少に伴い補正をお願いしているが、入院患者が減少することは社会復帰ができるということであれば良いことであると考える。

《要望》奥村規子 委員
 精神科救急も積極的に取り組んでいる中で、入院患者が減少する場合もあると思うが、社会復帰を多く進めていくということを考えると、収入面では難しい課題ではあるが、よろしくお願いする。

《質問》奥村規子 委員
 債務負担行為の設定で給食調理業務の委託があるが、その委託の目的は何か。

《答弁》 医務課長
 平成25年度から給食調理業務を一部委託させていただきたく、準備期間が必要なため債務負担をお願いするもので、今までは現業の調理員と非常勤職員で給食業務を行っていたが、非常勤職員の確保が困難であること、外部委託できるものについては、できる限り外部委託を検討するという方針もあり、一部委託させていただきたい。

《質問》奥村規子 委員
 非常勤職員の確保が困難であることが一番の委託理由か。

《答弁》 医務課長
 非常勤職員の確保が困難であることと、外部委託できるものについては、できる限り外部委託を検討するという方針の両方である。

《質問》奥村規子 委員
 給食業務を行う職員の構成は、どのようになっているか。

《答弁》 医務課長
 2月現在で、現業職員8名、再任用職員1名、非常勤職員3名、アルバイト職員が3名の計15名である。
 25年度は、現業職員が2名退職し6名となり、再任用職員は1名で、計7名である。

《質問》奥村規子 委員
 正規職員の身分保障はどのようになっているか。

《答弁》 医務課長
 正規職員として引き続き業務を行う。

《質問》奥村規子 委員
 病院給食は治療の一環として非常にきめ細やかな給食を提供しなければならない中で、一部委託するより、直営で行ってほしいと考えるが、具体的に給食の提供がどのような区分で行われるのか。

《答弁》 医務課長
 1日3食、給食を提供しているが、朝食は職員が調理し、昼食・夕食については一部委託する。
 また、栄養面や嚥下食など患者に応じた食形態をとる必要のあるものについては、こころの医療センターの管理栄養士が十分指導していくので、患者への影響は少ないと考える。

《質問》奥村規子 委員
 食材は受託業者が調達するのか。

《答弁》 医務課長
 そう考えている。

《要望》奥村規子 委員
 こころの医療センターのある場所は農業が行われている地域の中で、地産地消など、こころの医療センターならではの給食を提供する環境もあるのではないかと考える。また、患者の状態が変わるなど様々な状況があると思う。救急患者の受け入れを多くしていく中では、きめ細やかな給食提供が必要になってくると思うので、委託業務より直営のほうがよいと思う。
 給食の質を落とさないことも含めて、考えてもらいたい。
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議案に対する採決
議案第17号 平成24年度和歌山県一般会計補正予算
は、全会一致で原案可決
議案第29号 平成24年度和歌山県立こころの医療センター事業会計補正予算
は、賛成多数で原案可決
日本共産党奥村規子委員は反対 → 奥村規子県議の補正予算に対する反対討論


【3月12日 付託議案等審査】
〔福祉保健部〕
《質問》奥村規子 委員
 生活保護についてお伺いする。地域でよく意見をもらうが、特に年金生活者から、経済状況について今の年金の収入の中では暮らしが厳しいという声があることを、以前にも何度かこの委員会でも申し上げた。
 その一方で、国保料が高い、介護保険料等負担が多いなかで、何を削るかといえば食料費を切り詰めている、また医療機関に受診するのを我慢しているという実態があるのではないかと思っている。
 この制度の利用率、捕捉率が低いといわれているなかでの、県としての対応をどう考えているか。

《答弁》 福祉保健総務課長
 持に、老齢年金だけでは生活が厳しい方もいると思っている。そういう方についても、年金だけでなくて他に今までの預貯金があったり、資産収入があったり、子ども等扶養義務者からの扶養援助してもらっている方や、都市部、農村部では生活実態がそれぞれ様々であると思っている。
 最後のセーフティネットとして県としては、真に生活困窮者には漏給防止、すなわち生活保護に漏れないように、申請の意志のある方に対しては、援助指導、生活相談等を含めて指導監査等などを通じ、漏給防止について実施機関に徹底を図っている。

《質問》奥村規子 委員
 生活保護という最後のセーフティネットまでに、国保や介護保険などの事前の施策を充実させていくことが、本来大事なことだと思っている。
 そういう状況のなかで、芸能人の母親の保護受給の報道キャンペーンがあり、生活保護を受給するのが忍びないといった雰囲気が全国的に出ていると思う。申請の意志のある人に対して生活保護の前段階で県行政と各市町村で温かい取り組みをぜひしていただきたい。生活に困窮された方の把握のための、関係部局・機関等との連絡・連携体制の強化の徹底について厚生労働省から各市町村に平成24年2月23日付で通知が出されていると思うが、具体的な取り組みや状況はどうか。

《答弁》 福祉保健総務課長
 まず、それぞれの地域の役場等の相談窓口で対応している。さらに市町村とも連携をとりながら、見守り体勢の充実強化、また、地域の民生委員に、民生委員協議会の研修会等を通じて、それぞれきめ細かい生活相談をお願いしているところである。

《質問》奥村規子 委員
 電気、ガス、水道が使えず、止まっているケースについてはどのように把握しているか。

《答弁》 福祉保健総務課長
 受給者及び生活困窮者については、役場等を通じ各実施機関で実態把握に努めているところである。

《要望》奥村規子 委員
 この制度の周知徹底をお願いしたい。もっと理解できるように行政として温かい気持ちを持ってやっていただきたい。また、生活保護の前のセーフティネットの制度も、充実させるということでよろしく願いたい。
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《質問》奥村規子 委員
 社会福祉法人と連携した自立支援プログラムについてお伺いする。社会福祉法人でボランティアをするという事業であるが、どのような方が対象か。
 また、そのなかで働く意欲について、どのように確認するのか。何人ぐらいを考えているのか。

《答弁》 福祉保健総務課長
 現に就労意欲のある方については、配置している就労支援員とハローワークに訪問して支援しているところである。
 この事業では、就労意欲の乏しい方、社会とのつながりが少なかった方のサポートとして事業を実施する。ケースワーカーがそれぞれ各家庭を訪問して本人の意思確認をする。社会とのつながりを持ち、就労意欲を持っていただくことを目的として、今年度は約70名を予定している。

《要望》奥村規子 委員
 この事業を実施する際には、非常にきめ細やかな支援が必要であると思う。追い立てられて働かないといけないとするのではよくない。意欲がないのか、精神的なものを抱えているのか、健康上の問題なのか、微妙な状況があるのだと思う。
 また、社会福祉法人のところでボランティアをするだけでなく、賃金が確保できるようないろいろな支援をしていただきたい。その実情をケースワーカーが一番よく把握していると思うので、一人一人の状況を把握するための体制をとり、それぞれ粘り強く支援されたい。
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《質問》奥村規子 委員
 子供を持ちながら、高齢者の介護が必要な家庭や共働き家庭が増加している。
 子供にとっては長時間、放課後児童クラブで保育されることが決してよいと思っているわけではないし、働く環境も改善していかねばならない。
 しかし、看護師のように夜間や交代制のような多様な勤務がある今の状況のなかでは、放課後児童クラブはなくてはならない。
 放課後児童クラブにについて、現在どのくらい取り組み、今後どのように取り組んでいくのか。

《答弁》 子ども未来課長
 放課後児童クラブは、共働き家庭などの留守宅児童の健全育成と、仕事と子育ての両立を支えるために必要であり、ニーズも高い。クラブ数は、和歌山市も含め、平成22年度は156ヵ所であったところ、平成24年度は175ヵ所と着実に増加している。
 ニーズが高いことから、平成25年度当初予算も増額している。放課後児童クラブの整備補助では、創設が5ヵ所、備品購入が2ヵ所となっており、クラブの運営に係る補助も行っている。今後もニーズは高くなると思われ、県としてはその要請に応えていく。

《要望》奥村規子 委員
 若い親が安心して働ける環境づくりに力を注いでほしい。
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《質問》奥村規子 委員
 母子家庭等就業自立支援事業について、この事業は資格を取得するものであるが、現状はどのような取り組みをしているのか。また、予算額も平成25年度は減額となっているが、その理由は何か。

《答弁》 子ども未来課長
 母子家庭等就業自立支援事業については、ほとんどが高等技能訓練促進費となっている。これは、資格取得期間中の生活費の一部を助成するものである。
 平成24年度予算額は、1億1308万円であった。平成25年度予算額は、2261万2000円と大きく減額しているが、事業を縮小したということではない。
 平成24年度までは「安心子ども基金」があり、平成25年度は、この基金が全額国庫補助となる。基金の場合は、市への補助金がいったん県の予算に入り市に支払うが、これが全額国庫補助となれば、市の分は直接国から市へ支払われるので、大きく減額している。
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《質問》奥村規子 委員
 介護保険制度の同居家族がいる場合の生活援助について、90歳の女性の方が今まで要支援1で家事援助のサービスを受けていたが、家事援助は同居家族がいるので駄目といわれて、寝込みがちになっていったという事例をお聞きした。
 同居家族がいる場合の生活援助について、やむを得ない事情があると判断するのは、現場ではなかなか難しいと思うが、和歌山市ではマニュアルを作成し、ケアマネジャーもそれに沿って判断していくなか、そのマニュアルが非常にサービスを受けにくいようなものになっていると思う。そのマニュアルには、同居家族が忙しい、仕事、育児、本人が家族に遠慮があって頼みにくいといったことでは、日常生活援助の対象にならないと書かれている。県としては各市町村にどのような指導をしているのか。

《答弁》 長寿社会課長
 訪問介護で同居家族がいる場合の生活援助については、国で基準が定められており、単身の世帯に属する利用者または家族若しくは親族と同居している利用者であって、当該家族等の障害、疾病等の理由により、当該利用者または当該家族等が家事を行うことが困難な場合であるとされている。以前にも同居家族がいれば一律に生活援助は駄目だという市町村もあったようで、同居家族がいることのみを判断基準として一律に可否を機械的に判断しないように国から通知も出されている。また併せて、家族等の障害、疾病等の理由のなかには、障害、疾病等がなくても同様のやむを得ない事情により家事が困難な場合を含み、その判断にあたっては個々の利用者の状況に応じて具体的に判断することとされている。こうした通知は平成19年、20年、21年に出されており、各市町村に主旨の周知徹底を図っているところである。
 和歌山市のマニュアルについては、具体的な中身を把握していないが、国の通知の主旨を踏まえ、和歌山市から話を聞く中で必要があれば助言を行いたい。

《要望》奥村規子 委員
 「個々の利用者の状況に応じて適切に判断されたい」という国の通知の解釈や具体的な対応について、現場で困るという現状があると思う。県としても介護保険の趣旨に沿って、高齢者が快適な介護を受け、生活が維持できるように、助言や指導をお願いしたい。
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《質問》奥村規子 委員
 保健医療計画のなかに基準病床があり、和歌山県は基準病床以上に病床があることは資料でわかるが、実態として、医療行為の必要な人が最近10年間で、特別養護老人ホームに入所されるのが多くなっていると思う。特別養護老人ホームでは、看護師が夜勤できる体制になっていないなかで、喀痰(かくたん)の吸引が必要であるとか、入所者が以前より重症化しているという実態があると思う。
 特別養護老人ホームは、部長の説明でもまだ不足しているということだが、今後どのように考えているか。

《答弁》 長寿社会課長
 特別養護老人ホームはまだ不足しており、今年度は137床整備し、平成25年度も137床整備する予定である。
 特別養護老人ホームにおける医療ケアの関係については、介護職員がたんの吸引等の一定のケアができるといった法律改正があり、医療関係者との連携や、安全を確保した上で、たんの吸引等の行為ができるようになっているし、そのための研修も平成23年度から実施している。
 また、特別養護老人ホームだけで、医療ケアが必要な高齢者の支援をできるわけはなく、在宅でも医療と連携しなければならないということで、平成23年度から、医療と介護の連携事業を実施しており、在宅医療でも充実が必要な部分があり、介護の方でも平成23年度から訪問看護支援事業を実施している。今後も、医療と介護の連携を進めていきたいと考えている。

《質問》奥村規子 委員
 医療計画のなかに基準病床数の記載があるが、和歌山県の場合、新しく病床を作ることはできない。
 現状では特別養護老人ホームに入らざるを得なくて重症化している高齢者の方は、医療スタッフの少ない施設基準のなかで、命に関わる状況があると思うが、今後、高齢化などの状況を踏まえて、基準病床数というのは非常に問題があると思う。
 医療法に定められたものではあるが、高齢者の医療や介護をどうしていくかという問題から考えて、医療のあるべき状況というものをどう考えているか。

《答弁》 医務課長
 基準病床数については、和歌山県の場合、既存病床数が基準病床数を上回っている状況にあり、これ以上増床は原則できない。
 基準病床数の算定は、直近の国勢調査の人口を基に、国が定めた病床の利用率や平均在院日数などの数値を使用して、入院患者の見込数を算出し、その見込数に対する必要な病床数を算出している理論値である。
 今後、医療と介護の連携の中で、病床数は大切になってくると思うが、在宅医療との関係で、治療が必要な患者を病院側が特別養護老人ホームなどに移すことは基本的にはないと考えている。
 在宅医療という面で、自宅に戻るか、特別養護老人ホームに戻られてケアを受けられるということでは、連携が必要であると考える。

《要望》奥村規子 委員
 基準病床数は国の制度で、県がどうするということではないということだが、これからの和歌山県の少子高齢化などの状況も含めて、高齢者の健康や医療をどう守っていくかという点である。
 基準病床数の算出で、在院日数が少なくなっていくというなかで、病床が少なくなっていくと思う。 そうなれば、医療と介護は分かれる訳ではないので、医療も介護も十分提供できるような状況を作り出していくことが厳しい状況にあって、特別養護老人ホームや老人保健施設でも厳しい状況であると聞いているので、そういう意味では十分考えていただいて、医療の役割と介護が重複して、県民が安心できるようなシステムを作ってもらいたい。
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《質問》奥村規子 委員
 県が設置している手話通訳者の派遣について、派遣要件を広げてほしいという要望もでているが、和歌山県主催の行事でないといけないということになっているのか。

《答弁》 障害福祉課長
 県が主催する講演会や講習会には、基本的に県設置の手話通訳者が行くことになっている。
 それ以外で、障害者団体が主催する会合や研修などで、市や町をまたがる広域的なものについては、県の手話通訳者であっても、相談があれば派遣している。

《質問》奥村規子 委員
 いろんな学習会や団体の皆さんが集まる場合でも派遣してもらえるように、ぜひ拡充してほしいと思うがどうか。

《答弁》 障害福祉課長
 県と市町村で役割分担をしており、基本的に市や町の中でおさまるような講習会や研修会であれば、まずは市町村に依頼してほしい。ただ、広域にまたがる場合で、障害者団体が主催するものであれば、県でも相談に応じて派遣している。

《要望》奥村規子 委員
 障害者団体だけでなくて、社会活動やいろんなところで一緒になって参加してやっていく機会を、障害者の方にも参加できる方向で考えてほしい。要望である。

《答弁》 障害福祉課長
 県の派遣要件に該当しない場合、和歌山県身体障害者連盟が設置している和歌山県聴覚障害者情報センターがあるので、そこに依頼して派遣してもらうことも可能なので相談してほしい。

《要望》奥村規子 委員
 県としてできるだけ利用者負担のない方向で、県がいろんな団体の派遣も含めて対象を広げてほしいという思いで発言している。県が後援し、そういった学習会やいろんな勉強会という場合も、対象に入れてもらえればいいと思っている。
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《質問》奥村規子 委員
 看護現場はマンパワー不足で厳しい状況があるなかで、看護師確保対策を広めていただきたい。
 そのなかで、修学資金の貸付は減額になっている。もっと拡充していただきたい事業である。県外に行かれても、和歌山県に就職すれば貸付を受けられるということなので、活用したいと思う方がいると思う。この減額になっている原因は何か。また、学生の貸付希望者はどのくらいいるのか、現状を把握していただきたい。以前聞いたときには、看護学校で対象者を絞っているような状況があったようだが、希望者の現状を把握していただきたい。

《答弁》 医務課長
 修学資金については、継続の方と新規の方の貸付があり、継続の方の人数により予算に影響する。新規の方は、今年度は15人で、来年度は2人増で17人の方に貸与させていただきたいと考えている。修学資金については、県内の救急告示病院やへき地診療所に特に勤務していただきたいという趣旨のもとでつくっているので、そのようなところに特に就職していただきたいと考えている。
 もちろん、県外の方についても、IターンでもUターンでもいいので、県内に来ていただきたいと考え、制度があるということも紹介をしている。

《要望》奥村規子 委員
 先ほども言ったように、実態をつかんでいただきたい。今の数が適切か。実際、現場では4本柱と言っても、マンパワー不足のなかでは研修に出すこともできず、悪循環になるかと思う。その点で、各学校で学生の色々な状況も含めてつかんでいただきたい。
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《質問》奥村規子 委員
 准看護師の試験日の関西広域連合への事務移管について、議案第44号にも上がっているが、准看護師の試験日が看護師国家試験と一緒になることによる、今回の廃止の条例だと思う。
 病院や看護学校生の方も、看護師国家試験の合格に至りにくいという不安があることから、正看国家試験と准看護師試験の両方を受けてきたのだと思う。准看護師の試験日についての現場からの意見はどのように挙がっているか。

《答弁》 医務課長
 今回の条例については、関西広域連合に事務が移行することにより、和歌山県准看護師試験委員条例を廃止することをお願いしたいということで、上げさせていただいている。
 准看護師の試験日については、病院協会、医師会、看護協会等にご意見等をいただいたが、最終的に、関西広域連合委員会の中で、同一日で実施することになったという経緯である。

《要望》奥村規子 委員
 准看護師試験を看護師国家試験と同一日にすることについて、看護師の確保が難しい状況がありながら、現場が困る状況も含め、実施するのは問題があると思っている。
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《質問》奥村規子 委員
 和歌山市内の結核医療機関が2月末に閉鎖されることについて、保健医療計画で結核基準病床が40床となっているが、和歌山市については大変な問題ではないか。

《答弁》 健康推進課長
 和歌山県内の結核の状況であるが、30〜40年前と比較し結核の患者が、20分の1程度となっている。また、平均在院日数は6分の1程度となっている。また、結核に対する医療についても昔のように長く入院するのではなく、早期に菌の排菌をとめ在宅で治療する方向となっている。
 ここ2年の状況を見ると、1日当たりの平均勧告入院患者は17人程度ということで、結核病床については一般の患者を入院させられないため、県においても国に対して、感染管理をした上で一般患者も受け入れられるように全国衛生部長会などを通じ要望している。

《質問》奥村規子 委員
 患者が少なくなってきていても、和歌山市で患者受け入れの施設がなくなったため、遠方の国立和歌山病院に行かなければならない事態が生じているのではないか。

《答弁》 健康推進課長
 現在、和歌山県内で結核の入院施設があるところは、和歌山病院が結核病床を持っている。また、新宮医療センター、和歌山生協病院にモデル病床があり、合併症等を有する結核の方についてはそれぞれ4床を持っている。
 一般の結核患者については、和歌山病院を中心に入院していただき早期に入院治療を済ませ、後にかかりつけ医で管理する体制としたいと考えている。

《要望》奥村規子 委員
 重要な役割を担ってきた施設が閉鎖に追い込まれることについて、基準病床数の関係で一般病床に転換できないということも聞いている。何とか結核医療を守っていくために、和歌山市の意見も聞いていただきたい。
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《質問》奥村規子 委員
 歯科保健対策事業について、条例ができて来年度の事業のなかで強化して取り組んでいかれる方向であるが、歯科衛生士の役割が大きいと思うがどのように考えているのか。

《答弁》 健康推進課長
 当課において、フッ化物洗口推進連絡会議や歯周疾患検診推進会議等で研修会を実施している。市町村の歯科保健担当者や歯科医師会の先生、希望する歯科衛生士に参加していただいて研修していきたい。
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《質問》奥村規子 委員
 がん対策については、予防や早期発見が大事だと思う。和歌山県はがんの死亡率が高いが、発症原因の解明で来年度取り組むことはあるか。

《答弁》 健康推進課長
 がん登録を医大の方で進めていただいているが、今後、引き続き進めていく。予防、早期発見ということで、県内のがん検診の対象者全員に個人あてにクーポンを配って受診率を高めていきたい。事業所についても各事業所を訪問するなりして、従業員の受診勧奨を行っていきたい。

《質問》奥村規子 委員
 がん研究の点で、長野県ががんの死亡率が全国の中で圧倒的に低いが、その原因はよくわかっていないと言われている。長野県との生活習慣などのいろんな違いを含めて、和歌山県でがんの死亡率が高いことについて研究を進めていただきたい。

《答弁》 健康推進課長
 昨年、視察に一緒に参加させていただき、学ぶところがあったので、よいところは取り入れて、25年度については、組織体制なりをまねさせていただこうかなと考えている。
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《質問》奥村規子 委員
 新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づいて、「和歌山県新型インフルエンザ等対策本部条例」を制定したことについて、和歌山県として弁護士会、各団体からの意見はなかったか。

《答弁》 健康推進課長
 新型インフルエンザ等対策特別措置法については、前回3〜4年前の新型インフルエンザが発生したときに、行動計画で動いていたが、社会対応、例えば、集会の自粛要請をする場合に根拠がない等の反省を踏まえ、法律ができたということである。これに基づき条例を作って、県の対策本部も条例設置し、きちんと法的位置づけをするためである。権限が行き過ぎるとの心配をする向きもあるが、和歌山県に向けて委員が言ったような意見は寄せられていない。

《要望》奥村規子 委員
 運用の面についても、今言った点について考慮していただきたい。
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議案に対する採決
議案第44号 准看護師試験委員条例を廃止する条例
は賛成多数で原案可決
日本共産党奥村規子委員は反対 → 松坂英樹県議の議案に対する反対討論

議案第41号 和歌山県の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
議案第42号 和歌山県障害者介護給付費等不服審査会設置条例等の一部を改正する条例
議案第43号 和歌山県指定通所支援の事業の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例の一部を
       改正する条例

議案第45号 和歌山県新型インフルエンザ等対策本部条例
議案第61号 平成25年度建設事業施行に伴う市町村負担金について
は全会一致で、原案可決

調査議案に対する意見聴取
 日本共産党奥村規子委員から、議案第1号「平成25年度和歌山県一般会計予算」について、一般会計予算の中でこれ以上高齢者や障害者等の負担を増やさないようにとの旨の意見があった。


〔環境生活部〕
《質問》奥村規子 委員
 環境生活総務課長説明の1ページにある和歌山県地域グリーンニューディール基金活用事業だが、太陽光発電設備や避難所施設、避難路へのLED照明の設置があるかと思うが、平成25年度事業の予定はどれくらいか。

《答弁》 環境生活総務課長
 参考資料として配布している「平成25年度再生可能エネルギー等導入推進基金事業計画書」の3ページには、太陽光発電設備及び蓄電池を防災拠点や避難所に導入する今年度事業での箇所数を記載している。また、4ページには、LED避難誘導灯の設置事業を行う市町村と設置する基数を記載しており、これらが平成25年度事業の予定である。

《質問》奥村規子 議員
 避難路はこれからも整備もされていくと思うが、こういうLED避難誘導灯というものは今後非常に大事になってくると思うので、今年度は基金で行われるが、来年再来年と将来にわたり、誘導灯はこれだけでは足らないと思う。
 その点についてはいかがか。全体からすれば後何個くらい、どれぐらいの設置状況になるのか。

《答弁》 環境生活総務課長
 今回のグリーンニューディール基金の関係について、基金自体は平成28年度までの事業となっており、大半は25年度に予定しているが、来年度以降のLED避難誘導灯についてはいくつかの箇所で予定している。今後、実際に執行していくと、入札による執行残というものが出てくると思うので、そういったものも活用していきたいと考えている。
 また、広くLED照明を普及させていくということについては、環境省の平成24年度の補正予算で、LED照明をリース形式で導入することにより、結果的に電気代が抑えられるということで、その費用で導入費を回収して回していくという事業があり、各市町村にもその活用を呼びかけたところであるが、実際に街路灯を管理している自治会等と調整するのがなかなか難しいということで、残念ながら今のところ市町村の応募はない。
 しかし、中長期的にはそういうところと調整し、電気料金の低減でコストを賄っていくことで、導入を進めていくといったことを呼びかける必要があると考えている。

《質問》奥村規子 議員
 C02の削減という問題もあり、バイオマスの普及も今後広げていただきたいと思うが、その点についてはどうか。

《答弁》 環境生活総務課長
 バイオマス事業については、平成25年度事業として、避難所へのストーブの導入を予定しているが、それ以外にもバイオマスボイラーを使った設備等について、平成28年度までの期間中に検討していきたいと考えている。
 一方で、バイオマスの場合は、他の再生可能エネルギーと違い、原材料費がかかるので採算性やランニングコストをどう賄うかという問題がある。
 ただ施設に導入するというだけではなく、その後もきちんと使い続けられるよう持続可能性をきっちり確保しながらやっていくため、若干時間をかけて検討し、平成28年度までのグリーンニューディール基金の期間中にできる限りバイオマスの推進を図っていきたい。環境生活部以外でも、商工観光労働部の産業技術政策課や農林水産部の方でも活用を考えており、そういうところと連携を取りながら活用を図っていきたいと思っている。

《要望》奥村規子 議員
 C02の削減という課題は全世界的な課題であると思うし、ぜひ積極的にお願いしたいと思う。
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《質問》奥村規子 委員
 御坊の森岡産廃の事業者である大栄環境の説明会に、平成25年1月10日、私も参加させていただいた。そのときの感想として、住民に疑問がたくさんあるなかで、会場の時間的制約の問題もあり、説明会が終わってしまったと思う。そういった面では住民の方がまだ十分にいろいろな質問や疑問について納得していないという印象を持った。産廃の建設に住民の合意を得ないといけないとなっていないことは私も承知しているが、県として今後も十分説明会を重ねていってもらいたいと思うがどうか。

《答弁》 循環型社会推進課長
 平成25年1月10日の事業者による説明会については、事業者はまず全体の概要を説明して、その後、誠意をもって住民の方の質問に対応したと考えている。今後も説明会が必要かということについては、事業者はその説明会の席で、事業を行っていく上で当然会社として説明する責任はあるので、住民の理解を得られるよう継続して努力していかなければならないと思っているという発言をしているので、今後もそうした姿勢で臨むと考えている。さらなる説明会の開催を県から要請するということは考えていない。

《質問》奥村規子 委員
 3,000食を作る給食センターが建設予定地から200メートルくらいのところにあり、その前をダンプカーが走るということを住民は非常に心配をしている。
 その点について、事業者には責任がないと説明会で言ったように記憶しているが、県はどのように考えているか。

《答弁》 循環型社会推進課長
 給食センターについては、住民の方がいろいろと意見を持っていることは理解している。ただ、給食センターへの影響については、隣接の直近民家において生活環境影響調査を行った結果、環境保全上の基準を満足するという予測がされている。そのため生活環境が損なわれるような影響はないと考えている。給食を利用する方への説明会が必要かということについては、そのような説明会を県から要請することは考えていない。

《質問》奥村規子 委員
 説明会ではそういった点での不安がかなりあったが、住民の不安を真摯に受け止めて、説明をするということは県としても必要だと思うので、その点はぜひ検討をしていただきたい。平行線になるかもしれないが、もう一度答弁をお願いしたい。
 それと、事業者が事業をやっていくなかで住民に説明を行っていくと言われた点について、事業をやる段階ではなく、実施される前の計画の段階で、十分説明をしていくことが本来の事業者の姿勢であると思うが、いかがか。

《答弁》 循環型社会推進課長
 住民の色々な疑問点については事業者もこれまで何度か説明をしているし、県としてもこれまでに数回、産廃建設に反対する会の方にお会いして、疑問に答えてきたつもりである。許可を与えるかどうかは、申請の内容が法律に適合しているかどうかで判断していきたいと思う。事業者が再度、説明会をやるべきであるかという点については、先ほどの答弁の繰り返しになるが、県としてはさらなる説明会の開催を要請するという予定はない。

《要望》奥村規子 委員
 そういうことでは本当に県民の理解が得られないと思う。再度しっかり検討していただきたいと要望する。
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議案に対する採決
議案第41号 和歌山県の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
は全会一致で原案可決


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