2014年9月和歌山県議会  議案・請願に対する反対討論  雑賀 光夫
  議会中継録画(17:00)

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 日本共産党県議団を代表して、議案第133号、第139号および、議請第13号についての反対討論をおこないます。

 まず、議案第133号は「和歌山県認定こども園の認定の要件に関する条例の一部を改正する条例」案です。このたびの法改正により、幼保連携型認定こども園の認可に係る設備及び運営の基準等を県で定めるものです。
 新しい制度では、直接契約に基づく保育が導入され、認定こども園への移行が進めば市町村の保育責任が後退していきかねません。また、保育に介護保険制度のような認定形式が持ち込まれ、保育に格差が生じるおそれがあります。さらに、保育時間がさまざまに違った子どもたちをいっしょに保育をすることになり、子どもや保護者の負担となります。以上のように、新制度は保育の質を高めることにはつながらない制度となっています。
 だからこそ、県条例において国の基準に上乗せし、保育に格差を生じさせないようにすべきです。
 しかし、条例案では、非常災害対策推進員などを配置するようになっているものの、小規模保育所の保育士資格が緩和されることや、食事は外部搬入を容認するなど、ほとんどが国基準通りになっています。
 したがって、当議案は保育の質の低下につながりかねないことから反対です。

 次に、議案第139号、建設事業市町村負担金については、いっそうの軽減を求める立場から反対です。

 次に、議請第13号「国会に憲法改正の早期実現を求める意見書」提出を求める請願であります。その趣旨は、国会が憲法改正発議を行い、国民投票を実現してもらいたいということであります。ところが、奇妙なことにどのような憲法を求めるのかということは、オブラートでくるまったように、隠されたままになっています。
 「戦後約70年、憲法改正がなされていない」といいますが、憲法を変えなくてはならない理由になりません。「内外情勢の激変」から「国民が現実と現憲法規定の乖離の解消を望んでいる」としていますが、何をどう変えたいのか明らかではありません。
 日本国憲法は、アジアで2000万人、日本でも300万人を超す犠牲者をだし、国内では戦争に反対する言論の封殺や思想弾圧が行われた反省に立って、@恒久平和主義 A国民主権 B基本的人権の尊重 を三原則として制定されたものです。
 この憲法のもとで、日本は戦後69年間、一度も戦争に巻き込まれることはなく、自衛隊があっても外国で人を殺したり殺されたりすることがなかったということは、世界に誇るべきことでした。
 ところが世界に目を転じるとどうでしょうか。強大な軍事力をもっているアメリカが、ベトナムやイラクで大義のない戦争を行い、憎しみの悪循環を生みました。その結果、9.11同時多発テロで多くのアメリカ市民が犠牲になりました。「テロとの戦争だ」といいながら、さらに多くの犠牲者を出し、泥沼から抜け出すことができていません。
 だからこそ、どの世論調査でも「9条を守れ」という国民世論は、多数を占めています。
 いまこそ、日本国憲法、とくに「9条」を世界に広げること、国際的にも国内的にも、日本国憲法を生かすことが求められます。
 今回の請願が県議会にだされたことを知って、県内の80もの団体・個人から、「憲法改正につながるような意見書には反対あるいは慎重に」という趣旨の要請が、よせられています。
 こうした状況の中で「とにかく憲法を変えろ」というような請願を採択することは、本県議会に大きな禍根を残すことになると考え反対いたします。
 以上で、反対討論を終わります。


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