2月23日(月)          本会議

2月25日(水)          本会議/常任委員会

3月 4日(木)          本会議 (補正予算採決)

3月 5日(金)          本会議

3月 8・9・10日(月・火・水) 本会議

3月11・12日(木・金)     予算特別委員会

3月15・16日(月・火)     常任委員会

3月17日(水)          本会議/予算特別委員会

3月18日(木)          本会議

【質問順序】
3月5日(金)  雑賀光夫  
3月8日(月) 村岡キミ子 
3月9日(火) 松坂英樹





【一般会計】 総額221億円の減額補正
<主な歳出の内容>
○公共事業等の国庫補助事業の認証確定等
 普通建設事業(補助)    現計 808億円 ⇒ 補正後 765億円  (▲43億円)
                      公共事業県道改築   ▲11億円
 
 国直轄事業負担金(補助) 現計 124億円 ⇒ 補正後 110億円  (▲14億円)
                      直轄道路事業負担金  ▲10億円
 
 災害復旧事業(補助)    現計  60億円  ⇒ 補正後  40億円 (▲20億円)

○中小企業制度融資
 現計 566億円 ⇒ 補正後 407億円 (▲159億円)

○医大病院特別会計への繰出金
 現計 56億円  ⇒ 補正後 48億円  (▲8億円)

○テロ・不当行為防止対策(SOLAS条約対応)
 ※SOLAS条約・・・海上における人命の安全のための国際条約
 港湾施設保安対策   現計 0円 ⇒ 補正後 2億6900万円

○大滝ダム完工後に発生した地すべり現象への対策
 直轄河川関係事業負担金(大滝ダム治水負担)
             現計 900万円 ⇒ 補正後 3500万円 (+2600万円)

○次年度以降の財政負担軽減、財源涵養対策として70億円を措置
 県債繰上償還                20億円

 基金積立     福祉対策等基金   20億円
            地域振興基金     30億円

【特別会計】  15会計で44億円の減額補正

【採決結果】

議案第25、28、36、73号・・・・・・・・・・・・・・・・・日本共産党県議団 反対(藤井健太郎)

議案第82号・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・日本共産党県議団 退場

議案第21〜24、26、27、29〜35・・・・・・・・・・・・全会派賛成

報第1、2号・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・全会派賛成

以上、補正議案第21〜36、73、82、号、報第1,2号はすべて可決されました。 

【予算特別委員会】
  質疑順 3月11日(木) 3月12日(金)
質問委員 1 午前 午前
冨安民浩
(自由民主党)
玉置公良
(新生わかやま)
2 山田正彦
(自由民主党)
井出益弘
(自由民主党)
3 藤井健太郎
(日本共産党)
宇治田栄蔵
(自由民主党)

 

雑賀光夫県議の一般質問 2004年3月5日(金)
  1 教育問題、エアコン導入
 2 不況の中で建設業を守る
 3 市町村合併を那賀振興局が主導
 4 国道370号阪井バイパスについて
 5 海南市東畑での産廃放棄対策
 6 和歌浦観光ー孫文と熊楠が再会した地
 


村岡キミ子県議の一般質問 (2004年3月8日 2番目)

大滝ダムについて

大滝ダムの五回目の基本計画変更に関連して質問をいたします。同僚議員から、すでにこの問題については質問がおこなわれたところで、重複する部分もあるやも知れませんが、お許しを願います。
 昨年春三月十七日から、完成した大滝ダムの試験湛水を開始したところ、白屋地区で、いたるところに地割れがおこりました。その原因は試験湛水であると、国土交通省も明言しました。先日、私どもは現地を訪問いたしまして、亀裂の起きている地域も見てきました。対岸からみる白屋地区は、本当に日当たりのよい、のどかな山村の風情にあふれていましたが、白屋地区に一歩足を踏み入れると、数箇所青いシートにおおわれた地割れの畑地が見えます。住宅地内の生活道路、水路が曲がっていたり、土塀や家屋の傾きやズレなど、そのひどさを驚きをもって見てまいりました。地割れによって住み慣れたこの白屋地区を放棄して、地区住民三十七世帯、七十七人の方々が今、使われなくなった中学校の校庭に建てられた仮設住宅に移転し、洗濯物を干すスペースもなく、雨戸のない仮設住宅で、厳しい寒さの中、不自由な生活を強いられています。体調不良をうったえ、病院通いをする人や、入院する高齢者が増えていると聞きました。
 白屋地区役員のみなさんがたとも懇談しましたが、「国と直接交渉してやっと、全戸移転にこぎつけた。仮設ぐらしが何年も続くのかと思うと不安はつのるばかりで、もうみんな限界にきている」とうったえられました。また、「五〇%の貯水で地すべりが起こったが、満水になればいったいどういうことが起こるか心配だ」「まずは住民の救済のことを考えてほしい。生活再建を急いでほしい。国から見たら小さなことかも知れないが、地元の私たちにとっては、国の大きな失政だ」「国の失策のために恐怖を味わい、住み慣れた土地を追われ、こんなところに閉じ込められて、村から見捨てられたら、誰だってまいってしまいます」「もう限界です」と、国や県、村当局への不満、怒りの気持ちを語られました。住民は、一日も早く安心して生活できるために、国が全面的に責任を果たすことを口々に求めておられました。
 
私も、お年寄りのみなさんにこういうつらい思いをさせる結果を招いた国土交通省に憤りを感じます。そして、全面移転が決まった現在においては、一日も早く、白屋のみなさんが、仮設住宅を出て、安心して暮らせる生活再建を最優先に、国が全力を上げることは当然のことだと考えるものです。和歌山県としても、白屋地区のみなさんに何かできることはないのかと思わざるを得ません。また、和歌山県として、国が住民のみなさんと十分な話し合いをおこない、住民の納得と合意が得られるよう今回のようなことになった経過からいっても、国に意見をあげることが必要ではないかと考えますが、知事、いかがでしょうか。

 今回の五回目の基本計画変更がこれまでにも比べて、国の責任は大きいものであることを指摘したいと思います。
 
大滝ダムの第四回目の基本計画の変更で、二三〇億円が積み増しされ、二〇〇二年には完成する予定でしたが、この時の変更は、原石山の法面にひび割れが発生し、そのための関連費用として一一一億円が最大のものでしたが、地すべり対策としても七〇億円が組まれ、今回地割れした白屋地区のほか、寺尾など六ヶ所で地すべりを止めるための工事がおこなわれ、十五年度で事業費負担金は終了、と繰り返し答弁してきました。大滝ダム建設事業費は五回の計画変更で当初の二三〇億円が三四八〇億円に、十五倍に膨れ上がった本県の全体の負担額は四百三十七億円にのぼります。
 今から二十四年も前になりますが、一九八〇年三月の国会で、日本共産党の辻第一議員が、国会で次のような質問をおこなっています。
 「ダムサイト上流の白屋地区の地すべりの危険でございます。白屋地区の要請にて地質調査をおこなった吉岡金市氏などは、(この方は、当時龍谷大学の教授でしたが)、ダム建設により白屋地区の地すべりは拡大され、その防止をする方法がないので、対策としては水没者と同じような安全なところに移転するほかはない、このような指摘もある」と述べ、同じ質問の中で、辻議員は「奈良県地質調査委員会の意見書、これは昭和五十三年十一月二十五日でございますけれども、これには、ダム建設によって水没斜面の地すべりは起こり得るものと言わねばならぬ」との指摘があることを紹介し、建設省の地すべりに対する認識を質問しています。
 この奈良県の報告書では「深さ七〇メートルまで風化した粘土が認められ、これ以深が未風化の基盤となっているため、この境界を不連続面とした地すべりの発生が懸念される。そして、基盤の傾斜が流れ盤となっていることを考慮すると、風化岩盤の中での地すべりも発生しないと言い難い。ただ、その可能性は小さいと考えられる。」と述べていますが、今回の地すべりはこの、「可能性は小さいと考えられる」といわれたその事態が起きたものですが、奈良県としては精一杯の危険性の指摘だったと思います。
 辻議員の質問に、国は「ダムの貯水によって地すべりを引き起こすことのないよう必要な対策工事というものを十分おこなってまいりたい。対策工法のやり方につきましても、十分長年月耐えるような工法等も考えながら対処してまいりたい」と答えているのです。
 住民の委託した地質の専門家や奈良県の委託した専門家のいずれもが、白屋地区の地盤の弱さを指摘し、国もそれを認識していたからこそ、この答弁から二十年以上経った四回目の計画変更で、「長年月耐える」はずの地すべり対策が行われることになったのです。しかし、試験湛水をはじめて、水が半分の容量をためた段階で、住民のみなさんが不安に思っていた地すべりがおこり、国の地すべり対策は長年月どころか一年も保たなかったのです。

 ところが国は、昨年春、地すべりがはっきりしたあとの国会で、「白屋地区に対する地すべり対策として鋼管杭、アンカー、盛り土、集水井などを実施したことで、万全な地すべり対策をおこなってきた」と答弁しています。
 
大規模な地すべりが発生したことは、第四期の計画変更で実施した地すべり対策が、実効性のなかったことを示したもので、国の責任は本当に重大です。
 このように、白屋地区の地すべりは、行政も専門家の学者もその可能性を指摘していたものであり、白屋地区の方々が、水没地域ではないが、住宅の全面移転を求め続けてきたのも、今回のような事態が予想されてきたからです。国はこの指摘を軽視・無視して、ことを進めたことに反省しているのでしょうか。
 知事は、今回の大滝ダムの五回目の基本計画の変更について、同意するとの議案を提出しておりますが、今回の増加額二七〇億円の内訳は、地すべり対策の工事費が一三五億円、移転費を含む用地および補償費に五十億円、その他二十九億円、完成の延期によるダムの維持管理費として四十六億円となっています。本県の負担は治水利水あわせて新たに二十五億五〇〇〇万円と巨額であります。
 
知事の意見は「同意する」となっています。白屋地区の方々への補償について、これに同意するのは当然ですし、一日も早く白屋地区のみなさんが平穏な日常生活に戻れるよう国に強く求めてもらいたいと思います。しかし、これまで縷々述べてきましたように、四回目の変更で終了したはずの地すべり工事につづいて、さらに大規模な地すべり工事をせざるを得なくなった点については、国に真剣な反省を求め、地方に新たな負担を求めるべきではないと考えますが、知事の見解を求めます。さらに、工事の延期によるダム維持管理費四十六億円については、遅延の責任はひとえに国にあるのですから、これも国の責任で負担すべきとかんがえますがいかがでしょうか。
 さらに、和歌山県の利水、毎秒〇・四五トンでありますが、県営水道をもたない和歌山県が水利権を持ち続ける理由をお示しください。この利水権にかかる和歌山県の負担額について企画部長からお答え願います。
 
最後に、今回の計画変更で、大滝ダムの完成は二〇〇九年に延ばされました。当初の計画では一九七七年完成でありました。実に三十二年、完成が遅れることになります。この陰で、本当にたくさんの住民の恨みや嘆きがあることは想像に難くありません。こうした事態に至った原因について、どのような見解をおもちなのか、県土整備部長からお聞かせください。

雇用問題について

 次に、雇用問題についてお聞きします。
 いま、雇用不安が本当に深刻であります。先日発表された完全失業率では若干の改善傾向を示したとのことですが、県の雇用悪化は深刻で、九七年から〇二年までの五年間で、完全失業者は一万二〇〇〇人から三万人に二・五倍も増え、完全失業率は二・二%から五・八%に三・六ポイントも悪化しました。これらはいずれも全国で最悪の増加率となっています。
 大企業が正社員の採用を抑えるなか、和歌山県内でも、雇用者全体のなかで正社員の割合は九七年の約七〇%が〇二年には六五%に低下し、同じ期間に正社員は三万一〇〇〇人減少し、パート・アルバイト社員は八六〇〇人増加しています。特に、二十五才未満の青年の就職難は深刻で、青年の八人に一人が失業している状態です。
 和歌山県地方労働組合評議会の労働相談センターには、解雇や賃金未払いなどの相談が二〇〇三年には二二三件もあり、二〇〇二年に比べて三割も増えています。和歌山労働局への労働相談では二〇〇二年下半期は二五六二件で、前期比二・七倍にも増えています。 
 私は先日、数人の青年から就職に苦労している実態と、職場の現状などを聞くことができました。一部の事例を紹介し、雇用への積極的な支援策を求めたいと思います。
 二十七歳のAさんは、芸術大学卒業後、印刷会社でデザインの仕事をする正社員でしたが、合理化のために会社が一方的に友人を解雇しました。会社のやり方についていけずにAさんは退職しました。その後、運良く額縁販売を営む店舗に仕事がみつかり、アルバイトとして勤務しています。Aさんは、正職員になりたいと会社に頼んだが、約半年たった今もアルバイトのままです。土・日・祝日は忙しく、定まった休みはありません。労働時間も十時間以上で、自分の趣味などまったくできません。
 二十八歳のMくんは八年間勤務していた会社ですが、経営が苦しくなったということで突然、会社から「辞めるかアルバイトになるか」を迫られました。就職難の時でもあり、Mくんは仕方なくアルバイト職員になりました。仕事は変わらないのに、賃金は手取りも大幅に減り、そのうえ健康保険も国民健康保険に変わり、国民年金料も加わって、自己負担は大幅に増えました。 
 二十二歳のKくんはハローワークで紹介された清掃会社で三年間アルバイトしました。朝八時から翌朝四時まで働き、一日あけて朝七時から勤務ということもありました。勤務予定は直前に知らされるから、まったく計画がたちませんでした。給与が振込まれていないときもあり、抗議してようやく振り込まれました。勤務時間もあまりにムチャクチャなので、Kくんは肉体的にも精神的にも耐え切れなくなり、その会社を辞めました。
 その後ハローワークの紹介で、四回面接を受けましたが四回とも採用されませんでした。いまの会社もハローワークの紹介で就職しましたが、求人広告では「朝八時十五分から午後六時までの勤務」、「土・日・祝日は休み」となっていたのに、それがまったく守られませんでした。試庸期間も三ヶ月でありながら、これも守られませんでした。Kくんは疲労感がつのり、精神的にもノイローゼ気味になっていきました。親も友人たちも心配するほど顔色も悪くなり、Kくんは会社をやめてしまいました。
 Kくんは「まるで奴隷のようだった」、「求人広告に書いていることを守ってほしい」と、怒りを抑えられない気持ちを語ってくれました。ほかの青年から、ハローワークの開設時間をせめて夜八時まで延長することや、土・日・祝日も開設してほしいなどの要望が出されました。多くの青年がきびしい就職難にあります。不安定なアルバイト、フリーターの雇用と長時間労働、安い賃金です。その上、労働基準法も無視した状況がまかり通っています。こうした現状が、若い青年たちの働く意欲を、将来への希望を阻害していることに、しっかり目を向ける必要があるのではないでしょうか。
 ところで、高校生の就職率が和歌山県は他の県に比べて悪いのですが、全国平均と比べて、県内への就職を希望する生徒が少なくなっています。はじめから県外しか就職できないからと県外を希望することになっていると思うのです。高校新卒の県内就職を増やすために、鳥取県では、県職員の給与カット分を、中・高生卒などを雇用した企業に助成していると聞きます。
 鳥取県は二〇〇一年度から中小企業を支援する独自の助成制度をつくり、雇用の創出を積極的に進めています。とりわけ、いま中・高・大学新卒の就職が厳しく、就職後の離職率も高い状況にあることから、取り組まれたものです。その制度は、中小企業など雇用創出支援奨励金と新規・成長分野雇用創出奨励金の二つがあり、中学・高校の新規卒業生や、十五歳以上から四十五歳未満で事業主の都合による離職者、解雇された人を雇い入れた事業主に対し、一人につき三〇万円、または七〇万円を助成しているものです。研修に支払う場合もあります。
 二〇〇二年度の実施状況は、中小企業等雇用創出支援事業で、一人三〇万円が五七三人(三六〇件)。新規・成長分野雇用創出事業で一人七〇万円が一三二人(三十九件)に交付されています。
 二〇〇三年度では、今年の二月までで九六八人の雇用を生み出しています。さらに鳥取県は二〇〇三年度から二〇〇六年度の四年間で一万人の雇用創出計画を策定して、取り組みが進んでいるといいます。
 和歌山県の県職員などの給与カットは、二〇〇一年から始まり、来年度分の十二億円も合わせて、四〇億円に達します。一般財源分だけでも三十三億円が、職員給与のカットで生まれています。県は十五年度補正予算で、職員の給与カットなどで余ったお金から、二十億円の繰り上げ償還や基金への積み立てをおこなっています。
 来年度の予算に高卒者を三人以上新規雇用する場合などに融資する、「雇用創造対策資金」が創られることになっています。この融資枠は十億円にすぎません。県職員などの給与カット分を高校生などの雇用拡大にぜひ活用していただきたい。同時に、雇用創出計画を策定されることを願うものですが、知事の考えはどうでしょうか。先ほども述べたハローワークの開設日を土・日・祝日にも広げ、平日の開設時間の延長についても国に求めていただきたい。そして県独自でも、相談窓口や無料職業紹介所を是非開設していただきたいと考えるものですが、知事いかがでしょうか。

 次に、障害者の就業訓練についてです。この質問をおこなうにあたって、訓練手当支給事業の中に、来年度から障害をもっておられる方が県外で職業訓練を受ける際の負担金として七人分、一一〇〇万円がはじめて予算化されていることを知りました。これまで、和歌山県出身の障害者の方が、大阪や兵庫県などの障害者職業訓練校で、訓練を受けた際に、大阪や兵庫県が負担金を出してくれていたと聞いてびっくりしました。和歌山県内に、障害者のための職業訓練校がないために、遠くの地へ行って、そうした学校などに入るしか方法がなく、そのうえに、寄宿舎費や訓練の負担金を他府県から出してもらっていたと聞いて、これまでそうした事実を知らなかったことを恥じ入るしかありませんでしたが、実に情けないことです。
 調べて見ますと、障害者の職業能力開発のための学校は、国立、都道府県立含めて、全国で十九校あります。近畿では、国立が大阪府の堺市と兵庫県の伊丹市に、京都府立の障害者高等技術専門校が城陽市に、兵庫県立の障害者高等技術専門学院が神戸市西区にあります。
 和歌山県にもこうした障害者自立支援のための職業訓練学校の設置はぜひとも必要だと考えますが、商工労働部長の見解を求めます。
 また、現在の県の事業では、不十分ながらも障害者の就職相談事業や、来年度からNPOと共同して「ジョブコーチ」を育成する「障害者就業支援事業」がはじめられることになっていますが、「求職者職場適応訓練事業」を多様な障害をもつ方が、それぞれの障害に応じて、企業の中で職業訓練を積み、技術を修得し、社会で働けるように、実効性のある事業に拡充していただきたいと考えます。同時に、予算をもっと増やして、企業もこの制度を利用しやすいように改善してほしいと考えますが、商工労働部長の答弁を求めます。

 

2004年度当初予算案 

高校に設置するエアコンの使用料、年額5000円以下の電気代を、授業料に加算して徴収するという議案、県職員の給与減の延長、県職員と教職員の定数削減を定める議案など、68件が提案されています。

 

カゴメトマト工場誘致へ20億円の事業費 

県と県土地開発公社との、コスモパーク加太土地整備についての工事委託契約議案が提案されています。誘致が予定されているカゴメ株式会社は、年間6千dの生食用トマトを生産する大工場を、コスモパーク加太に建設する予定です。県内農家への影響も定かでないのに、誘致を前提にした整地工事の契約をすることには賛成できません。日本共産党は、議会での審議継続を求めます。

 

04、2月議会討論

 日本共産党県議団を代表して、議案第1号、5号、9号、19号、20号、41号から44号、49号、64号、66号、68号、69号、71号、72号、79号、の17件について反対の立場から討論します。

 新年度予算は国の三位一体改革の初年度予算として、県財政に大きな影響を与えるものとなっています。

 国は、新年度から2006年度までの3年間に、国庫補助負担金について4兆円程度を廃止・縮減し、地方が主体となって実施する事業については基幹税を基本に税源移譲を行う、地方交付税については、財源保障機能を見直して縮小するとしています。義務教育費国庫負担金の一般財源化など、地方での裁量の余地がほとんどない義務的負担金を一般財源化して、税源移譲交付金や所得譲与税に置き換えても、住民サービス拡充のための財源が増えることにはなりません。その上、地方交付税は大幅に削減され、本県においても交付税の不足分を補う臨時財政対策債を含めて、新年度は前年度比で、286億円の歳入減となっています。地方交付税は、自治体間の財源調整の役割とともに地方の固有の財源として保障されるべきものです。地方財政法が定める国の事情から地方へ財政負担を転嫁させてはならないとする規定からみても問題があり、国に対して地方交付税削減の中止を求めるべきです。

 県は、国庫補助負担金や地方交付税の削減を含めた三位一体がらみの歳入減290億円への対応として、職員定数の削減、人件費の人事委員会勧告にもとづかない単独カット、既存事業へのマイナス10%ガイドライン設定、県単独公共事業の3%カット、基金からの繰り入れなどで対応しています。新規事業の財源は事務事業の見直しや基金繰入金により生み出したもので、高野熊野の世界遺産登録に向けた諸事業、雇用景気対策、大地震への備え、鳥獣被害対策、看護師養成、少人数学級など県民要求に応えた一定の前進面も見受けられます。より重点化、効率化したといわれますが、しかし、一方で職員定数の削減、既存事業の廃止・縮小や補助金カットは県内産業の育成や県民生活に少なくない影響を与えることも指摘しておきたいと思います。

 県内生産団体、商工業団体への小額補助金のカットがすすめられていますが、コスモパーク加太に誘致しょうとする大手の1民間企業に対する県の姿勢と比較すれば、県民のなりわいでもあり生活の糧をうるところの県内産業の自立性を高め経営安定化に向けたいっそうの支援が必要であることは、明らかです。

 教育予算では、県立高校普通教室へのエアコン設置をすすめる一方で、学校体育施設の整備が先送りされています。また、エアコン設置に伴う電気料を17年度から授業料に年間5,000円を限度として加算して保護者負担に転嫁するとしています。県立高校の施設の建設事業費について、住民に対し直接、間接を問わず負担を転嫁してはならないとの地方財政法の規定からみても疑問が残ることや景気低迷と県民所得の減少傾向が続くなかで、授業料の減免者数がこの4年間に全日制で倍近くに、定時制で4倍になっていることからも、保護者に負担を転嫁するべきではありません。 

 また、新年度も学力診断テストを行うとしていますが、今年度の総括も結果分析もないままに、同規模のテストを今後、毎年実施していくということには大きな問題があります。

 福祉分野では、高齢者向け住宅改造助成の金額引き下げ、舗装具自己負担分の町村補助分のカットなどが行なわれ、乳幼児医療費助成の拡充、老人医療費の所得制限の緩和、小規模作業所・通所施設への国費カット分への補助を求める県民要求の実現もはばまれています。

 地方自治体の仕事は住民への奉仕であり、その担い手が地方公務員です。職員数の過度な削減は住民サービスの低下にもつながってきます。知事部局では20名の職員定数の削減が提起されていますが、その内容は、農林水産総合技術センターの開設で事務を集約し、ウメ研究所と畜産試験場に1名ずつ事務職を残すものの、県内に残る他の8ヶ所の試験場からは事務職を引き上げるとしています。今日、鳥インフルエンザをはじめ食の安全性へのとりくみが重視されているおりから地域と直結した保健所、家畜保健衛生所や試験研究機関の体制強化が求められているところです。

 教職員定数の179名の削減も、児童生徒の自然減に伴う削減のみではなく、県単独負担教員を50名近く削減しょうというもので、少人数学級のより前進をはばむものとなっています。

 県内産業や県民向けの予算が数万円、数十万円規模であっても見直しや縮小廃止がすすめられていますが、特殊法人で収支の先行き不透明な関西国際空港の2期工事への出資金や大滝ダム負担金などの国直轄事業への負担金、IT関連のシステム構築などは、十数億円という規模での支出であるにもかかわらず、あらゆる事業を聖域を設けず見直すとしながら、その事業のありかた、単価や事業費の見直しがすすめられたようには思えません。とりわけ、大滝ダム負担金については、事業費増加の原因者は国であり、その責任をあいまいにしたまま、事業費の追加ということで、県民負担を求めてくることには到底納得がいかないところです。

 また、高度化資金などの融資事業、土地造成や駐車場事業など一部特別会計において、独立採算制を原則とするその事業の性格からかんがみて、これまでの運用について不透明な点があることや土地売却や利用者収入の見通しなどに不安を残すものとなっています。

 請願第4号は、年金制度の抜本改革と国庫負担2分の1の早期実現を求める意見書の提出について、常任委員会で不採択となったものです。基礎年金への国庫負担を2分の1に引き上げることは、94年の年金制度改訂の際に国会で決議され、2004年度までに実施することが法律で明記されています。それがさらに先送りされようとしているもとで、早期実現を求める立場から不採択となったことに反対するものです。

 以上で討論を終わります。