2005年6月議会が13日〜29日の日程でおこなわれました。

日本共産党県議の本会議・一般質問の大要は以下の通りです。
質問者
20日(月)  松坂英樹
21日(火)  雑賀光夫
22日(水)  村岡キミ子
23日(木)  藤井健太郎
 反対討論
29日(水)  村岡キミ子
      
今議会では、福祉施設やスポーツ施設などに、指定管理者制度の導入を提案する議案が提案されました。その問題点は、村岡議員の反対討論を参照してください。福祉施設での大幅な費用削減が、同制度の導入によっておこなわれます。
六月議会で採択された請願はこちら
2005年6月議会



松坂英樹議員の質問(第一問)

       入札・談合問題について

(1)橋梁談合問題での談合組織による県内工事受注状況をどう見るのか

 入札・談合問題からおたずねします。今、全国的な問題として取上げられている橋梁談合事件ですが、国土交通省発注工事からJH日本道路公団発注工事、そして公団OBとの癒着へと問題はひろがっています。 

今回の鉄鋼製橋梁談合事件の舞台となったのはK会・A会という談合組織です。全国的な企業ですから、和歌山県の発注する鉄鋼橋梁工事にもこのメンバーの業者が受注をしています。業者らは西日本でも組織を作っていて、地方自治体の工事でも受注調整をしていたとの報道もあり、和歌山県にも大いにかかわりのある問題として注目し、県工事の受注状況を調査いたしました。
   (資料ー1億円以上の橋梁工事入札状況)
14年度、15年度、16年度の3年間の県発注橋梁工事で1億円以上のものをすべて調べたところ、合計36件・総額94億円の工事のうち、25件・79億円を談合組織の企業が受注していました。これは件数ベースで約7割、金額ベースではなんと84%にものぼる受注率です。

また私、そのK会・A会の企業が落札した工事、3年間25件すべての執行調書をチェックしました。その中で入札参加企業に着目しました。というのは、工事の入札に参加した業者の顔ぶれを見ても、K会・A会のメンバーだけ、つまり初めから身内だけで入札が行われたケースが多いのです。先ほど指摘したK会・A会の業者が落札した工事において、入札参加業者が全部この会のメンバーだったケースが25件中13件にものぼり、それに加えてメンバー以外に1社だけ地元企業を加えた形のものが7件もあり、あわせると25件中20件までがほぼ独占的に談合メンバーがとりしきっているかのような異常さです。

それだけ、鉄鋼橋梁を受注するメーカーが限られているという裏返しでもありますが、そういう現状を逆手に取り悪用して、日本を代表する大企業らがかかわって40年間も談合をつづけ、国民の税金を食い物にしてきたという許せない問題です。

公正取引委員会の発表している資料によると、過去の入札談合事件において、談合による不当利得の平均値は18、6%だとされています。つまり、談合された事により、その分だけ高く落札されて、競争した時よりも不当な儲けをえたというデータです。県の3年分事業費94億円にあてはめると、17億6千万円という税金が不当な利得として企業に支払われ、県民が損害を受けた計算になります。

こういった点をふまえ、県は橋梁談合問題での談合組織による県内受注状況をどう見るのかを質問いたします。県内工事での受注状況をふまえ、国や公正取引委員会・警察の捜査にまかせておくのではなく、県としても調査をすることや、アクションをおこす必要があると考えますが、木村知事はどうお考えでしょうか。ご答弁をお願いします。

(2)県庁南別館建設工事談合疑惑について
 次に、県庁南別館建設工事の談合疑惑についておたずねします。県は4月25日、和歌山県庁南別館の機械設備工事の入札をやりなおすことを発表しました。これは業界新聞に談合情報が掲載されたことをもとにオンブズマンからも疑念があると指摘されていたものです。
 今回の入札について、どういう経過と判断で入札やり直しを決断されたのかお示しください。また同時に入札された同じ南別館の建築工事と電気設備工事の二つの入札についても、複数のマスコミから事前に談合情報の通報があり、機械工事と同様の疑念があったわけですが、これらは入札が落札決定されてそのまま進められています。なぜこれらの入札もいっしょにやりなおさなかったのかという点についてもお答えいただきたいと思います。県土整備部長より答弁を願います。

(3)入札制度改革について
 続いて入札制度改革について伺います。知事の提案理由説明の中でも強調されていましたが、県はこの程、入札制度の改革を打ち出しました。先ほどからの質問で指摘したような談合の再発防止のためには、談合摘発の強化とともに入札制度の改革はたいへん重要です。

 私は、談合の排除をはじめ、県の高額な工事の入札が95%程度に横並び、落札率高止まりになっている事態の是正、透明性と競争性の確保と受注機会の公平性の確保、県内企業の育成、安いだけでなく「いい仕事をする業者」が報われる、そんな仕組みを取り入れるなど、入札制度のいっそうの改善を求めるものです。
 また小規模登録事業者制度などを参考にして、道路の補修や維持管理など地域に密着した身近な仕事は、入札に寄らずに地元の業者が迅速に処理できるような制度も検討してゆく、そうすれば余分な事務量をはぶき仕事もスピードアップする効果があると思います。
 私の提言は、高額な工事については、談合がされずに入札率がさがるような制度改革をもっともっと思い切って進めること。そして、県内中小業者が受注するような小額の事業についてはこれらと区別し、地域の業者の受注機会確保と育成のための努力と工夫が必要だというものです。ぜひいっそうの検討をお願いします。

 これらの提案の上にたって、今回の入札制度改革についておたずねします。現在の公募型指名入札制度を導入する時には、「談合防止の有効な制度だ」とのふれこみだったわけですが、現実的には落札率は高止まり、談合の疑いも後を絶たないなど、制度をより厳しくしてきましたというだけの総括ではこれまでの対応についての反省・総括が不十分だ指摘をせざるをえません。

県土整備部長より今回の入札制度改革における改善点や方向性、特徴について答弁を願います。

2、       障害者自立支援法案について

(1)「意見交換会」で県民からどんな声が出され、国に対してどう意見をあげてゆくのか
 次に、2つめの柱である障害者自立支援法案にかかわって質問をさせていただきます。
 現在、国会では障害者自立支援法案が審議されています。この法案は、精神障害を含めてサービスを一元化することや、国の予算を義務的経費にすること、複雑な施設体系を見直すことなど、これまで関係者から出されていた願いにこたえたという前進面もある一方で、利用料負担が、これまでの支払能力に応じた応能負担から「応益負担」となること等、様々な問題点が指摘され、政治的立場を超えた大論議がまきおこっています。今定例県議会にも全会派の紹介議員による「障害がある人の地域生活の拡充を求める請願」が提出されているところでもあります。

 私は今回の法案のどんな点が問題とされているのか、障害者にとって実際にどんな影響が出るのか、施設や作業所はどうなるのかと、有田郡内の作業所・授産施設をすべて訪ねるとともに、障害者団体や関係者のみなさんに実際にお話を伺ってまいりました。
 ある授産施設にうかがうと、「利用者の多くは、一日に数百円の工賃にしかならない中でも働ける喜びを感じて通所しています。それなのに『作業所で働くのにお金がいるようになりますよ』『お昼ご飯代で何百円要りますよ』というのでは、もう作業所に行かすのをやめさせようという家が増えるのではと心配です」とおっしゃいます。
 また、あるグループホームでは「睡眠時無呼吸症で医者に通っている利用者がいて、月にすると5000円ほど医者代がかかっている。自立支援法で負担が増えて、わずかに手元に残るお金だけでは、医者代が出ずに治療を中断する事にならないか心配だ。楽しみにしてきた年に一回の旅行積み立てもできるかどうか・・・」と顔を曇らせました。
 山間部の小さな共同作業所では、知的障害4人、精神障害1人の計5人が通っていました。障害をもった方が胸をはってがんばるには、都市部では考えられないような苦労もしながら、ささえあい励まし合って運営を続けてこられました。ここでも「こういう小さな作業所への補助金が削られてゆくのではないか」と先行きへの不安で一杯でした。

 また、多くの関係者の方々から「何よりも障害者の働く場をひろげてほしい、働く事ができて、賃金や年金などの収入が確保されれば負担だってできる。健常者と肩を並べて支援を受けたいし税金も払えるようになりたいのです」との声が出されました。障害者雇用の拡大と年金の確立は大前提だと思いました。また、自己負担金を同居の家族の収入や将来のための預貯金から出さそうというのは許せないという意見や、自立支援法案の説明を聞けば聞くほど「いつまでも家族に迷惑をかける」「この子を残して死ねない」「親が死んだあとこの子はどうしてゆけばいいのか」などのこれまでの不安がいっそう強まっていると感じてきました。

 この法案の審議にあわせて県障害福祉課は、県内各地で「意見交換会」を開催し、法案の動向を説明するとともに県内の障害者・関係者から要望・意見を聞くという努力をされてきました。法案成立前に県がこのような会を持つということは初めてことであり、近畿の中でも和歌山県だけであったと聞いています。私はこの県の取り組みは時宜を得たものとして評価したいと思います。私自身も有田地方で開かれた「意見交換会」に出席させていただき、関係者のみなさんとごいっしょに県の説明を聞きご意見をお聞きしてまいりました。ここでも「医療費の自己負担はどうなりますか、県の補助は続けていただけるのでしょうか」等の切実な声が出されました。 私は今回、関係者の皆さんの声をお聞きし、法案の方向性を調べるほどにこれは自立支援ならぬ、自立阻害になってしまうという思いを強くしてきました。特に先ほど指摘した「応益負担」の問題です。いったい福祉を受けることは「益」なのでしょうか。作業所など働く場で賃金以上の利用料をとるというのはどう考えてもおかしいです。障害が重いほど、ハンディが大きいほど、負担が大きい仕組みでいいのでしょうか。応益負担は福祉になじみません。また利用者負担の上限額は、同居している家族の収入も加えて判断する「世帯収入」の考え方です。現行の支援費制度が始まる時に扶養義務者をどこまでにするかが大問題になり、配偶者・子どもは残ったものの、親や兄弟・姉妹を扶養義務者からはずしたのです。このことから見ると今回の法案は逆行であり、障害者が「いつまでも親や兄弟・姉妹に迷惑をかける」と肩身の狭い想いをする制度であり、まったくの後退ではないでしょうか。障害者本人の収入のみに限定するべきです。

この他にも、難病や自閉症などの発達障害が対象外であることや、本格的な所得保障策にふみこんでいないこと、就労対策が抜け落ちていること、福祉サービスの利用抑制、そして自立支援医療費になると負担が重くなることが心配されているなど、多くの問題点を抱えています。そしてなによりも、障害者、地方からの意見が生かされていない拙速な法案だと思うのです。

そこで、知事にお伺いをします。県として先週の15日に国に対して意見書を提出されました。県民生活に深くかかわる問題として、県民の声、地方からの声を示すという点ではたいへん意義のあることと歓迎するものです。知事はこの意見書を提出する上で、関係者の声をどうお感じになったでしょうか。何を国に求めなければと感じたでしょうか。県が開催した「意見交換会」で県民からどんな意見・要望が出され、国に対してどう意見を上げてゆくのか、知事の思いも含めてご答弁をお願いします。

(2)重度心身障害児(者)医療費支給事業の堅持について

次に、自立支援医療にかかわっておたずねします。自立支援法案では、これまで公費負担で行なわれてきた更生医療や育成医療、精神障害者通院公費負担制度を、自立支援医療給付として支援法に組み込み1割負担にするとしています。しかも対象の病気を減らし、対象外は一般医療で3割負担です。そのため、医療費負担ができない精神障害者が服薬や通院を控えて病状が悪化し在宅生活が困難になるのではといわれています。

 また、重度な障害をもつ障害児や障害者にとって、県が自己負担分をカバーする重度心身障害児(者)医療費支給事業は、まさに命綱といえるものであり、事業の継続・堅持を求めるものです。この事業の位置付け・今後の方向について、福祉保健部長より答弁をお願いします。

 

(3)しっかりした県と市町村の「障害福祉計画」を持つことが重要になる事をふまえ、市町村への支援・連携・指導の強化を

3つめに、「障害福祉計画」についておたずねします。国は福祉サービスも自己決定と選択の時代だといいますが、都会ではともかく、田舎では行くところがない、基盤整備がうんとおくれているというのが実態です。今後、「障害福祉計画」を市町村も県も立ててゆくわけですが、国はこの計画に示した数値目標・基準以上にはお金を出さない仕組みになるとされていますから、県がしっかりと充実した計画を立てる事が大事になります。県の計画策定に当たっては、市町村からの計画を単純に積み上げて県の計画とするということでは不十分です。県内の市町村や地域ごとの社会資源整備については、県が調整・指導をおこなってゆく仕組みになりますから、人口が少ないから施策がない、施設や事業者がないからサービスが使えないというようなことのないように、しっかりと県がその役割をはたすべきだと考えます。
 市町村と密接に連携し、また支援・指導を行いながらしっかりとした障害者福祉計画をたててゆくべきだと思いますがこの点についてのお考えを福祉保健部長からお聞かせ下さい。

3、水害・土砂災害対策について

(1)洪水ハザードマップ等を作成し、実態に即した浸水想定や避難対策の推進を

 3番目の柱、水害・土砂災害対策についての質問にうつらせていただきます。
 梅雨の季節となりましたが、さっぱり雨がふりません。降る時はムチャクチャに降るわ、降らないとなるとさっぱり降らないわと、どうにも近年の気候は不順で異常になってきています。昨年は記録的な台風上陸の年でもあったため全国各地で洪水・土砂災害が多発しました。7,18水害から半世紀、大きな被害を受けた有田川流域に住むものとして、再びその惨禍を繰り返さないためにも、自然災害への備えを充分にしておく必要があると考えています。
 このほど、吉備町では町内の防災マップを作成し全戸に配布しました。金屋町でもこの6月補正で作成計画が提案されています。
有田川の氾濫を想定した浸水予想図については、県の「有田川洪水予報」事業での浸水予想図のデータを使い、浸水範囲や水位を色分けして警戒と日頃の意識づけをよびかけています。町内の家庭では自分の家のある地域の浸水の深さや避難場所・避難経路が話題となっています。「28水害の時もこのぐらい水がきたという話だ」とか「もっとここらへんも水につかったはずや」などと過去の経験も語られています。津波ハザードマップとともに河川洪水のハザードマップも関心が高まっている状況です。
 県は洪水予報の文書の中でこんなふうにのべています。「昭和28年の『7,18水害』を契機に河川改修が抜本的に進められ、河川拡幅や、堤防のかさ上げ、さらに二川ダムが建設された。その後、築造された堤防の老朽化・低水路の未改修等により年々被災している状況を改善するため、昭和57年より、計画規模を1/100とする河川改修事業が実施され、現在にいたるまで河道改修事業が鋭意すすめられているが、治水安全度は計画規模までたっしておらず、有田川はなおも水害の危険をはらんでいる。このため、河道改修等による治水事業の推進はもちろん、的確な洪水予測と迅速な情報の伝達によって、民心の安定をはかり、ひいては洪水被害の軽減をもたらすことが重要となっている」

 この文書にもあるように正確で実態にあわせた被害想定と避難場所・避難経路の徹底はたいへん重要です。しかし、今回のこの浸水予想図は、100年に1回の大雨をシュミレーションしたものですが、二川ダムの設計雨量の範囲内にドンピシャ入っていてダムで洪水調整が綱渡りでできた想定になっています。逆にいえばダムによる洪水調整をしてもこれだけの被害が予想されるというものです。これがもう少しでも余計に雨が降ったり、もしくは雨のピークが後ろにずれれば、ダムは操作規定により洪水調節せずに上流からながれこんだ洪水をそのまま下流に放流する「ただし書き操作」とよばれる放流ににうつることになり、この想定をはるかに越える被害が出ることになります。

 昨年は台風も多く非常に雨の多かった年であり、全国の25ヶ所のダムで「ただし書き操作」による放流がされたと聞きます。1年間に25回というのは、これまでの10年分に相当する数だそうです。それくらい近年は異常気象、集中豪雨の被害が多くなっているという表れではないでしょうか。

 今回、有田川で洪水予報体制がとられ、浸水予想図も発表されたのは河口から18キロ地点までの堤防を築いた区間にとどまっています。しかし、ここより上流でも道の低いところ、川の曲がったところ等、過去に水害で被害の大きかった地域では、水害への備えに対する関心は非常に高いのです。災害のリスクの高い地形や浸水・水没が予想されるところは、実態にあわせて被害想定や避難体制の強化が求められているのではないでしょうか。 洪水ハザードマップを作成し、実態に即した浸水想定や避難対策の一層の推進を求めるものですがいかがでしょうか。県内河川のハザードマップの作成状況や見通し、住民との取り組みについて県土整備部長よりご答弁を願います。

(2)有田川の堆積土砂浚渫について

 次に、有田川の堆積土砂撤去についてお伺いします。有田川では土砂の堆積、草木の繁殖による土砂堆積がすすみ、河床が上がって危険だという指摘や、有田川の水位が高いため支流の水が出て行けずに支流の水位も危険な状態であり、いくら支流の河川改修をしても有田川本流の河床を下げないと効果が出ない、という地元市町村からの声も紹介し、堆積土砂の撤去を強く求めてまいりました。これに対し、県はその緊急性を認めるにはいたらないものの堆積状況の推移を調査し、今後の方向性を検討していただいています。 私は有田川の土砂撤去で河床を下げてほしいという地元住民の切実な願いを改めて強調し、有効な方策に一歩踏み出していただくよう強く求めるものですが、今回の質問では有田川の高速4車線化区域で川の流れを整える事業が実施されることについておうかがいします。ここは連続して3本の橋が並ぶことになり橋脚が林立する事や、川の流れが蛇行して堤防にまともにぶつかっている所があることから地元要望の強い地点であり、計画の概要と方向性をお示しいただきたいと思います。また清水町の清水橋下流では支流との合流によって土砂の堆積がすすんでいます。私は二川ダムのバックウォーター現象で流れが遅くなることによる堆積の進行も加わっていると考えていますが、この地点は未改修の堤防が残っているところでもあり、砂利の浚渫を望む声が上がっていますがいかがでしょうか。有田川の堆積土砂とかかわる2点について県土整備部長より答弁をねがいます。

(3)湯浅町山田山の土砂災害対策について

 最後に、土砂災害防止の点で、湯浅町の山田山の土砂堰堤対策についてお尋ねします。ここは一昨年の9月議会の質問でも取上げましたが、谷を埋めて造成した堰堤の内側に、18万トンもの大量の雨がたまって堰堤の崩壊が始まり、あわや膨大な土石流が発生する寸前のところまでになりました。これに気づいた町の必死の対応と、この堰堤の災害復旧では国・県の尽力をいただき、事なきを得ている状態です。その後、この根本的な対策として大量の水がたまらないように堰堤の内側を土砂で埋めることになり、県環境保全公社の協力もえて県工事による建設残土搬入を進めていただいてきました。しかし、なかなか思うように計画が進まずに苦労されているようです。ぜひこの土砂搬入のスピードをアップしていただき、一日も早く災害のおそれがないように対策を完了すべきだと願うものですが、この土砂搬入の計画と見通しについて県土整備部長よりご答弁を願います。

以上で私の一回目の質問を終わります。

雑賀光夫議員の一般質問

JR事故にかかわって

議長のお許しを得ましたので質問にはいらせていただきます。

先日、JR福知山線、尼崎で大きな脱線事故がおこりました。犠牲者のみなさん、家族関係者のみなさまには、心からお悔やみ申し上げたいと思います。この事故の原因については、安全装置の問題、運転手の教育のあり方、儲け本位の会社の体質があったのではないかなど多角的に論議されています。私には、この事故をきっかけにして、いくつかの考えてみたい問題があります。

第一に、この事故で私が思い出したのは、昨年の5月に海南市冷水で起こったトラックの荷崩れによる事故でした。あの事故は、幸い死亡者はありませんでしたが、ひとつ間違えば大惨事になりかねない事故でありました。トラックの材木過積載とその荷崩れを第一原因でありましたが、事故対策というものは、あってはならないことが起こった場合に備えるものであります。私は、昨年の6月議会でこの問題を取り上げた際、JR線の上を走る国道のガードの問題、さらに事故で通信線が切断された場合、自動的に信号が赤になって異常を知らせるようなことはあってしかるべきではないかという指摘もし、JRの事故調査委員会の報告を待っていました。

このたびの尼崎事故の後、県の交通対策課にお聞きすると、昨年の事故調査報告はされていないとのこと。JRのホームページに「事故調査委員会報告」が載せられるが、海南市冷水の事故は出てこないということであります。あれだけの事故であっても、JRも国土交通省も和歌山県に対して原因究明した報告などする気はないし、県当局としても、それを期待もしていないという関係がわかってまいりました。

今回の尼崎事故の場合は、そうとう突っ込んだ原因の究明や責任の追及が行われるでしょう。しかし、大きな死亡事故がおこってからではなくて、小さい事故の一つ一つについて真摯な原因究明があってこそ大きな事故を防ぐことができると考えます。JRというものは、大切な公共交通であります。私企業だからといって勝手にやっていていいものではなく、後に述べますように、また貴志川線でとりくまれたように公的な支援も必要です。それだけに、その安全のためには、県との間でも緊密な協力も監視も必要であると考えます。

このたび、企画部長からJRに安全対策強化を要望する文書が出されています。しかし、それはまったく形式的なものであります。県当局として、JRの安全問題について、どういう心配を持ち、何を求めていきたいのか、企画部長の答弁を求めます。

JRの安全問題の第二は、駅の安全問題であります。無人駅という問題もありますが、今日は、駅のプラットホームと電車の段差の問題に絞って考えて見たいと思います。わたしが取り上げるのは、海南市のJR黒江駅であります。私の知り合いに杖をついて歩いている方が、和歌山から帰ってきて黒江駅でおりようとしたが怖くて降りられず、海南駅まで乗って、そこから帰ってきたという話から始まりました。杖をついているといっても、海南駅から黒江駅に近い自宅まで歩いて帰ってきたというほどよく歩かれる方です。その話を聞いて、「そういえば、段差が大きい」「若い者でもこわい」などという話が出て、メジャーをもって調査してまいりました。電車がくるのをまって、短い停車の間に車掌さんにしかられないかと心配しながら電車に近づいて計るのですが、40センチぐらいの高さがある。

黒江駅というのは、近くに智弁学園があります。数年前に小学部ができて、いま、4年生まで小学生がかよっています。智弁学園を訪問して、お話をお聞きしました。学園としても大変心配していて、朝夕、四人の先生が、黒江駅に出向いて安全指導をしていること、JR和歌山支社にも改善を要望していることを伺いました。智弁学園では、80%をこす生徒が、黒江駅を利用して通学しております。現在、黒江駅の乗降人数は、4800人ですが、智弁小学校が6年生まで通学するようになれば、5000人を超すでしょう。

段差解消にとりくまれたみなべ町の岩代駅も視察し、みなべ町の役場でお話もききました。地域住民の大きなもりあがりがあって、旧南部町が750万円、JRが200万円だしてプラットホームの2両の電車が停止する場所だけかさ上げし、大変好評です。県の援助はまったくなかったそうです。ちなみに、岩代駅は、乗降人数は200人ぐらいだとおききしました。乗降人数が1000人をこえれば、県の補助も、5000人をこせば国の補助もあるとおききしました。そこで、企画部長にお伺いいたします。
 @ 
Rのプラットホームの電車との段差など安全問題について、どういう調査をし、どういう認識をもっておられるのか、お伺いします。 
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それぞれの駅で課題があるでしょうが、今日は、黒江駅についてお伺いしますが、その安全対策のために、県としてどういう支援をされるのかお聞かせください。
 Bプラットホームの安全対策というのは、JRにとってお客さんの安全問題です。プラットホームの企画にあわない電車を導入するとき、JR西日本とか和歌山支社が考えなくてはならない問題です。だからといって、私はすべてJRで負担せよというのではありません。公共交通にはそれにふさわしい公的援助があってしかるべきです。それなら、JRとして、「乗客の安全のために、プラットホームの改修をしたいが、地方自治体の援助がいただけないか」と言い出すのが筋というものです。それをしないで、事故が起こるまでは知らんふりを決め込んでいるJRの体質に大きな疑問をもつものですが、企画部長はどうお考えか、JRに働きかけていく気があるのかお聞かせください。
 JRにかかわる第三点は、岩代駅の改修にしてもそうですが、JRにかかわる工事は、すべて鉄建公団など、直接の下請けにまわされ、その単価が大変高いといわれる問題です。国・県・市町村が半額以上の補助をする工事では、入札方法についても、JRが独占的なことをするのでなく、公開された入札で適正な価格で工事するようにすべきだと考えますが、県土整備部長の考えをお聞かせいただきたいと思います。


都市計画街路の問題
 大きな二番目の問題は、道路問題であります。
 私は、県議会に出させていただいてから何度も道路問題をとりあげてきましたが、とくに最近三回ほどのテーマは、「必要な道路を早くつくる」という問題でした。そして、20年も以上前につくった都市計画道路をみなおしもせずに、その一部だけのすすめるとどんなことになるのかを日方大野中藤白線の日方川にそった工事中の部分を例にとって問題にし、2月県会では、「都市計画道路の見直しもする」という知事の積極的な答弁をいただきました。
 さて、問題の日方大野中藤白線の工事費は今年は2億7000万円の予算がついています。「必要な道路を早く」の立場で、現道ど広げていたら、3分の1の予算でできたでしょうが、ここまできたら仕上げてもらわなくてはなりません。いまさら中止せよとは申しません。

 一方で、早く広げてほしいのに、遅々としてすすまない道路があります。そのひとつは、海南岩出線という道路ですが、黒江から亀川にむかう部分が、海南市では大変大事な道路ですが、その拡幅につけられた予算は、今年は1500万円であります。じつは、この道路と平行して、都市計画道路の線引きがなされています。しかし、まったく事業化はされていない。おそらくその計画があるために、海南岩出線は、国の補助をうける事業にならず、小規模道路改善事業として細々と進められているわけです。

いま申し上げました都市計画道路・黒江旦来線の事業家の見通しはたっているのか。事業化するとすとしても、18メートル道路にするかどうかも含めて検討が必要だと思いますが、それでも完成するのは何十年か先ではないのでしょうか。

私は、海南岩出線のいま申し上げた部分について、道路改修事業の格上げをおきない、二車線・片側にそう広くない歩道をつけるだけでもいいから遅くても5年程度で完成する計画でお願いしたいと考えますが、県土整備部長の見解をお伺いいたします。

 道路問題の第二は、国道42号海南市内での渋滞にかかわる問題です。

今年の3月、和歌山市から海南市にはいったあたりで大渋滞がつづきました。この議場におられるみなさんも、この渋滞に巻き込まれて、これはひどいと思われた方も多いかと思います。この渋滞は、国道42号の電線埋設工事がおこなわれたためで、国道42号が渋滞したために、裏道に車が流れ込み、市民生活に大きな支障がでることになったわけです。電線埋設計画はまだ4分の3程度のこっていますので、渋滞に十分配慮するように、私どもは国土交通省の出先にも申し入れたところであります。

 ところで、電線埋設は終わればそれまでですが、この道路、マリーナシティで大きなイベントがあるたびに大渋滞をおこすわけです。自動車道の海南インターからマリーナシティに向かう道路がもう一本必要です。昭南跡地から、住友海南鋼管の敷地にそって、住友海南鋼管の協力をえられれば、2車線道路をつくることは、そうむずかしい事業ではありません。実は、この問題、昨年の6月議会で同じ海南市の藤山まさき議員もとりあげられました。私もその提案には賛成であります。そのときは、「検討課題とする」という答弁にとどまったのですが、その後の大渋滞で、この道路の必要性について県民の理解が得られる条件がひろがったと思います。その後、どういう検討をなさっておられるのか、県土整備部長にお伺いします。

ため池の防災対

大きな第三番目の問題として、ため池の防災問題についてお伺いいたします。海南市の鳥居という地域に権慶寺池というふるい池があります。山の間をせき止めたダム型の農業用ため池でありますが、以前から地元住民から防災上の心配の声が上がっておりました。昨年度、海草振興局と海南海草の私たちの議員団との話し合いの席上でもこの問題をとりあげ、全県的にも今年・来年でため池の安全診断にとりくむというお話を聞いておりまして、先日、6月9日のこと、振興局の担当課長などおいでいただき、市役所の職員、地元住民の立会いで、第一次調査が行われました。海草振興局では、和歌山市・海南市・海草郡で50のため池を調査する第一号として私たちが心配していましたこの池の調査をいただいたわけです。地元自治会の方は、8年前から言っていたことがやっと実現したといっておられました。
  それまでに私は担当課から危険ため池の一覧表をいただいておりまして、この権慶寺池は、危険ため池には指定されていなかったことを知り、住民が不安を感じているものと、行政としてつかんでいるものにはずれがあるのではないかと感じておりましたが、今回の調査では、危険ため池として指定されていなかったものも調査対象に加えるとのことで、権慶寺池も選ばれたわけです。この調査の場には、となりの自治会の会長さんも参加され、今回調査対象にあがっていない   池についても大変心配していると訴えられ、振興局の課長も調査を約束されました。それにしても、今回のため池調査は、画期的なものであろうと思います。ぜひ成功させて、地域の住民が安心して暮らせるようにしていただきたい。そういう立場で、いくつかの質問をいたします。

第一は、今回のため池安全についての調査の規模・計画の全体像をお聞かせいただきたいと思います。といいますのは、私が今回の問題にかかわって感じたのは、県が把握していた「危険ためいけ」と地域住民が心配していたことについては、一定のギャップがあったわけです。権慶寺池については、住民のみなさんの声を、私たち議員団として行政にとどけ、地元自治会の8年前からのとりくみもあって、調査対象に加えられ、しかもトップに調査に来ていただいたわけですが、市域では心配しているがその声が行政にとどいていない場合もあると思うのです。その一つが、いまお話した  池のケースですが、こうした住民の不安の声によく耳を傾けていただきたいと思うのです。

第二に、危険が明らかになったときは、相当の予算をかけての改修となりますが、その際の国・県・地元の財政負担はどうなるのか。地元負担は、合併特例債の対象になるのかどうかお聞かせください。

第三に、ため池の改修という仕事は、県と市町村と水利権者と地元住民の緊密な協力がないとできるものではありません。その点で、県として市町村・水利組合・地元住民にお願いしたいことがあれば、この場でお聞きしておきたいと思います。

産業廃棄物問題について

 第四番目の問題として、野上町の産業廃棄物問題をとりあげます。先週、17日の野上町議会で、日本共産党の林議員が、株式会社・環境クリーンなんとかが設置しようとしている「産業廃棄物・積替え保管作業場」について取り上げました。私は、その前に林議員と一緒に野上町のみなさんにお会いして事情を聞いたのですが、野上町のみなさんは「坂本の二の舞になってはいけない」といわれるのです。坂本という意味がわからなかったのでお聞きしたのですが、4〜5年前に野上町・坂本での産業廃棄物問題です。建築廃材や医療機器などありとあらゆるものが捨てられて山になっていた。海南警察署からもきて「うちの警察署を壊した廃材やなあ」といっていたという話も出ました。みなさんがおっしゃるには、「保険所など県の担当者もきて「撤去します」といったけれども、担当が替わってしまって、そのままだ」というのです。そこで、地元の皆さんに案内していただいて、現場を見てきました。今では、その上に草も生えているけれども、その下に産業廃棄物が積まれたままだという説明は、リアリティがありました。そのそばに溝があって、水が川に流れ込んでおりました。廃棄物の中に有害物質があれば大変です。この問題で、住民の皆さんは、産業廃棄物業者と県当局に不信感をもっていらっしゃる。「絶対に新しい廃棄物置き場はつくらせない」といっておられます。

 私は、住民の皆さんの話を聞きながら、「環境クリーンなんとかという会社も大丈夫かな」という思いを持ちましたが、予断と偏見はもたないほうがいいでしょう。ここで申し上げたいのは、県行政の産業廃棄物対策が、この地域では住民に不信感を残している。これでは、もしもまじめな産業廃棄物業者であっても、住民の皆さんからは不審の目でみられる状況にあります。そこで、さかのぼっての話でありますが、第一に、野上町坂本での産業廃棄物業者にはどういう問題があり、どういう指導をしたのか。第二に、業者が倒産したというので放置された産業廃棄物の中身は掌握しているのか、撤去する計画はどうなっているのか。生活環境部長にお伺いいたします。

 

靖国と教科書問題

大きな第五番目の問題は、中国・韓国などアジア外交にも大きな支障を生んでいる、靖国参拝問題や教科書問題であります。小泉首相の靖国参拝にたいしては、「国益のためには、公式参拝をひかえるべきだ」という声が、聞かれ始めていますが、これはどうかと思います。この論理では、「国益のためには、戦争もする」ということにもなりかねません。問題は、靖国参拝は、道理に反し、アジア各国をはじめ国際社会で大きな批判を浴び、日本は国際的にも孤立するということです。それは、結果として国益にも反する。ここをしっかりとおさえなくてはならないと私は思います。なぜ、道理に反するのでしょうか。靖国参拝とは、どういう問題でしょうか。一つの文章を紹介いたしましょう。

 「日本は、明治開国以来、欧米列強の植民地化をさけ、かれらと同等の国力をやしなうべく努力してきました。日本をじゃまもの扱いにし始めた米英の抑圧と中国の激烈な排日運動にもがまんを重ねてきました。………極東の小国・日本が大国を相手に立ち上がった大東亜戦争、これは国家と民族の生存をかけ、一億国民が悲壮な決意でたたかった、自存自衛の戦争だったのです」
 これは、戦争さなかのラジオ放送ではありません。いま、靖国神社の展示館で毎日上映している映画「私たちは忘れない」のナレーションの一節です。

 靖国神社は、戦争犠牲者を追悼している神社ではありません。戦争を鼓舞し、そのために戦死した軍人だけを神としてまつる神社であります。たまたまA級戦犯をまぎれこませて合祀したから問題だというものではありません。戦争を鼓舞する神社だから、戦争を推進した人たちを誰よりも神として祭らなくてはならないというのが、靖国神社の論理でしょう。映画のナレーションにもあった「大東亜戦争」、アジア太平洋戦争を、「大東亜戦争」と呼び、「自存自衛」のための戦争だったと説明するところに、その歴史観が象徴されています。

  ところで、この靖国神社と同じ歴史観をもつ教科書が、検定を合格し、いま教科書採択の対象とされています。県内でも17日から各地域で教科書展示会が開かれていますので、私も展示会場に足をはこびました。初めて「つくる会教科書」を手にしました。
 教科書採択は、教科書採択委員会の権限でありますので、議員も県教育委員会もとやかく言うべきではありません。

 私は、次のことだけをお伺いしたいと思います。アジア・太平洋戦争は、「大東亜共栄圏」を建設するための「自存自衛」のための戦争であり、だから「大東亜戦争」とよぶという戦争当時の国民への宣伝を教育の場に持ち込むことはどうなのか。
 教科書問題で第二にお伺いしたいのは、問題になっている扶桑社の教科書が、事前に関係者に配られたというルール違反がおこなわれたという問題です。
 文部科学省は、このことで「扶桑社を指導した」ということを明らかにしています。そして、扶桑社教科書が配られた地域の一つとして和歌山県が上げられています。県教育長は、教科書採択についてのルール違反がおこなわれたことについて、どうお考えでしょうか。また、どういう人たちに教科書が渡されたのか、調査をなさったのでしょうか。調査されたとすれば、どういうことだったのかをお伺いいたします。


 2005年6月議会(6月22日)

 村岡キミ子議員の一般質問

@ がん対策について

わが国の死亡原因の3分の1以上はがんによるものです。今後も増加することが確実といわれています。

2人に1人ががんに罹り、3人に1人が亡くなっています。日本の新規がん患者数は年間60万人にのぼり、年間30万人が死亡すると聞きます。そして、年間130万人ががんに苦しんでいるとも言われているものです。

それだけに、1984年にはじまった国の対がん戦略は何をしてきたのでしょうか。今年の1月尾辻厚生労働大臣は「これまでのがん対策を点検してわかった。がん対策という事の重要さと行政的対応が釣り合っていなかった。統合本部が必要だと語っている。」

国は昨年第3次10カ年総合戦略をスタートさせましたが、これは、増加するがん患者の死亡者数を大幅に減らすことを目指して始動しました。しかし、研究、対策に投じる国費は米国の30分の1という。果たして苦しんでいるがん患者の願いに応えられるのでしょうか。

厚生労働省は「がん対策推進統合本部」を発足させ、05年1月20日、第1回の検討会で、尾辻本部長は「日本のどこに行っても、国民が望む医療を受けられることががん対策の中できわめて重要である。がん5年生存率を20%向上するという政府目標のため対策を一層推進するという」と強い意欲をみせたと聞きます。

実効ある具体的取り組みに期待をしたいと思います。

近年では診断、治療予防の進歩によって以前のようながんは「不治の病」ではなくなりつつあると云われます。

とは云っても、まだまだがんへの不安は強いのではないでしょうか。

私は去る4月28日、大阪NHKホールで開催された第十一回がん患者大集会に参加してきました。

「変えよう、日本のがん医療、手をつなごう、患者と家族たち」をスローガンに全国から二000人を超える参加で、がん医療に対するあつい思いが伝わる集いでした。

多くの患者は思わしくない体調をおしての参加でしたが、時間はオーバーする程、次々と国のがん対策に意見が出され、最後に尾辻厚労大臣も国家プロジェクトとして、取り組みを強化することを約束しました。

とりわけ、海外で一般に使われている抗がん剤が日本では未認可であり、保険診療で使えないこと、抗がん剤の専門家である腫瘍内科医が少ないことの中で、自分で100万円もする未承認の抗がん剤を輸入し、地方から専門医のいる東京まで「治りたい」と必死の思いで命がけで通院しています。また、非常に進んだ患者に対する緩和ケアの必要性が問題点として対策が求められました。

また、がん治療を行う専門病院はどこなのか、専門医はどこに、治療法は、最良の納得の治療をと、情報を得たいと右往左往して、治療法の選択に混乱したり、判断が困難な現実にあると訴えておられました。そして、患者主体のがん情報センターの早期設立を求めておられるところです。

がん治療の地域間格差の解消についても、切実に訴えられ、患者たちの日本のがん治療体制の遅れを厳しく指摘した集いでした。

第三次戦略では、二次医療圏に一カ所の地域がん拠点病院を設置することを求めているところです。また、抗がん剤治療を専門とする腫瘍内科医や放射線治療専門医の配置も必要です。がん緩和ケア病院と病床の拡充などが急がれなければならない現状にあります。

がんは検診による早期発見、早期治療が基本ですから、積極的に定期的に受診することが大切です。

本県のがん死亡率は全国第6位、部位別では肺がんは全国第1位が数年続いています。また、肝臓、胆管がんについても全国第2位と高い水準にあり、その対策が急がれる状況にあります。(資料)

福祉保健部長にお尋ねします。

@ 検診については、受診率をそれぞれ30%を目標に定めていますが、現状はどうなっていますか。部位別にお聞かせ願います。

・特に、乳がん検診ではマンモグラフィーによるX線検査が進められていることから、その受診状況は如何ですか。

国の基準(老人保健法)では、40〜50才までは、上下と斜位の2方向のX線検査ですが、50才以上では斜位の一方向のみとなっています。一方向だけでは、全体が撮影できないため、見落とす可能性があることを専門医の指摘があるところです。

したがって、せめて、55才位までは、二方向に改善すべきではとの意見も加えられました。市町村の財政的措置もあろうかと思うところですが、早期発見対策として如何お考えでしょうか。

・死亡率の高い肺がん、肝がん対策について具体的取り組みをお聞かせ下さい。

A 医師不足問題について

これまで県内に働く医師数は全国平均を上回っている。人口10万人に対する医師数は2004年度でみれば221.8人で全国平均の191.6人を上回っています。

しかし和歌山市周辺に集中した状況にあり、とりわけ紀南地域は慢性的な医師不足が続いています。

医師確保のため、医療機器の最新式を整備するなど、地域医療を守る立場からも努力を続けていることに心が痛みます。

最近では県下の自治体病院、公的病院においても医師不足がきわめて深刻となっていると聞き、わが県議団は実情を調査するため、6ヵ所の病院を訪問し、お話を聞いて参りました。

○共通しているのは、和歌山県立医大からの派遣がきびしくなった。

○開業のため、退職、他病院への就職、医大へのひきあげなど

○県立医大以外の大学からの派遣もきびしくなった。

結果、外来診療の休止、救急外来の受け入れが出来なくなった。小児科の夜間の救急受け入れができない。検査ができない。小児科医がいなくなって、科の廃止をした(医大からの派遣ストップ)

などなど病院経営にも影響をあたえている。何よりも住民へのサービスの低下となっている。医師確保で病院にいることが少なくなっていると、医師不足による影響を訴えておられます。

県立医大はこれまでも県下の病院に医師派遣に努力してきたが、国からは、大学病院の医療水準を高めることがきびしく求められる。そのため、大学病院における医師の充実が必要である。また研修医制度の指導医の確保などなどのため、派遣できる余裕は余りなくなってきている。

私は、県立医科大学は、医師を育てる、看護師を育てる教育や研究機関である。そして高度な先進医療をになう付属病院である、と私は思っている。こうした問題の中、5月20日、全国80の国公立私立大学でつくる全国医学部長院長会議が臨床研修制度の廃止を求める提言をまとめた。新制度により地域医療は崩壊寸前、大学病院での医療研究の沈滞につながるとしています。

済生会有田病院では大学からの小児科医派遣の廃止について湯浅町内6保育所の保護者から存続を求める要望書が知事に提出されているところです。

おたずねします。

@、知事、あなたは、県下の地域医療を担っている自治体病院や公的病院の現状をどのように把握されているのでしょうか。おきかせいただきたい。

A、医師確保や看護師確保対策、地域医療のあり方等を多角的に検討する時期にきているのではないでしょうか。提言ですが県行政として地域医療センターの設置が必要ではないかと切に思うのですが、如何でしょうか。福祉保健部長のお考えをおきかせいただきたい。

B、医師確保対策には学生を増やすことだと考えるものです。文部科学省は定員を1割削減することを求めているようですが、定員を増やす方策を検討してはどうでしょうか。総務部長から答弁をお願いします。

C、ドクターバンクに期待するものですが、そう簡単ではないと思います。他府県の医科大学に進学した学生に卒後、県内の病院で働くことを条件にした奨学資金制度を新設することも考えてみては如何でしょうか。

すでに青森、福島、長崎、新潟、岩手県などで制度化されて進められています。福祉保健部長から答弁をお願いします。

B 看護師需給計画見通し

来年4月、平成18年度から5年間の看護職員受給計画の策定が実施されます。国の方針が示された中で、県下の病院、診療所、介護事業所や施設の実態調査がすすめられています。方針では、

○過大な時間外労働を削減するための増員

○夜勤は一般病棟では3人以上の夜勤体制

○ICUなどでは患者1人に看護職員1人

○看護職員の研修に必要な人員を見込み

○年休の完全消化

○手術台1台に3人の看護師
  産前産後、育児、介護休暇の完全取得と代替要員の確保など、を前提条件に計画を策定するよう求めています。

職場の現状を反映した内容になっていると思います。何よりも実態調査にそれぞれの病院、施設のみなさんがありのままを記入していただき、少しでも職場実態が改善できる計画を期待したいと思います。今職場は年休はとりにくくなってきている。土、日曜出勤の代休もままならないと聞きます。妊婦の夜勤免除も夜勤禁止となっているにもかかわらず、免除されないため、切迫流産が増えている実態も多く語られています。保育所設置の要求も切実な声です。

この4月から准看護師から、看護師の国家試験の受験資格を得るための通信制2年課程の教育制度が実現しました。働きながらの勉学に大変な努力だと思います。無理しないで最後までがんばってほしいものです。

労災病院の看護学校廃止によって確保対策に少なからぬ影響をきたし、残念でなりません。そこで、17年度末の確保目標 13172名に対しての達成数はどうなりますか、お示し下さい。

今後の需給計画策定のとりまとめは、どのようなスケジュールで進められますか、お聞かせいただきたい。



2005
年6月議会(6月21日)



藤井健太郎議員の一般質問(第一問)2005年6月23日

1、指定管理者制度について

 通告の内容は、指定管理者制度と県立医大の独立行政法人化についてであります。すでに今議会で議論され、当局の一定の見解も示されていますが、ともに今議会の重要議案でもあり、私なりに質問をさせていただきます。
  まず、指定管理者制度についてお尋ねします。
 平成15年9月2日に施行された改正地方自治法により、旧来の管理委託制度が廃止されました。3年間の経過措置が過ぎると、改正前の管理委託制度による出資法人、公共団体または公共的団体へ管理委託している公の施設については、現行の団体を指定管理者にするか、新たに民間事業者を指定管理者に指定するか、直営に戻すかまたは完全に民間譲渡するか施設を廃止するか、決めなければなりません。

現在、県の出資法人や公共的団体などに管理委託している施設は44施設あります。その内の38施設と直営の3施設、合わせて41施設を、来年4月1日から指定管理者にきりかえるための条例改正が今議会に上程されております。 このことから県のこの問題については、指定管理者におきかえていくというのが方針となっているようであります。

ところで、ご承知のように、地方自治体の使命は、地方自治法にも示されているように「住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担う」ことにあります。そして、その目的を達成するための施設として公の施設を設置し、設置主体である地方自治体が、その管理を直接行うことが原則とされています。それは基本的には変わらないし、変えるべきではないというのが私の基本的な考えです。たとえ、地方自治体が設置した公の施設を地方自治体以外の団体が管理する場合でも、多数の住民に均等な役務を提供し、その適正な管理を確保する必要があることは当然のことでもあります。今回、指定管理者制度の導入にあたっても施設の特性にかんがみて、どういう事業者が指定されるのか、選定の経過も含めて個々の施設ごとに判断していく必要があると思うところです。

今回の地方自治法の改正で、その公の施設の管理について、法人その他の団体であって地方自治体が指定するもので、従来、委託できなかった株式会社など営利を目的とする法人や団体にまで委託の範囲を広げ、単なる業務の委託だけではなく施設全体の維持や管理、利用許可などの行政処分など本来自治体がもつべき権限まで含めた委託が期間を区切ってできるようになりました。しかも、公の施設の範囲が地方自治法には明記されておらず、多くの直営施設も対象として検討がすすめられるのではないか、と思われます。

指定管理者となった民間事業者は、条例の定める範囲内で地方公共団体の承認をえて、自から料金を設定できることとなり、使用料、利用料は自からの収入となることから利用者数の増をはかることによって収入を増やし、県から受け取る委託料よりさらに低い経費で運営することによって収益を増やすことができるようになる、つまり、指定管理者制度は公共施設の管理運営を民間事業者の収益事業の対象として民間市場に委ねることに道を開いたことになります。

総務省の説明によると、指定管理者制度は、公の施設の管理に民間事業者の手法を活用することにより、管理に要する経費の縮減が可能となり、その結果、公の施設の利用料の低料金化がはかられたり、利用者の満足度をあげ、より多くの利用者を確保しょうとする民間経営者の発想を取り入れることで、利用者に対するサービスの向上と行政経費の縮減が期待できるとしています。
  確かに、豊かなノウハウをもち効率性を追求する株式会社などの民間事業者がサービスの質を競い合うことで、県が設置したその目的が達成できるという施設については、行政コストの削減にもつながり効果があがることと思います。

私が問題にしたいのは、今回の指定管理者制度の導入によって、施設運営の人的体制や財政面も含めて、これまでの施設利用者や住民の権利が擁護され、地方自治体が設置した施設にふさわしく住民福祉の増進がはかられるような運営が長期に安定的に保障されるのか、ということです。
 すでに県立情報交流センター「ビッグユー」がNPO法人和歌山IT教育機構を指定管理者として運営が始まっていますが、ここは、新規に開設をした施設でゼロからのスタートでした。ところが、今回提案されている施設を見ると、すべての施設がすでに県の支出する委託費で、出資法人や公共的団体などによって運営されてきた実績をもっている施設です。

母子、障害児者などの福祉施設、流域下水道など衛生施設、プール・体育館・体力開発センターなどの体育施設、青少年の家など社会教育施設、公園、会館など、すべて身近な施設であり、入所型福祉施設の第1種社会福祉事業施設など運営は原則として、国、自治体、社会福祉法人に限られているものも含まれています。下水道の管理も市町村、または県が行うとされているものも含まれています。施設設置の目的や本来期待されている役割など施設ごとにちがう性格をもっており、それぞれの個別法により制限が加えられているものもあります。
 福祉施設のように入所者と利用者との信頼関係を築きあげてきた施設が、施設の過失が原因ではなく、行政の都合によって施設運営者や職員がかわるということは通常は考えられないことです。また、福祉施設で運営の効率化や経費の縮減が強調され追及されていくと、職員の非常勤化、パート化がすすみ、福祉サービスの継続性、安定性、専門性など質の低下も心配がされます。

指定管理者への移行にあたっては、原則として公募により決めるとされていますが、従来から管理委託を受けている団体に十分な管理能力があり、施設設置の目的が果たせると認められる場合には、その受託団体が指定されることが望ましいと考えられます。もちろん指定された団体が活力をつけ事業展開を活発化させなくてはならないことはいうまでもありません。
 ところで、地方自治法では指定管理者に委託できる公の施設の範囲が明記されておらず、指定管理者制度への適用については、県当局の判断が大きく作用することとなります。指定管理者に指定するしくみとしても、県が設置する選定委員会の議論を経て県が指定をすることになっていますから、県の指定管理者制度の位置づけや運営に対する基本的な姿勢がそこには反映してきます。
 その点で、はっきりしないのは、今議会に上程されている条例を見てみますと、皆同じ条文のように見受けられます。指定管理者の選定基準の内容や行政の公的責任のありかたは施設ごとにみてどうなのか。指定管理者に運営を委ねることによって、住民の福祉の増進にとって、どのような効果があると期待できるのか、県当局の基本的な考え方についてお尋ねいたします。

@指定管理者制度の運用についての基本方針。
 指定管理者制度の位置づけと今後の運用方針を文書で発表している自治体もありますが、本県の場合、指定管理者をどう位置づけて運用していくのか。指定管理者制度に対する基本的な考えはどのようなものか。運用方針となる事業者選定のありかたとして、南紀福祉センターや有功ヶ丘学園などの障害者福祉施設については条件を満たす社会福祉法人でなければ施設設置の目的達成や適正な運営が確保できないとの判断が示されました。これも指定管理者を無限定に考えているということではなく、一定の指定管理者の位置づけと運用方針になるわけです。福祉施設以外でも、現在、管理委託している団体をまず指定管理者に指定していくというのも一つの運用方針です。これまで3年間の経過措置の期間があったわけですから当然、現行の委託団体とも協議がされていたはずです。また、今回提案されている施設以外の他の施設や現在直営の施設のどこまでを対象に考えておられるのか。将来的には施設の民間譲渡も含めて検討していく施設もあるのか。知事にお尋ねします。

A住民の権利擁護と行政の公的責任のありかた。
 指定管理者制度の目的を住民へのサービス向上と行政経費の節減と説明しています。指定管理者に利用料金の設定や施設の全体的な管理運営や使用許可などの権限も委託することになるわけですが、住民から見ると県が設置した公共施設であることにかわりはありません施設利用の主体である住民の権利擁護(たとえば施設入所者の生存権や発達権の保障、青少年施設やスポーツ施設での教育学習権、施設の平等な利用、情報の公開、プライバシー保護などの諸権利)や行政の公的責任(施設の設置された目的が達成されているか、住民福祉の向上につながっているか、事業者の指導監督)のありかたについて、どのように考えているのか。

B指定管理者の公募と非公募について。
 公募が原則と説明されていますが、地方自治法上は選定委員会の設置や公募が必須要件にはなっていません。公募せずに指定するということにも道を開いています。その点について、どう考えているのか。どういう場合が非公募となるのか。扇が浜ビーチハウスが非公募で従来から委託していた田辺市を指定していますが、これは県からの委託費の負担なしで引き受けてくれているという県の都合による非公募ではないかと思われるところです。福祉施設については利用者の立場から非公募もあるということでした。当然、住民の権利擁護というサイドからの判断もあるべきです。

C指定管理者への委託費について。

指定管理者への委託費が債務負担行為で30件102億6595万4千円計上されています。17年度当初予算の委託費で見てみると30件で30億5千万円、債務負担行為分を単年度で見ると21億5千万円で17年度当初の70%の経費に抑制されることになると見受けられます。また施設ごとに見るとずいぶんばらつきがあるようにも思われます。

 従来の委託費と何がかわってくるのでしょうか。標準人件費という考え方で現行の人件費より単価が低くおさえられているように思われますが、人員体制については、人数だけではなく専門職の配置が必要な施設もあり、どの施設も同じ一律の基準ではその施設の果たす役割を維持できない場合もあるのではないでしょうか。

D指定管理者となった福祉施設の運営について。
 施設の継続性、安定的維持についてどう考えているのか、ということです。母子支援施設のすみれホーム、なぎさホームについては17年度当初予算では国の措置費のみで運営されていて、指定管理者に移行しても変わりはないようです。南紀福祉センター、有功ケ丘学園、若竹園の維持運営管理費を17年度当初予算と比較すると、南紀福祉センターの17年度当初は4億8600万円、債務負担の単年度額は措置費で支弁される額約2億9千万円で差額が約2億円生じることになります。これは、17年度当初予算の60%の額になります。有功ヶ丘学園は措置費支弁額プラス5年間で県費9576万円を上乗せして限度額として計上されており、単年度の差額は約1億6千万円の減額で、17年度当初予算の44%の額になります。若竹園は措置費支弁額プラス5年間で県費約1億2千万円を上乗せ計上し、この施設については17年度当初予算と比較しても単年度の差額がほとんどなく、現行の委託料とほぼ同額となっているようです。これらの施設では、措置費・支援費では維持運営に不足をきたした部分を県費で補ってきたこれまでの経緯があります。若竹園はほぼ同額が計上されていますが、南紀福祉センター、有功ケ丘学園が大幅減額となっています。安定的に事業を継続させていくためには激変緩和措置が必要だと思うところですが、どう考えているのでしょうか。

E施設の利用料金について。
 指定管理者に移行して、経費の縮減によるサービスの向上が期待できるとされているわけですが、利用料金はどうなるのでしょうか。指定管理者が徴収する利用料金の限度額はどのように設定されているのでしょうか。現行料金と比較して、低料金化がはかられていくことになるのでしょうか。

F職員の労働条件について。
 指定管理者制度は新たに指定された事業者については雇用効果をもたらしますが、県直営の施設が民間の指定管理者になったり、施設の受託先であった公共団体、出資法人が指定されないとなると、団体の解散・整理とそれに伴う団体職員の解雇などの問題が想定されるわけですが、施設からの県職員の引き上げに伴う処遇や団体職員の身のふりかたなど県は責任をもって対処してくれるのでしょうか。
 また、従来から管理を受託していた団体が指定管理者として指定されたとしても職員の賃金の切り下げ、正規職員からのパートや下請け化、派遣職員へのおきかえなど、労働条件に変化はおこらないのでしょうか。

2,県立医大の地方独立行政法人化について
 今議会に、県立医科大学の独立法人としての定款、評価委員会設置の条例、医大の県有資産の独立法人への権利承継の議案が提案されています。定めようとする定款では、法人の理事長は学長とし、学長となる理事長を選考するための選考委員会の設置、理事長・副理事長・監事などの役員と理事会の設置とその権限、審議機関としての経営審議会、教育研究審議会の設置など法人の組織や法人の業務の範囲などが規定されています。

 法人の設置者としての知事が法人の中期目標を作成し、法人は中期目標を達成するための中期計画及び年度計画を定め、計画的に業務を遂行し、知事が任命する第3者機関となる評価委員会の評価を受けるとしています。
 法人の会計は行政の一般会計、特別会計から独立した企業会計制度にうつり、職員の身分も非公務員となり、組織的には行政組織から分離し独立したものになりますが、知事が法人の中期目標を作成することや法人への運営費交付金も知事の判断によることから、法人の運営や業務の内容については、知事の政策的判断の影響を色こく受けることにもなってきます。
 県内唯一の医科大学とその附属病院が独立法人化によって、自主自律的な運営が可能となるといわれてきましたが、どのように生まれかわるのか。単に組織がかわり経費の削減がすすめられるだけのものになるのか。それとも県内の医療をとりまく状況が改善されていくのか。その方向での改革となっていくのか。非常に注目されるところでもあります。
 このたび、法人の基本形態・組織についての基本計画も策定されたところですので、提案されている議案の内容もふまえて知事ならびに関係部長にお尋ねします。

@法人の中期目標について。
 法人の中期目標は、知事が作成することになりますが、独立法人化する医大の意見はどの程度反映されることになるのか。もちろん双方の立場から協議されることにはなると思いますが、知事主導で作成されるのか、大学主導で作成されることになるのでしょうか。法人に経営審議会、教育研究審議会が設置され、委員は理事長が任命するとありますが、大学の自治を保障するための学内者の意見の集約と反映はどのようにしていこうと考えているのか。医科大学の改革基本方針で県民に対して開かれた大学として外部意見の反映に努めることとありますが、委員以外の住民の意見や要望を反映させるための方策は考えられていくのでしょうか。

A定款に定める業務の範囲について

定款が議決されれば、独立行政法人化に向けた実質的なゴーサインにもなります。独立行政法人となる県立医大がどのような業務をすすめていこうと考えているのか、県民に説明しておく必要があろうかと思うところです。定款にさだめようとする業務の範囲に、高度で先進的な医療を提供するとともに、地域の保健医療の充実発展に寄与するとありますが、それぞれどのような内容のものをめざして言っているのか。本県の医療状況と住民の医療ニーズに応じた展開が求められているところですが、高度で先進的な医療とは、どういう医療の提供を目指すのか。

また、地域の保健医療の充実とはどういう内容のものをめざすのか。県内への医師の養成と派遣、地域の疾病特徴に応じた医療活動の展開、公衆衛生の向上、疾病予防のとりくみ、ガン、心疾患の死亡率の高さの改善など、様々な課題があろうかと思われますが、どのように考えておられるのか。

B大学・附属病院の経営改善の課題について。
 
法人に企業会計が導入されることになり、弾力的で透明性の高い会計制度へ移行するといわれていますが、確かにひと目見ても財務や収支の状況がよくわかりません。現在の収支の状況はどのようになっているのでしょうか。改善すべき経営課題としてどのようなものがあると考えておられるのでしょうか。

C法人の情報公開について。
 法人の情報公開については努力規定になっています。2月議会の答弁では、法人の情報公開のための制度整備を検討するとされていましたが、どのような方向で検討がされているのでしょうか。

D法人への労働条件の承継について。
 労働条件は県から法人に承継される教職員に不利益を生じないようにするとされていますが、現在、非常勤やパートとなっている職員の処遇については法人に承継されていくのでしょうか。国立病院が独立法人化する際、病院で雇用されていた少なくない非常勤、パート職員の方が雇い止めになるという問題が全国的におこりました。定数外の非常勤職員やパート職員も大学、病院の機能を発揮していくための重要な人材であることにかわりはありません。

また、教職員の給与制度や勤務時間についての検討はされていますが、卒後研修医、臨床研究医(今は学内助手というらしい)の労働条件の改善はどう考えているのか。研修医、研究医といえども医師としての労働者であることにかわりはありません。
 さらに近年、医学生に女性の占める比率が30〜40%と医師をめざす女性が多くなってきています。県立医大でも30%を超えていると聞いていますが、女医が勤務しつづけられる、または家庭に入ってからも大学、病院に復帰できるような条件づくりといっそうの改善が必要となってくるのではないでしょうか。

E法人への運営費交付金について。
 法人の運営を安定的に維持していくために県から法人に運営費交付金が交付されることになります。交付金の必要額の確保、算定のルールや基準については国立大学法人の考え方も参考にするといわれていました。参考にするのは結構だと思いますが、問題は年度年度の必要額をだれが決めるかです。政府は国立大学法人への運営費交付金は大学の意向とかかわりなく毎年度削減する方針をもっています。必要額は確保するというのなら、大学側と十分相談して大学側の納得のいく金額にきめればいいと思いますが、どのように考えているのか。