2016年2月県議会 建設委員会 松坂英樹委員の質問概要記録
3月 3日 補正予算等審査
3月14日 付託議案等審査

3月 3日 補正予算等審査

《質問》松坂英樹 委員
 大規模建築物の補正について聞きたい。
 補正予算説明書の「出」の69ページ、大規模建築物の耐震化促進で50億1862万8000円の減額補正となっている。平成27(2015)年度の当初予算は90億2332万4000円で、補正をすると残りが40億円余りとなるが、補正予算説明書の「雑」の7ページの繰越明許費の額が、そのまま来年度に繰越明許40億469万6000円となっており、今年度の予算はそのまま繰り越しとなっている。大規模建築物の耐震化促進が困難な状況の中、積極的に頑張ってもらっていると思うが、1点目に、大規模事業の耐震診断、設計、改修の状況はどうなっているのか。2点目に、平成27年度予算の執行状況はどのようになっているのか。3点目に、今後の見通しについて聞きたい。以上3点をまとめて答弁してほしい。

《答弁》 建築住宅課長
 1点目については、平成28年2月末現在、県費補助対象施設は22施設となっている。そのうち2施設が診断中、20施設が診断済みである。設計については、設計準備中と設計中を合わせて17施設で進行中である。耐震改修工事については、3施設が着工済みという状況である。
 当初、国は平成27年度中に工事着手したものを補助金の対象としていた。そのため県では、民間事業者の要望に応じられるように、必要な工事費全額の約90億円を平成27年度予算に計上していたが、事業者は資金計画や運営計画の検討・準備に時間を要し、工事着手がおくれたことから2月補正で減額をお願いしている。補正後の平成27年度予算約40億円については繰り越して、遅れている12施設の耐震改修工事及び9施設の設計に充てていきたいと考えている。
 今後の見通しについては、各事業者は耐震改修工事に向けて積極的に動いているので、県としても、早期に改修工事が完了するよう引き続き事業者に働きかけていきたいと考えている。

《要望》松坂英樹 委員
 平成27年度繰越分と来年度予算と合わせ、来年度しっかり取り組んでもらうということになるが、全国トップレベルである県の補助制度を使っても相当の負担が必要となるので、資金繰りについては、融資の枠取りも含めて商工担当部局と連携しながらしっかりと事業者を支援してほしい。

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議秦に対する採決

議案第83号 平成27年度建設事業施行に伴う市町村負担金について
は賛成多数により原案可決 日本共産党 松坂英樹委員は反対
奥村規子県議の補正予算等議案に対する反対討論 議会中継録画0000~)

議案第17号 平成27年度和歌山県一般会計補正予算
議案第23号 平成27年度和歌山県営港湾施設管理特別会計補正予算
議案第24号 平成27年度和歌山県流域下水道事業特別会計補正予算
議案第27号 平成27年度和歌山県用地取得事業特別会計補正予算
については全会一致により原案可決


3月14日 付託議案等審査

《質問》松坂英樹 委員
 まず、国直轄事業負担金について聞きたい。
 国が直接行う工事に対する県の直轄事業負担金は、新年度の予算説明書を見ると、道路関係で約87億円、河川で14億円、砂防で13億円、港湾で13億円で、合計128億円にも上っている。新年度予算には、国体までに完成させるとした事業のうち、京奈和自動車道紀北西道路の分が残っている。12月議会の委員会審議で、過大な規模の設計であると指摘した紀北西道路の和歌山JCTの工事であるが、新年度の87億円の道路関係の直轄事業負担金のうち、紀北西道路分の負担金はいくらなのか。

《答弁》 県土整備総務課長
 52億4900万円となっている。

《意見》松坂英樹 委員
 87億円のうち52億円と、ずば抜けて大きな事業費であり、県にとって大きな負担になると思われる。
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《質問》松坂英樹 委員
 次に、直轄事業負担金の累計について質問したい。
 国直轄道路については、これまでの整備の遅れを取り戻し、加えて、国体までの完成にと前倒しを求めてきたため、集中的に事業が進められてきた経緯がある。この経緯には理解を示すが、負担金は相当な額に上ったと考えられる。それとともに、紀伊半島大水害に対応する砂防等の直轄事業もあったが、この10年間でトータルすると、県の直轄事業負担金の支出はどのぐらいになるのか。

《答弁》 県土整備総務課長
 道路、河川、砂防、港湾関係で、平成19年度から平成28年度までの総額として予算ベースで約1374億円となっている。

《質問》松坂英樹 委員
 1374億円というのはかなりの額だと思う。大変な額であるが、同時に、直轄事業負担金の負担割合に着目してみると、非常に高いと感じる。
 道路を例にとっても、先にあげた紀北西道路では約4分の1ぐらいだと聞いているが、紀勢自動車道田辺~すさみ間やすさみ串本道路など、同じ直轄事業でも道路によって負担割合が違い、また、河川や砂防でもさまざまだと聞いている。国直轄事業負担金の負担割合はどのようになっているのか。

《答弁》 県土整備総務課長
 道路関係では、例えば、紀勢自動車道田辺~すさみ間は新直轄方式なので、基本的に国が4分の3、県が4分の1で、25%の負担となっている。国の4分の3には後進地域の補正1.17がかかるので、県の負担は実質12.25%まで軽減されている。同様の補正がかかるため、例えば京奈和自動車道は高規格道路であるが、県負担分10分の3、30%が18.1%に、すさみ串本道路などは改築事業であるが、県負担分3分の1、33.3%が22%にそれぞれ軽減されている。同様に、河川、砂防関係でも、例えば河川改修は3分の1、33.3%が21.3%に、砂防関係も3分の1、33.3%が21.3%に軽減されている。一方、環境整備では後進地域補正がかからないため、2分の1のままである。
 加えて、直轄事業負担金に関しては起債措置や交付税措置があり、京奈和自動車道の場合、県負担額の90%に起債措置があり、さらにその半額に対して交付税措置がなされ、県負担が軽減されている。

《質問》松坂英樹 委員
 起債が充当できるとのことだが、後年度には大きな借金となる。後進地域補正により、負担割合はかなり軽減されるということだが、県管理国道に対する補助事業などとは全く性格が違うわけで、高速道路や治水、砂防という事業で3分の1や2分の1というのはいかがなものかと思う。
 そこで、次に負担軽減に向けての国への要望について聞きたい。
 国直轄事業負担金については、工事費だけでなく維持管理経費も上乗せされて一緒に請求されていた問題が指摘され、その後改善されたという経緯がある。そもそも国が直接実施する事業は、国の予算で手当てすべきものであり、地方の負担を求めるやり方は前近代的である。国の事業をとるために地方が負担をいとわない姿勢を競い合うのは間違いだし、地方の財政力によって結果的に差が出てはいけない問題だと思う。
 また、那智川沿いの砂防事業など、河川は災害復旧事業で措置されたが、後に大規模な砂防工事が必要とされるところがある。自然災害や地形による要因にまで負担金が生じて地方財政を圧迫するというのは、地方の財政力とは無関係であって、被災県への過度な負担は合理的ではないと思う。これまでも、知事会を通じて国に対して直轄事業負担金の見直しと負担軽減を求めてきたと思うが、状況はどうか。また、国の対応はどうか。

《答弁》 県土整備総務課長
 全国知事会からは、国に対して「直轄負担金制度については、国と地方の役割分担等の見直しや地方への権限と財源の一体的な移譲とをあわせ、制度の廃止など抜本的な改革を確実に進めること」という内容で提言活動を平成21年度から行っている。
 平成22年度には、職員の退職手当や、恒久的な庁舎・職員住宅等に係る建設費などに対する負担金が廃止となり、平成23年度には維持管理費に係る負担金が廃止となっている。
 また、国土交通省からは、個別事業計画について、事前に事業費の見込みと事業内容の詳細な説明を受けている。

《要望》松坂英樹 委員
 負担金制度そのものの議論とともに、いっそうの負担軽減を引き続き知事会等を通じて国に対して強く求めるよう要望しておく。
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《質問》松坂英樹 委員
 次に、この負担金の問題に関連して、いつも指摘しているが、県単独事業の市町村負担金についても取り上げたい。
 今回上程されている議案第82号は、平成28年度建設事業施行に伴う市町村負担金を求める議案である。県が国に対して負担金の軽減を求めているように、災害対策や防災対策の意味を持つ県単事業については、市町村負担金をなくすよう、または負担割合を軽減するよう提案してきたが、新年度予算の負担割合は、これまでと変化があるのか。

《答弁》 県土整備総務課長
 直轄事業負担金制度の改革の趣旨を踏まえ、国直轄事業負担金と同様に、平成22年度に原則として市町村負担金を廃止した。ただし、受益者が限定的な事業であるとか利用者からの使用料で賄うべき事業、市町村事業で県が代行している事業等については、新年度においてもこれまでと同様の負担率としている。

《要望》松坂英樹 委員
 本来、市町村がやるべき事業についての負担金は私たちも理解しているが、それ以外の災害・防災等への対策のための県単事業については、引き続き、負担の軽減を要望しておく。
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《質問》松坂英樹 委員
 河川整備計画に基づく河川整備の予算について聞きたい。
 今年度、有田川と日高川の河川整備計画が策定された。県が河川整備を進めるに当たっては、河川整備計画に位置づけないと国に事業が認めてもらえないと聞いているので、整備計画が策定された2河川では、本格的に整備が進められるものと期待している。
 新年度予算案では、どのような河川整備の予算が計上されているか示してほしい。

《答弁》 河川課長
 現在、平成29年度末までを目標に、県内主要河川の河川整備計画策定の検討を推進しており、今年度は2水系、有田川を昨年10月、日高川を本年3月に国の同意を得て策定している。
 両水系の河川整備計画には、今後おおむね20年間で実施する河川整備の具体的な内容を定めており、今後、これに基づき整備を推進していく。
 平成28年度当初予算案において、新たに、有田川では河口部及び保田橋上流付近で、日高川では西川等において測量、設計に着手するための予算を計上している。
 また、昨年の台風11号で甚大な被害を受け、改良復旧事業が採択された江川については、平成30年度末までの事業完了に向け、測量、設計や用地補償等を進めるとともに、それらが完了したところから随時工事に着手していく。

《要望》松坂英樹 委員
 着実に治水対策を進めるよう、要望しておきたい。

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議案に対する採決
議案第 82号 平成28年度建設事業施行に伴う市町村負担金について
は賛成多数により原案可決
日本共産党 松坂英樹委員は反対
雑賀光夫県議の議案に対する反対討論 議会中継録画
26:00~)

議案第 66号 和歌山県都市公園条例の一部を改正する条例
議案第 67号 県民水泳場設置及び管理条例の一部を改正する条例
議案第 68号 和歌山県立橋本体育館設置及び管理条例の一部を改正する条例
議案第 69号 南紀白浜空港条例の一部を改正する条例
議案第 86号 訴訟の提起について
議案第 88号 紀の川流域下水道の指定管理者の指定について
議案第 89号 紀の川中流流域下水道の指定管理者の指定について
議案第 90号 新宮港緑地の指定管理者の指定について
議案第168号 権利の放棄について
議案第169号 工事請負契約の締結について
議案第170号 工事請負契約の締結について
議案第172号 工事委託変更契約の締結について
については全会一致により原案可決

意見書(案)の採決
建設委員会から「和歌山県の社会資本整備に必要な予算の確保等を求める意見書(案)」を提出することに全会一致で決定


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