ドイツだより13


ドイツのPLC事情1

往復約800キロの道程でした。金曜日の朝に出発し、アウトバーンを飛ばしましたが、東側に入ると道路も工事中のところが非常に多く、快適に飛ばしてきたスピードがぐんと落ちました。しかし、ヴュルツブルク〜ライプチッヒまで約3時間半で到着する事が出来ました。
その日はJAIGのメンバーとライプチッヒの街を歩き市庁舎などを見学しました。土曜日はあいにく朝から雨でしたが、ワイマール、ナウムブル、イェ−ナの街等、ドイツの歴史に重要な旧東ドイツの街を見て回る事が出来ました。
統一後12年経ちますが、全体の雰囲気がまだ灰色で、人々の目も西とは完全に違いました。また、失業率も非常に高く、統一後この街から11万人以上が西に移動したそうで、まるで、ゲルマン民族の大移動が起こったようです。
さて、JAIGのドイツメンバーの数人にPLC問題について色々と伺いましたが、分かった情報は以下の通りでした。以前送ったものとそうたいして変わりありませんが、概ね以下のようです。なお、伺った本人はその地域在住のハムではなく、無線情報誌、並びに無線交信において得た情報とのことでした。情報を話してくれたのは、コブレンツ市在住のHans-Otto Antrup氏DF8POのコールサインをもつハムです。


1.DL国内でPLCは実験的に実施されている、またはされたいた。場所はマンハイムのあるヘッセン州、所謂ルール工業地帯のあるノルトライン・ヴェストファーレン州、南のバーデン・ヴュルテンベルク州の一部だそうです。

2.アマチュア無線への障害に関しては非常に高いノイズを伴う妨害が発生し、運用に支障をもたらすほどであったとの事。

3.アマチュア無線以外では、医療機器類、特に精密医療機器であるHerzschrittmacher(ペースメーカー)、マイクロシリンジポンプ等、特に旧式のものに関して)に障害をもたらした、あるいはもたらす可能性があるとの事。確認はとれていませんが、以上のような事が論議された。心疾患患者の多いドイツでは由々しき問題


との事で、今後はPLCは廃止・中止の方向で動いているとの事。現在運用中なのか、中止されたのかは分かりません。いずれにせよ医療機器への障害が発生する可能性があるため、このplc計画は下火になりつつあるのがdlでの大方の流れのようです。

また、実際運用された地点は工業地帯であり、所謂低所得者層が住む街であること、外国人が多く住み、抗議がなかなか出来ない人々の街が選ばれている事など、ドイツも考えてやっているようですね。しかし、そのままJAで実施となれば知識レベルが均一であろう我国では問題だと思量される。日本でそのような地域から実験ともなれば、これまた、差別問題にも発展しかねないのではと考えます。

そうかと言って田園調布のような高級住宅地から始めるかといえばそんな事はないのでは?
 

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