さて、9月3日にここドイツWuerzburgに赴き、早一カ月半を過ぎようとしています。到着当初はここヴュルツブルク大学医学部生理学講座のゲストルームを間借りして20日間ほど暮らしました。隣の建物は1895年にかの有名なレントゲン博士がX線を発見した物理学研究所、そのまた隣が医学部解剖学講座の建物と、いずれも18世紀の建物に暮らしておりました。当初よりインターネットの環境の構築を第一に試みましたが、古い建物には古い電話装置しかなく持ってきた機械とのすり合わせがうまく行かず苦労いたしました。新聞広告を出し、新しい住居を探し、見学し、やっとの思いで新しいアパートを見つけました。車も中古車を買い、やっと文化的な日本の医師としての生活を構築しつつあります。
無線環境はと言いますと、まだ、別送船便荷物が到着していないが為、開局申請用紙、免許関係その他の文章がないので、全くと言っていいほど手付かずの状態です。徐々に準備をしようと考えております。
さて、留学先はドイツ連邦共和国、国立ヴュルツブルク大学精神神経科であります。主任教授はProf.
Dr. Beckmannと言って精神分裂病の病態の分類でICD-10やDSM-4と言うのがございますが、それとは別にLeonhardの分類と言うのがございます。その分類法の擁護者の一人として一派閥を形成している方です。私はその中の臨床神経化学と言うところのProf.Dr.Riedererのところに来ています。現在、抗うつ薬の奏効機転に関する新規蛋白を日本で発見したので、その研究の続きと、パーキンソン病死後脳を用い、Lewy 小体の分離を行なうべくその方法を検索中であります。ここの研究室は、アルツハイマー病を発見した、アルツハイマー博士が在籍していたところで、彼の銅像もあり、医学史のロマンも感じさせてくれるとこ
ろでもあります。また、間借りしていた生理学教室の主任教授は、金芳堂から出版されているシュッミットの感覚、神経生理学の著者でもあるRobe. F. Schmidt 教授で私が、医学部の二年生の時に使用した教科書の著者でもありました。何年も前に使用した教科書の最新版をプレゼントされて感激ひとしおでした。彼は9月の30日で定年退官とのことで、最後の最後に教授として私に教科書をプレゼントしてくれたのだな、と思うだけで感動です。
話しが長くなってしまいました。続きはまたこの次と致します。
さて、実家の目黒に先生からの10月1日付けのお手紙転送に継ぐ転送で本日ここに到着いたしま した。こちらの住所は以下のスタンプの通りです。どうぞ宜しくお願い申し上げます。2002年 8月31日までこちらに滞在予定です。9月1日には東京に戻らねば大学を首になってしまいま
すので、9月1日には東京の予定です。どうぞ今後とも宜しくお願い申し上げます。
MARS会員の皆様には今後無線ネタ、医学史ネタ等お送り出来るかと思います。また、滞在中、MARSの方で来独でもあればご案内も出来るかと思います。まだ35才でMARS でも最年少医師ハムですので、まだまだ体力には自信があります。いつでも大歓迎です。是非実現してみては如何でしょうか?!
P.S. 12月に3人目の子供がこちらで生まれる予定です。。。。。
73 & good DX de JP1HIS/ドイツ、ヴュルツブルク市